梟の話を聞いた国達は、狼の過去に驚きと悲しみを隠しきれない様子だった。
コルリル「…そんな…時があったんですか…」
イフル「俺らじゃ…今のアイツを元に戻せないのかよ…!」
皆が俯き、唇を噛んだ。
フィア「…もしできるなら、ウr、シェディアに会わせてくれんか?」
ハート「…分かったっす。案内するっすね。」
白い廊下を歩く国たち。
病室へ向かう途中、誰一人として口を開かなかった。
ハート「…ここっす。」
ジョア「私たちはもう会ったから、外に居るな。」
ハラン「終わったら戻って来て下さい。」
パルフェ「…無理はしないでね。」
フィア「ありがとうな。…ハニーはどうする?シェディアに会ってみるか?」
ハニー「…いえ。今のウルさんはウルさんじゃないんでしょう?なら…会いたくないです。」
フィア「そうか。…お前の判断に任せよう。行ってくるな。」
フィルアsaid
スライド式のドア。
触れた鉄の棒が、袖を通じて冷たさを感じさせる。
『…ふう…』
息子のような存在が、記憶喪失になってしまった。
それに気づけなかった自分など…
『…こんな顔見せられんな。しっかりしろ、わし。』
自分に喝を入れ、ゆっくりとドアを開く。
そこに居たのは、窓辺をぼんやりと見つめる、かつての軍人がいた。
シェディア「…誰だ?」
視線をこちらに向ける赤狼。
軍人の鋭い目には、見合わないほど美しいルビーのような瞳が輝いていた。
『久し…いや、初めまして、かの?シェディア。』
目の前の軍人は驚いたように耳を振るわせた。
それにつられて、金のピアスがゆらりと光る。
シェディア「ほう、私の名を知っているのか!…しかし…貴様のような顔は記憶にないな…」
鋭い牙を見せて笑う軍人。
しかしすぐに不思議そうな顔をする。
『…ふふ、そうじゃろうなぁ…わしが知っているのは、お前さんじゃあないからのぉ…』
シェディア「…、?なぜそんな悲しそうな顔をする?」
『…おまえさんが、軍の記憶を思い出してしまったからじゃよ、ウル。』
思わず溢れそうになった涙をそっと拭う。
もっともっと、昔の話を聞いておけば良かったという後悔。
『…お前さんはな、わしの子供みたいな存在だったんじゃよ?』
梟は帽子を脱ぎ抱えると、
狼が独立してすぐの、古い写真を取り出した。
『…ゆっくり話そう。時間はたっぷりあるからの。』
梟のくすんだ金色の瞳がゆっくり閉じられた。
古く、長く、大事な思い出。
『…どこから話そうかの。』
コメント
13件
ヒ゜エッ(死んだ音)
シェディア君!!!記憶今すぐ取り戻しに行こう!!拒否権はなし!!(おちつけ)
悲しッ泣くわ()シェディア君やっぱLOVE(((急