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ドラムの大音量と共に
幕が落ちる
ステージにライトがてらされ
パーティーの開演だ
「きゃああああ~」
「おおおおおお~」
大声援の中登場
「本物だ…かっこいい…」
抜群の歌唱力
圧倒的な声量
きれのあるダンス
未だに衰えない色気
まあさの男性像の土台に
なっている彼がそこにいる
「素敵…どうして…とおさまなんだろ…」
思わず呟いた声は
大声援に書き消され
愛する隣の彼にはとどかない
-まあさの初恋だもんな…どうしても
そっちに引っ張られる…
親子で迷惑をかけるなんて、そんなこと
でも…2人で会えたら…いや…家庭がある…
なに考えてるんだ…ダメ…父親だよ
…でも…もう…かあさまはいない…
やめて!やめて!こんなこと…
考えてはダメだ!
声を出して応援したいのに
様々な感情が溢れでる
-どんな未来を2人は描いて
いたんだろう…
私には知ることはできないが
明るい未来はないのだ
絶対にかあさまが守ってきた
ものは壊してはいけない
でも…でも…
・・・
ふじいside
「なあ、兄?」
「あ?」
「客席に、かわいいカップルいたね
揃いの白スーツに、青いピアス
雰囲気良かった、アイドルみたい」
「ああ…シルバーのな
ハハ、お前よくみてんな
俺らだってまだアイドルだろ?」
-さくやに少し似たこがいた…
「ハハ、男の子同士だったけど
1人のこ、めっちゃ、兄、見て
泣いてたね」
-そのこだ…
「ああ…うれし泣きだと良いけど」
-あの年頃で、俺のファンなんて、
ママの影響かな…
「…ちょっと、さくやさんに似てたね」
「ああ…うん」
-なおゆきもそう思ったのか…
「もう忘れちゃった?」
「なわけねーだろ」
-そんなわけない…
「そっか…」
「…わすれねーよ…わすれるわけない」
-あんなに愛し合っていたのに
俺の前から突然消えた…
全てをおいて、2人で生きる準備も
したのに…ハハ、お嬢様の気まぐれ
だったのかな…まあ、今は1人、
気楽で良いけど…絶対に表に
でないように気をつけないと…
「…兄さ?若い女優さんで、
つばきやま まあさってこ
しってた?」
「ああ…」
-あのこも、少しさくやに似てる…
最初に見た時は驚いたな…同じ姓だし…
いや、こどもが授かっていたのなら…
離れるわけない…いや…でも…
なんとか、知り合う手段を
探してはいるが…
「ねえ、あの曲やろーよ」
「皆に聞いてこい」
-2人の秘密のハンドサインか…
さくや…どこにいるんだ…
「おう」
・・・
♪♪♪♪♪~
「まあさ?この曲…」
「え…セトリに載ってない…」
気まぐれであろうが
彼があの曲を歌ってる
-え…こっち見てる…
私を見てるの?
