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新生児科💛
葬式屋💜
↑の設定、なくてもよかったんじゃないかって
思うくらい影薄いです。土下座。
side.💛
夜の路地裏には、雨の匂いが残っていた。
住宅街の隙間にある、小さなゴミ捨て場。
街灯は一本しかなく、
その明かりもどこか頼りない。
💛『…あれ?』
ゴミ出しに来ていた俺は、思わず足を止めた。
路地の奥。
同じようにゴミ袋を持った男が立っていた。
黒いスーツ。白いシャツ。
ネクタイは少し緩んでいる。
横顔を見た瞬間、胸の奥がざわついた。
💜「…照?」
名前を呼ばれる。
それだけで、10年前の記憶が一気に蘇った。
💛『…ふっか?』
💜「やっぱり照じゃん笑」
深澤辰哉。
高校時代、同じクラスだった男。
そして―
俺がずっと、好きだった男。
好きだった。
そう思っていた。
もう、とっくに終わったことだと思っていた。
💜「…何してんの、お前」
💛『それ、こっちの台詞。』
💜「いや、俺ん家ここ。」
💛『…は?』
💜「ここ。二つ隣のマンション。」
は…?
俺…向かいのマンションだぞ…??
しばらく黙った。
💛『…嘘だろ』
💜「なぁに、笑」
ふっかが笑う。
その笑い方も、高校時代と変わらなかった。
俺は思わず目を逸らした。
💛『…俺も、この近所。』
💜「え、マジ?」
💛『うん』
💜「じゃあ、ずっと近所だったんだ。」
💜「気づかなかった」
二人の間に、妙な沈黙が落ちた。
高校時代なら、こんな沈黙はなかった。
くだらないことで笑って。
授業中に目が合って。
帰り道をわざと合わせたりして。
俺は何度も「好き」と言いかけた。
けれど、言えなかった。
そして卒業間際。
ふっかに彼女ができた。
当然だった。
人気者で、イケメンで、何でもできて、優しくて。
でもその瞬間、俺は勝手に失恋した。
― ああ、 こいつは俺のじゃなかったんだ。
そう思って、諦めた。
だから、今さらだった。
今さら、何もない。
💛『…じゃ、俺こっちだから』
💜「うん」
💛『…またな』
💜「…また。」
その後。
俺は家に帰ってから、
ベッドの上で天井を見つめていた。
どうして今さら。
どうして、あんな顔で笑うんだ。
忘れたはずだった。
ずっと。
―そう思っていたのに。
翌日の夜。
💜「照。」
💛『…また?』
また会った。
ゴミ捨て場で。
💜「昨日ぶり、笑」
💛『…偶然?』
💜「たぶん」
💛『たぶんって何』
💜「知らん」
💛『おい』
2人で笑った。
それから俺らは、
毎晩少しずつ話すようになった。
仕事のこと。
高校時代のこと。
近所にできたコンビニのこと。
くだらない話。
どうでもいい話。
それが、妙に心地よかった。
💜「…照って医者になったんだな。」
💛『うん。…新生児科』
💜「すげえじゃん」
💛『…そうでもない』
💜「そう?」
💛『…毎日、子供泣かせてる』
ふっかが首を傾げた。
💜「え?」
💛『診察したり、
処置したりすると泣かれる』
自分で言って少し苦しくなり、苦笑した。
💛『もちろん必要なことだって分かってる。
でもさ、俺が近づくと泣く子もいる』
💜「…」
💛『俺、昔から怖がられやすくてさ』
💜「…昔から笑」
💛『うるさ、笑』
💜「高校のとき、
後輩に『岩本先輩って怖い』って
言われてた。」
💛『…知ってる』
少し声を小さくして言う。
するとふっかはこんなことを言った。
💜「…でも実際は、めちゃくちゃ優しい。」
💜「俺は知ってたけどね。」
💛『…っ、』
俺は彼の顔を凝視する。
嘘をついているようには見えなかった。
💛『…そういうこと、さらっと言うなよ』
💜「なんで?」
💛『…なんでもない。』
俺は目を逸らした。
危ない、また漏らす所だった。
別の日。
珍しく、ふっかのほうから口を開いた。
💜「んねぇ照。俺さ。」
💜「…葬式屋なんだよ」
💛『…葬式屋?』
💜 「葬儀社。
遺族と話したり、式の準備したりすんの」
💛『…そうだったのか』
💜「…うん。」
彼はフェンスにもたれかかった。
表情を悟られないようにか、上を向く。
💜「俺、両親が早死にしてて」
💜「だからなのかな…」
ふっかは夜空を見ながら言った。
その目は寂しそうだった。
💜「悲しみっていう感情、
よく分かんないんだよ」
💛『…。』
💜 「周りの人が泣いてるのは分かる。」
💜「そりゃ大事な人が死んだんだから、
悲しいんだろうなってことも分かる。」
けれど。
💜 「自分の中に、
それと同じものがあるのかって言われると、
それはよく分からない」
ふっかは笑った。
でも完全に、自分を嘲笑っていた。
💜「…だから俺、非情な葬式屋って言われて」
…は?
