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ほしのはな
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#さのじん
abc
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佐野:はい、お茶でよかった?
塩﨑:……ありがとうございます
ゼミが終わり、塩﨑君を誘って食堂の空きスペースに向かう。そこに行くまでの間ずっと無言で…気まずいったらありゃしない
塩﨑:…んで、なんですか?
テープルを挟んで向かい合う塩﨑君の、まるで俺を審査するかのような鋭い視線に唾を飲み込む…負けるな俺!!なんとか気持ちを奮い立たせて、吉田君のことを好きになった経緯とその本気度合いを出来る限り伝えた。熱弁した。一方塩﨑君は眉間に皺を寄せてはいるが、途中で口出しもせず真剣に俺の話を聞いてくれた
佐野:…んで、好きになったんだけど
塩﨑:… 佐野さんの気持ちは分かりました。じゃあ質問です
佐野:質問、?
塩﨑:なんで好きなのにうるさくしてたん?仁人毎回寝れないって困ってたけど。騒いで気を引こうとしてただけ?
佐野:それは、本当に申し訳ない…俺引っ越してから両隣ずっと空いててさ。今は角部屋に吉田君が引っ越して来たけどその反対の部屋は未だに空いてて…だから、壁がそんなに薄いこと自体知らなかった。唯一隣の吉田君の部屋からはたまに独り言がボソボソ聞こえるくらいだし
塩﨑:ほぉん
塩﨑君は…多分信用してない。頷いてはいるけど顔が明らかに納得いってない。どうしよ、俺の本気度をもっと伝えないと…
佐野:あれからはまじで騒いでないよ!俺の部屋に後輩呼んでも紙に書いて話してるし
塩﨑:え、そこまでしなくても…
佐野:俺も吉田君の独り言は出来るだけ聞き耳立てないように気をつけてるし
塩﨑:…今まで聞いてたん?
佐野:まぁ、その、優しくして頂いて気になった日から…でもちょっとだよ!?壁に耳を当てて聞くなんてことは数回しか!!それでも何言ってんのか聞き取れないし!?
塩﨑:……引くわぁ。いや、でもこんくらい好きな人なら仁人にとっていいのか、?いやいや!でも、うーん…
なにか小声でぶつくさ言ってるけど、冷静になるとこの状況の異様さに気付く。何これ。俺、面接してんの?なんかジワるんだけど
佐野:…逆に質問なんだけど、なんでそんなに塩﨑君は吉田君のことを護衛してんの?
塩﨑:護衛?
佐野:え、無意識?
塩﨑:…俺は、仁人に傷付いてほしくないだけ
佐野:…それは、過去の恋愛が関係してんの?
塩﨑:まぁ
佐野:その話聞かせて
塩﨑:嫌です
佐野:なんで
塩﨑:自分の恋愛事情、知らないところでばら撒かれてたら嫌でしょ
塩﨑君の考えはごもっとも過ぎる。でも……
佐野:…その事情知らないと、俺は吉田君を傷付けるかもしれないし、なんで塩﨑君がそこまで護衛するのかも納得出来ない。誰にも言わない。約束する
塩﨑君は少し考え込んだ様子だったが、拳を握りしめ俺の目を真っ直ぐ見て話し始めた
塩﨑:絶対他の人には言わないで。佐野さんは仁人に対するキモイくらいの愛を感じたから、特別に!言うだけだから…
中学生の頃、仁人は運動はそんなやけど、まあまあ勉強も出来て顔も良くて、誰にでも平等に優しくてオモロくて、案外モテてたわけ。そんで、仁人はその当時、告白されても断らないのが優しさだと思ってた。でも、それが逆効果で、色んな子と付き合っては別れてを繰り返すようになった。別れを告げるのは毎回女の子から。そりゃそうよ。あんな面倒くさい性格の奴と付き合える方がイカれてる。そんな中で転機が訪れた。あの日は中3の受験勉強真っ只中の寒い日だった
塩﨑:……どうしたんその顔
吉田:…さっきビンタされた。そんで別れた
朝、仁人は顔の半分を真っ赤に腫らして教室にやって来た。とりあえず急いで保健室に連れて行って、でも、保健室の先生がいなかった。俺はとりあえず冷やさなきゃ、って思ってそこら辺にあった冷えピタを貼ってやった
塩﨑:ビンタなんて何年ぶりよ。中1の〇〇ちゃん以来じゃない?
吉田:あぁ……かもね
いつもなら振られても平気そうなふりしてんのに、その日はその素振りすら見せなかった。ずっと遠くを見ていて、怖かった
吉田:…俺さ、気付いたわ
塩﨑:え?
