今日は新学期。周りはみんなワクワクしていた。
私達は6年生になる。もう、最高学年。先生のプレッシャーも大きくなるのかな…。なんて、不安もあるけれど…楽しみもある…だって…修学旅行があるんだよ!楽しみ過ぎるよ!
「愛ちゃ〜ん。おはよ〜!」
その声は友達の市川穂香だった。(私の名前は田山愛)
「おはよ〜。穂香〜。同じクラスがいいね〜!」
ニコニコと話しかけるとニコッと返してくれる穂香だ。(めっちゃ可愛い!)
「うん!楽しみ!」
と穂香。穂香は私と身長変わらないんだけどね、小柄なイメージな抜けないんだけど、すっごく可愛いらしい女の子なんだ。そして、すっごく仲いい親友。
今日は穂香はミニスカみたいだ。チェク柄のミニスカに上は可愛らしいふわふわとした長袖の白色の物だった。(服の名前はよくわからなw)さすが、 おしゃれの先輩!(私もこんな風の服、似合うようになりたいな〜。)
「愛ちゃ〜ん、穂香ちゃ〜ん。」
と、元気よく私達の名前を呼んでくるのは、綾瀬菜奈だった。菜奈とは一年生と二年生は一緒で仲良くしていたけれど、三年生からクラス離れてからはあまり話をしていない。けれど、仲いい。(久しぶりに会えて、嬉しい!)
「菜奈!久しぶり!」
と私。
「菜奈ちゃん。おはよ〜。」
と私に続いて言う、穂香。
こんな、感じで菜奈を出迎える私と穂香。菜奈は嬉しそうだった。菜奈は身長は高めでお姉さん見たいな姿だ。だから、服装もジーンズなどが多い。(カッコイイ系、サイコー!)
「愛ちゃんと穂香ちゃんって、仲いいよね!」
と私達に向かっていきなり菜奈は言った。そんなこともないけどな…。と思う私。(そういえば、一回もこんな、話したことが無いな。)
「幼稚園からの付き合いだもん。ね、愛ちゃん。」
そう、穂香は言う。
私と穂香は幼稚園からの付き合いでもう9年目になる。長く付き合っているけれど、一回も喧嘩はしたことはない。(記憶の中は、ね?どっかで、喧嘩したかもしれないけど、覚えてない。)
「そうだね。幼稚園からってもう、9年立つよね。」
私が菜奈はびっくりしていた。(まぁ、幼稚園からってなると長く感じるな。時は早いな。)
「9年!すごいねー!どこよりも仲いいんじゃないかな。」
なんて、菜奈はすごく盛り上がっている。私達は少し照れていた。でも、嬉しかった。
穂香には、隠し事はあまりしないし、嘘もつかない、本音を言い合える仲なんだ。菜奈もそうだ。一年生からの付き合いだけれど、本音を言い合える仲にはなっている。
「あ!クラス表。配られてる!行こ!」
菜奈はクラス表のプリント配っているのにすぐ気づく。早いな!気づくの…。もうちょっと話したかったな…。欲張りな私もいた。けれど、気になる…。クラス表は…。
「行こ、行こ!」
と菜奈。私も置いて行かれないように追いかけた。私は足の速さはまぁまぁな方だけれど、穂香と菜奈は速い運動神経がいいのだろう…。
そして、クラス表を私達はもらった。
「せーので見るよ!」
菜奈が、興奮しながら言った。
「わかった。」
私は菜奈に返事をする。(私も、穂香も興奮はしていたけれど、あまり顔とかには出さなかった。)
「せーの。」
と菜奈が言い、プリントを表向ける。まずは真ん中にある二組を見る。自分の名前はなかった。一組を見ると真ん中の方に名前があった。後は…穂香と菜奈…。
あ!嘘でしょ…。同じクラスだ!