それは納得いかなかった。
あんなに優しいふっかが、非情な訳がない。
💛『…誰に?』
思わず荒い声が出てしまう。
💜「まあ、いろいろ」
💛『…最低』
💜「…まあ、事実っちゃ事実だし。」
💛『違うだろ』
俺は気づけば、即答していた。
ふっかは少し驚いた顔をする。
💛『悲しみが分からないからって、
人の悲しみを大事にできないわけじゃない』
💜「…!」
💛『…毎日ちゃんと遺族と話してるんだろ』
そう問えば、彼は深く頷く。
💛『…じゃあ、それで十分。』
ふっかはしばらく黙っていた。
💜「…でもさ」
小さく息を吐く。
💜「なんだかんだ着いたこの職業だけど、」
そして、少しだけ笑った。
💜「…やっぱ俺、向いてないと思うんだ。」
俺は答えれなかった。
ただ、彼の隣に立った。
💛 『じゃあさ』
💜「…ん?」
💛『俺も向いてない。』
💜「…え?」
💛『新生児科。』
俺も、さっきのふっかみたいに笑った。
💜「…なんで」
💛『子供と出会って、泣かせて、
その繰り返し。』
💛『俺が触ると泣く。俺が近づくと泣く。
俺が何かしようとすると、もっと泣く』
💛『…医者なのに、
子供を安心させてやれない。』
💜「でも」
彼が言った。
💜「…それでも助けてるんだろ」
💜「泣いてても、助けるんだろ」
俺は顔を上げた。
💜「俺は、照が向いてないとは思わない」
その言葉が、妙に嬉しかった。
💛『…お前に言われると、なんか腹立つ』
それでも照れ隠しで、
こんなことを言ってみる。
💜「なんでだよ笑」
💛『…高校の頃から、
そういうところだけ妙に優しいから』
本音だった。
それでも、ふっかは笑った。
💜「じゃあお互い、
向いてない職業やってるってことで」
💛『解決になってない笑』
💜「いやでも、考えてみ?辞めてないんだぜ?」
💛『…うん』
💜 「なら、たぶん大丈夫。」
その言葉が、妙に胸に残った。
それからは、もっともっと話すようになった。
毎晩のゴミ出しは、
いつの間にか二人の習慣になっていた。
💛『今日さ、めちゃくちゃ小さい子がいて』
💜「…また子供の話?」
💛『新生児科だから』
💜「はいはい。…で?」
💛『手握ったら、泣き止んだんだよ』
💜「へえ…笑」
💛『…でもそのあと、
俺の顔見てまた泣いた』
💜「…んははっ笑笑」
💛『わっ、笑うな!』
2人で笑う。
そんな時間が、少しずつ積み重なっていく。
そしてある夜。
💜「…そういえばさ」
ふっかが話を切り出した。
💜「…高校のとき、俺、彼女いたじゃん。」
心臓が跳ねた。
少し思い出したくない、苦い思い出だった。
💛『…いたな』
💜「覚えてる?」
💛『覚えてるよ』
忘れるわけがない。
苦しかったのだから。
💜「あれさ」
彼は少し困ったように笑った。
💜「…照のこと忘れたくて、
付き合ったんだよ」
💛『…は?』
💜「だから」
ふっかは俺を見る。
そして伝えられた。
💜「…俺、ずっと照のこと好きだった」