吉田:俺が間違ってたんだ。断らないことが優しさだと思ってた。でもそんなの違う。誰も、こんなの、っ、嬉しくない…
初めて見せる涙に、俺は中学生ながらに胸が苦しくなった。別に仁人が100パーセント悪いわけじゃない。けど、自分のせいだって、仁人自身に言い聞かせるみたいに何度も何度も呟いていた。俺はどうしていいのか分からなくて、そんな仁人の頭をくしゃくしゃ撫で続けた
吉田:…俺、高校太智と同じところに行くことにした
塩﨑:もぉ、ヒグッ、泣かんといてぇ…って、えぇっ!?
吉田:俺の頭撫でながらお前も泣くな笑
塩﨑:だって、〇〇高校にするって
吉田:あれは知り合いが多かったからそっち選んだだけで。太智が行きたい高校も学力的には同じくらいじゃん
塩﨑:そうだけど…それでいいの?
吉田:…俺、新しくスタート切りたいから
その後俺達は無事同じ高校に進学して、仁人は本当に別人になった。って言っても、他の人への対応とかは前より慎重になった程度、なんだけど…
女子:吉田君のこと、ずっと好きでしt
吉田:ごめんなさい。俺、誰とも付き合う気ないんで
いやぁ、中学の時の仁人を知ってる俺からしたら衝撃も衝撃よ。あの仁人が断ってる!?って。そこからどんだけアプローチされても断り続けるようになった。でも、断るという行為も辛いみたいで俺によく愚痴を吐くようになった
吉田:…今日、泣かれた
塩﨑:あ、そーなん?
吉田:はぁ、こっちが泣きてぇよ
塩﨑:んじゃ、誰かと付き合ってみたら?
吉田:…どうせ結果は同じでしょ
塩﨑:じゃあさ、俺と一緒にその子が付き合っても大丈夫な子なのか考えん?
吉田:…は?
その日から仁人は告白された後に俺に随時報告するようになった。最初は渋々だったけど、頼れる人が出来たのが精神的に楽だったらしく最終的には当たり前の共通事項になった。俺もただノリで言っただけだったから、最初こそ報告された時はビビったけど頼られるのはまぁ、悪い気はしなかったし!あの時の悲しそうな顔を思い出したら変に熱が入った。だから…
吉田:昨日さ、夜中にいきなり告られた
塩﨑:は、誰に
吉田:…隣の人
塩﨑:……なんの隣?
吉田:俺の住んでる部屋の隣
塩﨑:はぁ!?あの、うるさいお隣さん!?
吉田:お前の声もうるさいわ!
塩﨑:…信じられへん。なんなんそいつ
吉田:でも、俺、前話したじゃん。告る告らない論争が聞こえるって、それが、
塩﨑:その相手が仁人だったってこと?
吉田:…ぽい
塩崎:……ちょっと詳しく聞かせて
正直ムカついたよね。なんで迷惑かけてたやつが告るん?しかも何度聞いても理由が全く分からんし。なにより、仁人が少し、嬉しそうだったのもよく分からなかった。俺はそいつに完全に騙されてるって思った
塩﨑:…でも、佐野さんの話を聞く限り、騙しては無さそうやな
佐野:そっか……そんな過去があるなら塩﨑君が吉田君を心配する理由も分かる…それに、吉田君が俺にあんなに寄り添えたのも納得だわ
塩﨑:仁人はその道のプロだから
佐野:プロって…あ、話してくれてありがとう
塩﨑:俺も、佐野さんの事なんも知らんのに失礼なこと言ってすみませんでした
塩﨑君はテーブルに頭がぶつかりそうなくらい深々と頭を下げた。え、警戒心の塊だと思ってたけど、もしかして塩﨑君って良い子なのか?
佐野:いやいや!塩﨑君の目からしたら俺は変人扱いになってもおかしくないから笑
塩﨑:言っていいか迷ってたけど…変人だと思いますっ!!
前言撤回。めっちゃ笑顔ですごいこと言うじゃん。良い子かは分からなくなったけど面白い奴ではある
佐野:てか、吉田君はなんで今日来なかったの?
塩﨑:あぁ、 熱出てるっぽいです
佐野:熱、え!?熱!?!?
塩﨑:「動けねぇからレジュメだけ奪い取って」って連絡来てたんで!
佐野:動けないって相当じゃ
塩﨑:まぁ、最近寒くなってきたし…お見舞い行ければいいけどアパート知らんしなぁ
佐野:え”!?知らないの?
塩﨑:知らないっすよ。 お互いのアパート行ったこともないし、まず仁人も俺も敷地に入れたくないタイプなんで
佐野:…俺を入れてくれたのは
塩﨑:見過ごせなかったんでしょ。仁人ってああ見えて優しいから。あ、じゃあ佐野さんが行ってあげてくださいよ!
