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〈 注意!! 〉
・これは完全妄想の物語となっております。
・御本人様とは一切関係がございません。
・キャラ崩壊にご注意ください。
※『視点主』「その他の人」です
[皇帝視点]
今日は散々な日だった。
チェイスはでは巻かれるし、パトカーは盗まれて、麻取も返り討ちにばかり合って…
『でも仕事が終われば煉先輩と過ごせるから!』と自分に言って聞かせ、何とか1日の業務を終わらせる。
正直に言おう。
我は南署の所長、赤城煉と付き合っている。
優しくて、芯があってかっこいい…
そんな煉先輩が好きだ。
性に合わないこと言ったと緩む頬を何とか引き締めて、ひと段落した街を巡回する。
嬉しいことに大きな異変もなく、無事に警察署付近まで戻ってきた。
このまま戻ろうと思ったが、ふとレギオンの端にいる人影が視界に入った。
特段知っている人ではなかったけど、何となく気になって仕方がない。
車から降りて歩みを進めれば、「南署長」というワードが聞こえてきた。
盗み聞きはよくない。
そんなことわかっているけど、どうしても聞きたいと思ってしまった。
「…なぁ知ってるか?南署の署長の話」
「あぁ、、赤城…だったっけ?」
「そいつなんだけどさ、、男色らしいぜ?」
ギャハハと汚い笑い声が響く。
「まじかよ、あんな見た目で?笑」
「それな、女も寄りつかないだろ」
「だからじゃね?笑笑」
「あーあ、あんな奴の下で働く警察も可哀想だよなぁ」
「俺だったら絶対嫌だわ」
即辞めるよなとまた笑う。
身体のずっと奥がギュッと締め付けられた。
それが嫌悪という感情だと気づく頃には、黒く熱い思いが込み上げてくる。
頭より先に体が動いていた。
もっと近くに寄り、怒りを殺して精一杯の優しい声を作る。
『、、こんにちは』
「おー警察の方だ笑」
「なんすか?愚痴なら聞きますよ笑笑」
こいつらはどれだけ馬鹿なのだろう。
『あぁどうも…ちなみに、、何の話をしていたんだ?』
「別に?ただの噂話っすよ」
「警察なら知ってるんじゃないすか?赤城って人が…」
『……男色だったらなんだ?』
『我はその恋人だが?』
一瞬にして場の空気が凍った。
少しの沈黙の後、言葉の刃を突き立てる。
『…ここはレギオン、沢山の人が訪れる場だ』
『噂話をするにしても…ここでは辞めておいた方が身の為だぞ?』
『今回は我だったが、、…相手が相手ならもう二度と陽の光は浴びれないと思え』
ずしりと重く圧をかける。
そうすれば今更怖くなったのか引き攣った笑みをそのままに走り去っていった。
本当は何をしてでも撤回させたかった。
けど我は警察、そして相手は市民だ。
守る為に動く存在と、守られるべき存在。
…何もできない。
(『…何が”警察”、、”この街の太陽”だ。
大切な人ひとりすら守れていないのに…』)
いつの間にか怒りは消えていて、自分自身への失望と疑念だけが残っていた。
そんなもやもやとした思いを何とか心の底に仕舞い込み、警察署に戻った。
[赤城視点]
今日は仕事の後、恋人とデートがある。
恋人とはご存知の通り…ニックスリア、皇帝だ。
正義感が人一倍強くて、明るいし面白い。
めったにないけど甘えてくれるところもすごく可愛い。
忙しい1日だって、皇帝のことを考えるだけで頑張れた。
そろそろ時間だからと退勤し、本署まで車を飛ばす。
皇帝はまだ戻ってきていないようだから、少しおしゃべりをしてその帰りを待つ。
しばらくするとパトカーが一台戻ってきた。
降りてきたのは浮かない顔をした皇帝。