時間が止まった。
💛 『…嘘』
💜「嘘じゃないよ」
💛『じゃあ、なんで彼女…』
💜「だから忘れたかったんだって、」
💜 「…でも無理だった。」
彼は笑った。
💜「全然、忘れられなかった。」
俺は何も言えなかった。
喉が詰まる。
十年前。
自分が勝手に失恋したと思った、
その理由が。
今になって、全部ひっくり返された。
💛 『…俺も』
やっと声が出た。
💛『…俺も、お前が彼女作ったから、
勝手に失恋したと思ってた』
💜「…えッ?」
💛『俺も、お前のこと…好きだった』
ふっかが目を見開く。
二人とも、しばらく黙った。
それから。
💜「…じゃあ」
彼が笑う。
💜「…俺ら、何してたんだろうな」
💜「十年も、」
💜「もったいな笑」
俺は笑った。
ふっかも笑った。
街灯の下。
二人の影が、地面に並んで伸びている。
💜「…嬉しい。」
💛『…俺も。』
それ以外口にすることはなかった。
side.💜
あれから三日間。
俺と照は、妙にぎこちなかった。
💜「…おはよう」
💛『今日、早いな。』
💛『…会えないと思ってた。』
💜 「照こそ」
💛『…』
💜「…」
同じゴミ捨て場。
同じ時間。
なのに、今までと何かが違う。
昨日までは普通に話せた。
仕事の愚痴も。
近所の店の話も。
高校時代のくだらない思い出も。
けれど、「好きだった」と
伝え合ってしまった今は。
目が合うだけで、変に意識してしまう。
💛『…ねぇ』
先に口を開いたのは照だった。
💛『俺らさ』
💛『これからどうすんの?』
💜「…どうするって?」
💛『…いや、』
彼は頭を掻いた。
💛『好きって分かったじゃん』
💛『だから、その…』
彼の視線は泳いでいる。
なんだか面白くて、俺は思わず笑った。
💜「んははっ…笑笑
照でも緊張するんだね、」
💜「意外。」
笑い飛ばして終われると思っていた。
💛『…好きな人相手なんだから、するだろ』
💛『緊張ぐらい、』
💜「…っ///」
💜「…そういうの、急に言うなよ、//」
その言葉が、内心、すごく嬉しかった。
💛『…ごめん?』
💜「謝るな」
💛『どっちだよ』
💜「知らない」
💛『知っとけよ』
いつだって、2人で笑い合う。
やっぱり、こうしているのが一番自然だった。
翌日。
💜「んねぇ、」
💜「飯、行かない?」
俺は勇気を出して照をご飯に誘った。
💛『…飯?』
💜「うん」
💜「近所にできた店、気になってるんだよ」
💛『一緒に?』
💜「…一緒に」
こんなにしつこく聞かれるとは
思わなかった。
少しの間沈黙が続く。
それがやけに苦しかった。
でも、返ってきた答えは―
💛『…いいよ。』
その、3文字だった。
💜「…いいの?」
💛『ふっかの奢り』
💜「えぇ、笑」
二人で歩く。
隣に並んで歩くのも、高校以来だった。
あの頃は、ただ一緒に帰りたかった。
理由なんて言えなかった。
でも今は。
隣を歩く理由を、お互い知っている。
💛『…辰哉。』
💜「…え?」
名前…?