佐野:俺!?
塩﨑:帰るついでに!ね?よかった、行く手間が省けたぁ
塩﨑君は俺が買ったお茶をぐびぐびと飲み始めた。え、この子は吉田君を心配してるのかどっちなんだ!?
佐野:…俺、てっきり塩﨑君って吉田君のこと好きなのかと思ってた
塩﨑:ブホッ
佐野:え、大丈夫?
試すように言ってみると塩﨑君はお茶を吹き出してゲホゲホ咳ごんでいる。そしてジト目でこっちを見ると
塩﨑:ゴホッ、いきなり何言い出すかと思ったら……マジでそんな気持ち悪い事言わんといて下さい……考えただけでも鳥肌が
佐野:そんなに?
塩﨑:俺は佐野さんと違って仁人のことそんな目で見たこと一度もないんで。ほんとただの友達なんすよ!友達っていうか腐れ縁?まぁとにかく!あんなやつ友達位の関係性が俺は丁度いいから
その後も佐野さんの愛は歪んでてキモイけど、仁人のこと任せれるわ!と、満面の笑みで何度も言われた。あの2人といい塩﨑君といい、俺の純愛をなんだと思ってんだ。てか、塩﨑君って意外と人懐っこいことも分かり少しホッとした。そして塩﨑君と別れた後、ドラッグストアで必要そうな物を買い、俺のアパートに向かった
ピンポーン
…大丈夫かな。本当はドアに掛けておければ良かったんだけど、なんせ連絡先知らないから直接じゃないと分からないだろうし。迷惑だったら申し訳ないから、渡したらすぐ隣に帰ろ
佐野:…あれ?いる?
数分経っても扉が開く気配が全くなくて、一応もう一度チャイムを鳴らす。すると、奥から荒い息と引きずるような物音がどんどん近付いてくる音が扉越しに聞こえる。え、もしかして俺が思ってる以上に体調やばいのか、?
ガチャ
吉田:……ぇ…なんで、?
扉を開けた吉田君は顔色が悪くて、目もいつもより虚ろで見るからに辛そうだ
佐野:塩﨑君から体調悪いって聞いて、とりあえず冷えピタとか、あと食べれそうなもの買っておいたから、時間ある時に…ってあぶな!!
吉田君はドアに体を預けていたが、それも限界が来たのだろう。フラつくと、膝から崩れ落ちた。頭をぶつける手前でなんとか支えて、ゆっくり床に座らせると、壁にもたれて目を閉じてしまった
佐野:吉田君?!ここで寝たらダメ!
吉田:…ぁ、ごめ、んなさい、
佐野:いやいや、謝んないで…ごめんめっちゃ体調悪いのに玄関まで歩かせて…立てる、?
吉田君は呻き声をあげて、なんとか立とうとしているみたいだが、体は全く反応せずへにゃりと座り込んだままだ
吉田:むり、たてない、、
佐野:どうしよ…ちょっと待ってて?俺の荷物隣に置いてくるから
ノートパソコンやら資料やら入った手提げバックを持ったままだから、とりあえず玄関にでも置いてこようと後ろを向いた時だった。服がなにかに引っ張られる感覚がする。振り向くと、俺の服を掴み上目遣いでこっちを見てくる吉田君の姿があった
吉田:…いっちゃうの
佐野:……っ、いや、あの、隣だからね!?すぐ戻って来るから
吉田:……そっか
吉田君は掠れた声で呟くように言うと、掴んでいた手をそっと離した。眉じりを下げ口を結んで床に視線を落としている……やっばぁ、え、?甘えたいけど甘えるの我慢してるの?吉田君ちょー可愛いじゃん。いやぁ、ほんとに数十秒で戻って来れるんだけど…こんな顔されたら……
佐野:…分かった。ちょっとお家お邪魔するよ
すみません、最近忙しくて頻度遅くなるので♥の設定高いです🙇♂️
♥500こえ次第、 次いきます
コメント
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🩷さんの服掴む💛さんが可愛い😭🫶そりゃ一瞬も離れられませんね!がんばれ🩷さん! 更新ありがとうございます!
第4話読了!塩﨑が吉田の過去を話すシーン、めっちゃ重くてグッときた…。「断らないのが優しさ」って思ってた仁人のトラウマ、そりゃ塩﨑も護衛したくなるわ。でも佐野の本気度伝わって、最後の「いっちゃうの」はズルすぎるだろ🔥 熱出して上目遣いで服掴むとか反則!塩﨑に「好きなんかと思ってた」って言われて吹き出すとこも笑った。続き気になるわ!