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六年生の秋
やはり、私はさくやくんと関わることも陽キャになることにも程遠い。
陰キャのままだ。
陰キャな私じゃさくやさんが私を見てくれない。
選ばれる人にならなくちゃいけないのに。
私は毎日陽キャになることを志すのに加えて、彼がどうしたら私を見てくれるかを考え続ける。
そうだ、陽キャと友達になればいいんだ。
そう考えた。
私と接点のある陽キャといえば彼女しかいない。
そう、茜ちゃんだ。
私は茜に対して強い恐怖心を持っていた。
しかし、背に腹はかえられない。
陽キャになるために、いや、さくやくんが私をみてくれるためならなんだってする。
私は彼女の元へと近づく。
震える足に見て見ぬふりをして。
ともか「そ、そのキャラクター私も好き!」
茜「ほんと!?このキャラクターいいよね!!」
ともか「私、さ、最近知ったばかりであんまりこのキャラクター知らないんだ。」
茜「なら私が教えてあげるよー!!」
私は彼女が好きなキャラクターのことなんて一ミリも知らなかった。
推しの話を通して、彼女とよく話すようになった。
彼女と推しの話をしているとき。
心は冷めているのに、口角だけは異常なほどに釣り上がっている。
それ気づいたとき、鏡の中の自分に初めて恐怖した。
でも、同時にひどく安心している自分もいた。彼女ともっと親しくならなくては。
なにか接点はないかな。
文化祭の出し物のグループ分け。
出し物はミサンガと彼女の案である私達の日常風景を撮ったものを展示する展示会に決まった。
由紀「ねえ!ともかちゃん!いっしょにミサンガやろうよ!」
由紀が私を誘う。
ともか「…」
あおい「ともちゃんもいっしょにやろうよ」
ともか「…」
あおいちゃんもまた私を誘う。
私はもうどこにするか決まっていた。
さくやくんは絶対に、彼の友達が集まる展示会を選ぶだろう。
それに展示会のリーダーは茜ちゃんだ。
茜「ともかちゃん、いっしょに展示会やろうよ!」
茜ちゃんが私を誘う。
由紀ちゃんの目が、一瞬揺れた。
それでも私は目線を逸らした。
ともか「私、展示会にいくよ」
あおい「えっ、ともちゃんはそっち選ぶんだ。」
あおいちゃんと愛ちゃんが失望したような表情をする。
私はその失望に気づいていたが、見て見ぬふりをした。
私は、私はさくやくんに近づくためならなんだってしてやる。
文化祭の準備中、彼女のおかげで私はたくさんの人と話すことが急激に増えた。
空「ともかちゃん、なんだよその写真w」
(私がサングラスをつけた写真)
ともか「あはははは(笑)」
また一つさくやくんに近づくことが、陽キャに近づくことができた。
ただ、彼女への恐怖は未だに消えない。
相変わらず彼女を前にすると声は震えてしまう。
私は仮面を被り続ける。陽キャに近づくことができる度に、私は仮面を深く被るようになっていく。
“まるで道化師のようだ”
この段階まで来れば、後は私が彼女がいなくても個人的にみんなと仲良くなればさらに陽キャに近づくことができるだろう。
さらに明るくて、面白くなればきっと私は彼女のオマケではなく単体として見てくれるはずだ。
私は段々仮面と自分の性格が重なっていった。
本当の自分が何を考えていたのか、思い出そうとすると霧がかかったようになる。
これが正解だ!!
もっともっと陽キャを演じないといけないんだ。さくやさんにみてもらうために。
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