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野々さくら
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#ラブコメ
猫塚ルイ

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そうして迎えた週末───
俺は約束通り、圭ちゃんの家にお泊まりで遊びに来ていた。
一週間前からカレンダーを見ては、緊張と期待で胸を躍らせていた当日。
いざ彼の家の前に立つと、心臓が口から飛び出そうなくらい激しく脈打っていた。
「今家に誰もいねぇから、まあ上がれよ」
ガチャリと鍵を開け、気怠げに中へと促す圭ちゃん。
「そ、そうなんだ!お邪魔しまーす…っ」
誰もいない
つまり「二人きり」という事実を突きつけられて、俺の緊張は最高潮に達する。
玄関で靴を脱ぎ、一歩足を踏み入れると、廊下の奥からは圭ちゃんの家特有の
どこか落ち着く生活感のある匂いが微かに漂ってきた。
柔軟剤の中に混ざる、彼自身の匂い。
それだけで頭がクラクラしそうだ。
「りゅう何飲む?コーラとコーヒー牛乳あっけど」
「じゃ、じゃあコーヒー牛乳で!」
「りょーかい。持ってくから先に部屋行ってていいぞ」
「う、うんっ、わかった」
背中を向けた圭ちゃんの広い肩幅を盗み見ては
やっぱり二人きりだという状況に思わずドギマギしてしまう。
俺は浮き足立つ足取りのまま、何度も来たはずの圭ちゃんの自室へと向かった。
ドアノブを回して中に足を踏み入れた瞬間、真っ先に視線が吸い寄せられたのは──
部屋の奥に鎮座する、男らしい色気のないベッドだった。
(…圭ちゃんがいつも寝てるベッド…いつもここで…AV見て抜いたりも、してるのかな……っ)
頭の中で勝手にそんな破廉恥な妄想が膨らみ、顔がカッと熱くなる。
自分がとんでもない変態になったような気がして、俺はその場にただ硬直して立ち尽くしていた。
すると、ガチャっと扉が開く音が静かな部屋に響く。
両手に
冷えたコーラのペットボトルと
なみなみと注がれたコーヒー牛乳の入ったプラスチックのコップを持った圭ちゃんが、不思議そうに声をかけてきた。
「なに突っ立ってんだよ、座んねぇの?」
「す、座る座る!」
焦った俺は、慌てて部屋の中央にあるローテーブルの前に移動し
まるで面接を受けるかのようにキチッと正座した。
しかし、さっきから視線があちこちに泳ぎ
部屋の中をキョロキョロと見回している俺の不審な動きに、圭ちゃんが気づかないはずもなかった。
「どうしたんだよ?俺の部屋なんか何度も見てんのに」
クスッと小さく鼻で笑いながら、圭ちゃんは俺の対面にドサリと胡坐をかいて座った。
そして、ペットボトルのキャップを捻り、ゴクゴクと喉を鳴らしてコーラを飲み始める。
上下する喉仏、少しだけはだけた首元、汗を拭う仕草。
そんな、男友達同士なら何てことない普通の仕草さえ今の俺には酷く色っぽく見えてしまう。
本当に自分がどうにかなってしまったんじゃないかと思えるほどだった。
(やっぱりカッコいいなぁ……)