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今日は仕事も終わり、パトロールを命じられる。
路地裏も確認しなくては、と路地裏の方へ向かおうとすれば路地裏の方からは
焦げ臭い異臭と蒼い炎に包まれていた
僕はその臭いと炎に親近感を感じる。兄の個性にとても似ているからだ。路地裏に入ればもう少しで手遅れになる所だったヴィラン__
そして顔や体中にピアスがツギハギについている男が1人。この感じだと彼はヴィランだろう。
ヴィランに手を伸ばそうとした頃には既に彼に手首を掴まれていて。壁に押し付けられる。必死に抵抗しようとしても力の差で勝てない。そうすれば彼は唇を唇へと押し付けるだけの口付けをしてくる。その間にヴィランは燃え尽き、手遅れとなった。
僕は慌てて彼から離れる。心臓がうるさい。彼は誰なのだろうか。僕には兄にしか見えず、その場で考える。そして彼の瞳は兄と同じ瑠璃色をしていて。その瑠璃色の瞳に映しているものは僕だけだった。
『名前は?』
と尋ねれば
?「荼毘」
と彼は答えた。その瞳はもう一度僕を映して不器用に微笑む。嗚呼、その笑い方も兄にしか見えない。さっきっから荼毘と名乗る彼は兄と同じ個性、兄と同じ瞳、そして体に個性があっていない。これだけ同じ人が他に居るとも思えなければ、ツギハギを脳内で消せば将来の兄はこうなっていただろうな。なんて思えてしまう。
彼は本当に__
何者なのだろうか