『何かあった?大丈夫?』と声をかけても何もないと静かに笑う。
明らかに様子がおかしかった。
その場でもっと聞き出したかったが、とりあえず俺の家に向かうことにした。
いつもならこの時間にも色々な話をする。
けど今日は、エンジン音だけがうるさく響いている。
流石に心配だから声をかけようとした時、横から何か音が聞こえた。
「、、グスッ…」
すぐに路肩に車を止めた。
そのまま皇帝の背中を優しくさすっていると、ポツリポツリと教えてくれた。
俺の悪口を言っている人を見つけたこと。
すごく、すごくすごく嫌だったこと。
けど、何もできなかったこと。
「我はこの街の警察で…太陽で、、けどその前に煉の恋人だ……」
「なのに…何も、、できないのか?」
「我は…我はただ……大切な人を守りたいだけなのに……」
そう言うとまた消えてしまいそうな声で泣いてしまった。
別に俺のことなんていいのに。
なのにこんなに迷って、悩んで、、苦しんで…
『ごめん、ごめんね、、俺のために…』
『…、、もう心配しなくて大丈夫だから』
「…うん、、グスッ…」
俺の方に抱え込みまた背中をさすれば、そのまま寝てしまった。
ここからは俺が頑張る番だ。
“署長”という権力の全てを行使して、ほんの数日で相手を突き止めた。
その間の皇帝へのメンタルケアの甲斐もあって、今日は本署に出勤できている。
あとは…
『…君たちが例の奴らだよね?』
ふたりの男に背後から声をかける。
そいつらは頭に”?マーク”を浮かべ、互いに顔を見合わせている。
と思えばヒソヒソと話し出した。
「誰だ、こいつ?」
「あれじゃね?あのー…南署の」
「なら”例の”ってあれか?、、レギオンでのさ…」
「……あー、悪口言ってたやつね」
小さな声で話してはいたが、「本当のことだけどな」と笑う声まで丸聞こえだった。
『別に…悪口なんてどうだっていいんだよ』
『俺は今、、あいつに…俺の恋人に嫌な思いさせたことにキレてんだけど?』
そう言ってヤツらの足を撃ち抜く。
「っは?…おま、、え、」
「ッ警察だろ?!市民を守るのが仕事だろ?!!」
『あぁそうだ。警察…署長だから”こそ”警官を守る為に動く、それの何が間違っているんだ?』
今度は腕を掠るように撃った。
それだけでビビったようで、地面に頭を擦り付けている。
「ごめんなさい」とか「すみません」とか色々言っているように聞こえたけど、、
『はは、そんな謝罪で済むなんて本当に思ってる?』
それでもまだ叫び続けている。
『、、謝ったところでもう遅いよ、わかってんだろ?』
『…もういいよね?、じゃあ、、』
「煉?どうしたんだこんなところで?」
最後にもう一度撃とうとした時、曲がり角から皇帝が現れた。
『あれ、皇帝!そか、もう仕事終わる時間か』
急いでピストルをしまい、ヤツらの姿を隠す。
「丁度今終わったところだ!、、って…後ろに誰かいるのか?」
『…んー、何でもないよ?、、じゃあ帰ろっか』
車に乗り込み、俺の家へと走り出す。
『ごめんね、迎えに行こうと思ってたのに』
「全然大丈夫だ」
「…思ってくれてただけで嬉しいしな」
そっぽを向いたから表情まではよく見えないけど、横からでも顔を赤らめているのがわかる。
久々の甘えモード発動の喜びに浸っていると、後ろから爆発音が聞こえてきた。
「?!なんの音だ…?」
火薬の匂いが風に乗って運ばれてくる。
『…まぁ、大丈夫でしょ』
そう言いながら他の匂いまで流れてくる前に窓を閉めた。
これで、全部が終わった。
“警察署長”なのにここまでしてしまう自分に驚きが隠せないけど…まぁいいだろう。
この、太陽のような笑顔を守れるのならば
俺は。
…どんなことだってしてみせる。