「やったー!」
と私は大きな声で喜んでしまった。まるで、小さな子供のように。恥ずかしいな…。
「同じクラスだね!」
と穂香。意外と興奮している状態だった。(静かに興奮してる。)感情を表に出すのが、苦手な穂香。(九年も仲良くしていれば、これくらいは分かっていますよ。)
「今年もよろしく!愛ちゃんと穂香ちゃん。三人が同じになるのって、一年生ぶりだね!」
と菜奈が言う。確かに、一年生ぶりだ。だって、菜奈とは一年生と二年生しか同じになっていないし、穂香は一年生と三年生と五年生で同じ日なっているため、菜奈と穂香と私の三人が揃うのは一年生ぶりなのだ。
「めっちゃ嬉しい!」
と穂香は喜んでいた。穂香の喜ぶ、はしゃいでいる、笑顔を見たのは久々だ。
だって…私達は、(穂香と私)恋で悩んでいたり、いじめで悩んでいた、5年生時代があるから…私だって…笑顔でいるのはきつかった…。そんなときに、男子達は自分達でふざけあっていた。それを見た私と穂香は思わず笑ってしまった。あんな、面白いことはないと気づいた私と穂香はずっと、その男子達を目で追うようになってしまった。そして、一人の男子に恋に落ちた。久々だ。恋なんて。(幼稚園の頃に初恋!)穂香も私と違う男子に恋に落ちた。でも…嫉妬や心の苦しみに悩まされていた私と穂香。いじめなんて、気にしていなかった。男子達を見るのに夢中だったからだ。
「いじめてた奴と離れられたね。」
と私が言う。穂香はうなづいた。いじめて来た奴となんか六年生は暮らしたくなかったからね。(危ない、危ない。)
「いじめた奴って誰?てか、愛ちゃんと穂香ちゃんって、いじめられてたの?」
そりゃ、菜奈には話したことはなかったからね。びっくりしているだろう…。去年はあまり合わなかった、私と穂香、菜奈はほとんど話してもいない。そして、みんなスマホを持っていないので、メールのやり取りもしていない。だから、本当に話すのは久々なのだ。
「まぁ…いじられていたんだよね。あいつに…もう、思い出すだけで嫌だよ。」
「そっか…。」
と少し暗い顔をする、菜奈。そりゃ、少し重い話になっちゃったからな…。申し訳なかったな…。新学期にこんな話は、ふさわしくないな。
「菜奈、でもね。五年生は出会いがあったんだよね。」
話題を、変えようとして、勢いで言った言葉が出会いだった。(やっば…恥ずかしい…。)
「出会い?」
そう「?」をつけている菜奈。出会いって言っても通常なかったか…。ちゃんと言葉で伝えないと…でも…少し緊張するな…。(菜奈は恋愛に鈍感な女の子。あまり、恋をしたことがないから、仕方がない。)
「恋に落ちたの。ねぇ、穂香。」
私は穂香にふる。
「まぁ…ね。」
と穂香は戸惑っていた。菜奈は目を丸くした。びっくりしているのだろう。だって…恋話なんてこのメンバーではしたことはなかったからね。
「誰、誰? 」
と興味深そうに菜奈は言った。菜奈、意外と恋話とか好きなんだ…。びっくりした…。まぁ…私がそういう話を一年生の頃しなかったからだよね。(一年生の、頃はそんな話はしなかったからね。)
「内緒だよ?」
私が言うと、菜奈はうなづいた。
「…岩本和樹…。」
そして、私は菜奈の耳元で言った。少し緊張した…。名前を言うのでもドキドキする…。(ヤバい、和樹に会いたくなっちゃったよー!)
そして、穂香も続けて言った。穂香の好きな人は…伊沢健翔だ。和樹と健翔は仲良くて二人共お面白い。もうちょっとメンバーはいるけれど…恋に落ちたって言うのは…私が和樹。穂香が健翔だ。ってこと。(なんか、恥ずかしい…)
「へぇ〜、知らないな〜。」
多分、菜奈は和樹と健翔とは同じクラスにはなったことがないと思われる。
「でも、今年同じクラスだよ?」
とクラス表を見ながら言う、私。(さっきまで、和樹は見つけていた。で、今探していたのは、健翔…。探すの忘れてた〜。w)
「よく見てるね、愛ちゃん。」
と言う菜奈。少し、恥ずかしくなってしまう。さっき、興奮していたのは、菜奈と穂香と同じになっていた以外、和樹と同じクラスになれていたからだ。(やばい、探していたのバレちゃう…)
「同じクラスだね。修学旅行。告白しようかな〜。なんてね…?」
と私がつぶやく…。穂香はそれにうなづく。
「告白ね…。頑張って!愛ちゃん。穂香ちゃん。」
そう、応援してくれる菜奈。私と穂香はうなずく。
今、心臓が破裂するようなくらいドキドキしてしまう…。(いなくても、和樹って名前が出るだけで…)うわ…私と和樹の恋…どうなるんだろう…。楽しみと不安の気持ちが私の心にあった。