かあさまとのハンドサイン
その後の記憶はほとんどなく
外の冷たい空気を感じながら
隣のしょうたがたろうに連絡
しているのをぼんやり眺めていた
<しょうたです、いやお迎えではなくて
<あの、21時までにはお願いするので
<もう少しだけ、2人でいさせてください
<え?はい、見えます
<わかりました、そこに行きます
<ありがとうございます、失礼します
「しょうた?」
「こっち…ごめん、もう少し
一緒にいたい」
・・・
ささもりグループ系列のホテル
最上階
「念のために着替え持ってきて
良かったな…まあさ、メイク落とすぞ
…髪もおろして…」
「うん…」
「苦しいか?」
「…苦しい」
「外すな…」
「うん…」
「まあさ…ここ…擦れて、赤くなってる
ちょっとしみるかも…」
「うん…」
なすがままに彼に身を任せる
この感情がなにかわからず
ただ溢れる涙をとめることが
できない
-もしかしたら…
「シャワー、いくぞ」
「……しょうた、先で…」
「なんもしねーよ」
「だって…まだちょっと…s」
-まだ終わりきってない…
「わかってる…こいよ」
「……うん」
-そんなはずは…でも血の
繋がりがあれば…
温かい湯をあてられ
身体が解れてゆく
「あったかい…」
「ああ…身体…洗うぞ」
「自分で…」
「…させろ」
「うん…」
「しみる?」
「大丈夫…」
「流すぞ…」
「うん…しょうた…」
「ん?」
「ありがとう…迷惑かけちゃって
ごめんなさい」
「迷惑じゃねーし、気にすんな」
-だいぶ、戻ってきたな
良かった…
「ありがとう♡」
「髪も洗うぞ、湯船入れ」
「自分でできるよ」
「俺が洗いたいんだよ」
「ありがとう♡」
「おう…」
-俺、頑張れ…反応しちゃダメだ
さすがに良くない
彼の優しさに反応しているのか
湯船に長く浸かっているせいなのか
「しょうた…あつい…」
「あっ出ようか?」
-まあさの顔がかわいすぎて
見とれちゃってたよ、ヤバ
「うん、お水飲みたい」
ゴクゴクゴク))
「髪、乾かすぞ」
「…しょうた、ありがとう♡
でも…ちょっと…むこうで…暑い」
バスローブで窓際に腰かける
彼も気を使ってか
むかいあって腰をかける
-しょうた…バスローブがはだけて
セクシー…カッコいい…
「しょうた?今日は連れてきて
くれて本当にありがとう♡」
「え?…こっちこそ一緒にこられて
うれしかったよ♡」
「もちろんだけど…歌…上手だったね…」
-なんだろう…このふじいさんに
対しての違和感…
「初期の頃のも同じキーで歌える
なんてスゲーよ…」
「だよね…ダンスも…素晴らしかった」
「なあ…センスあるよな…」
「すごかったね…圧巻だった…」
「だな…もちろん先輩達のライブも
すごいけど…方向性が違うもんな」
「そうだね…早くしょうた達の
単独ライブ見たいな~」
「俺達も早く単独ライブ
出きるようになりて~」
「「アハハハハ」」
「まあさ?
初恋の相手に会えた感想は?」
「え?」
不用意に呟いた言葉を
愛する彼に聞かれていたかも知れない
「実のパパじゃなかったら…どうする?」
「フフ…なにが~?」
「…さあな……好きなるなってほうが
無理だよな…男性像の土台なんだから…
でも…家庭があるんだぞ…」
「アハハハハ…やだなあ…しょうた…
冗談キツい…当たり前じゃん…ただの
推しでしょ?実父だし…なに言ってるの…」
思わず目を反らし外をみる
完全に見透かされているのだろう
そうでなくとも異常に夢中になって
しまった私に疑問を抱いたのだ
-愛を囁く彼の前で、他の男の
ことなど…最低だ…
「まあさ…」
「ん?」
-耳元を見てる?あれからしょうたくんが
プレゼントしてくれた同じ天色のピアスを
今日はお揃いでしているのだけど…
「俺達2人の名前さ、
「AMAIRO」にしない?
コンビ名、決めてなかったし」
「素敵!賛成!」
-そんなに気に入ってくれてうれしい
ごめんね…しょうた…絶対に大丈夫だから
「おし!許可取りしよ」
「おお!お願いします♡」
タプタプタプ))
「まあさ?」
「ん?もう返事きたの?」
「違う、あっちに…」
-今日は俺、頑張った!限界だ!
まあさがふじいさんを好きなのは
昔から…今は俺の彼女だ!
「え?待って待って、まだ…」
-この疑問は後でたろうに聞いてみよう
今はしょうたとの時間!
「ちゃんと家から持ってきたタオル
ひいて、奥まではいかないから…嫌か?」
-さっきからチラチラ、バスローブから
胸元が見えててヤバいんだよ
それに…今は俺でいっぱいにしたい…
「優しくして?」
「もちろん!チュッ♡」
-っしゃ!憧れのふじいさんで
あろうと負けないから!
俺のものだからな!
続く