💛『手』
💜「…?」
照が手を差し出していた。
ちょっと待て、これ…
いや、勘違いだったらマジで恥ずかしいな、
💛『…寒いから』
それでも期待して、こんなことを言ってみる。
💜「…嘘つけ笑」
💛『…いひっ、ばれた?笑笑』
彼の柔らかい微笑みに心を射られる。
💜「…っ、ばれるよ。」
💛『じゃあ、正直に言う』
照が少しだけ視線を逸らした。
💛『…手、繋ご。』
俺は黙った。
幸せだった。
声も出なかった。
そして、そっと、その手を握った。
💜 「…こ、これでいい、?///」
💛『ふふ…ありがと。』
照の手は温かかった。
高校生の頃には、
想像することしかできなかった。
こうして隣を歩くことも。
手を繋ぐことも。
名前を呼ばれることも。
全部。
💜「…なんか変な感じ。」
💛『何が?』
💜「十年前から好きだったやつと、
今こうして歩いてる、」
💛『…俺も。』
💜「…夢みたいだ。」
💛『…それは大げさ笑』
💜「だってさ」
照は笑った。
俺は静かに声を上げる。
💜「一回、諦めたから、笑」
俺は握った手に、少しだけ力を込めた。
💛『…俺も』
彼もそう言って、握り返してくれた。
食事を終えた帰り道。
二人はまた、いつもの路地裏に戻ってきた。
💜「あ~!まじ美味かった!!」
💛『また行こうな、』
ゴミ捨て場の前。
いつもなら、ここで「また明日」と別れる。
💛『…。』
💜「…。」
けれど。
今日の俺は、照の手を離さなかった。
いや、本能的に離せなかったというべきか。
💜「照、」
💜「俺さ。」
💜 「ちゃんと…言いたい」
勇気を出して、彼の目の前に立つ。
💜「高校のときから、ずっと好きだった」
照は黙って聞いてくれた。
💜「一回忘れようとしたし、
彼女も作った。でも…無理だった」
💜 「再会したときに
また好きになったんじゃない、」
俺は少し笑った。
ちょっと、おかしかったから。
💜「…ずっと好きだった」
胸が熱くなる。
💜「だから―」
俺は一度息を吸った。
勇気を振り絞った。
―でも
そんな俺の口を、彼の唇が塞いだ。
💜「んむ、ッ、!?」
急なことすぎて、理解が追いつかなかった。
顔はどんどん紅潮していく。
💛『…俺に言わせて。』
照は息を吸い、ゆっくり言った。
💛『俺と…付き合ってください。』
静かな夜だった。
遠くで車の走る音がする。
俺はしばらく何も言えなかった。
照が少し不安そうな顔をする。
💛『…ふっか?』
💜「…ばか」
💛『え?』
💜「…俺が、言いたかった、っ、笑」
俺は泣くのを抑えられなかった。
💛『…ごめん、?』
💜 「でも…10年間待ってた」
💜 「俺、その間ずっと、
お前に振られたと思ってたんだから」
💜 「責任取れよ…?」
恥ずかしくて目が合わせられない。
そんな様子を見て、照は笑った。
💛『あ~、まじで、』
💛『かわいすぎ…』
体の大きい照に抱きしめられた。
夜で肌寒かったはずなのに、
その瞬間から、暖かく感じた。
💛『…辰哉。』
また、名前呼び。
心臓がドクンと跳ねる。
俺の頬に、彼の大きな手が添えられる。
そしてもう一度、優しいキスをされた。
💜「…ん、」
💛『…辰哉がいるなら、
俺、もっと頑張るよ、新生児科。』
💜「…じゃあ、俺も、」
💛『…あ、職場教えて。車で送迎する。』
💜「ッ、はぁっ!?////」
💛『いいじゃん、“恋人”なんだから笑』
そんな風に笑い合う。
生まれたばかりの命に立ち会う人。
人生の最後に立ち会う人。
その2人が、人生の途中で出会った。
高校時代には言えなかった言葉を。
10年越しに、ようやく伝え合った。
「好き」
その言葉は。
生まれる瞬間でも。
死ぬ瞬間でもない。
その間にある、何気ない毎日の中で。
2人の人生を、少しずつ変えていくのだった。
fin.
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やべぇAI天才やん、全然分からんかった 💜が好きって言おうとした時に唇塞ぐの好き
最近いわふか更新多くて嬉しいよー!!💛💜✨️ ハッピーエンドのいわふか…最高
💛💜〜✨ 幸せになるんだよぉ(TдT)♪
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