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『初音ライダー剣』

第10話

“恩義”

ミクはレンゲルの「REMOTE」によってブレイバックルに入っていたビートルアンデッドを解放されてしまう。これでミクはブレイドに変身できなくなった。ビートルアンデッドは驚愕するミクを気にせずにその場から去ってしまう。レンゲルはこれを愉悦そうに笑う。

レン「へへへ…」

リン(やめてレン!)

レンゲル/レンの頭にリンの言葉がよぎる。リンの意識が再びレンを押し返してきた。

レン「う…」

レンゲルは頭を抱えて苦しみ出した。レンゲルバックルからスピリチアエレメントが出現し、レンゲルの変身を解いてリンの姿へ戻した。

リン「…」

ミク「リンちゃん!」

リンはうつ伏せにドッと倒れた。ミクはその場に駆け付け、リンを見遣る。一方で、倒れているルカにも目を遣り、応援を呼んで2人を運ぶことにした。

リンとルカはBOARDの宿舎に運ばれ、そこで介抱された。その後、学校を終えたモモが駆け足でリンの元へ来た。

ミク「モモちゃん。」

モモ「はぁ…はぁ…リンちゃんは…?」

ミク「大丈夫。今、寝てるよ。」

キヨテル「医者に診てもらった結果、特に生命に別条はないそうです。」

モモ「…よかった。」

モモはリンの無事な姿を見て、ホッと一息ついてその場に座り込んだ。

ここで、キヨテルが話題を変える。

キヨテル「しかし、参りましたね。よりによってブレイドが使えなくなるとは…」

ブレイドのパワー源となっていたビートルアンデッドは依然、野放しになったままだ。ビートルアンデッドを封印しない限り、ブレイドに変身できない。

ウタ「どうするの?ミク。」

ミク「…う~ん、それなんだけど…そうだ!私がレンゲルに変身してみようか!」

ミクは思いつきでレンゲルに変身してみようと言う。しかし、キヨテルはこの提案を一蹴する。

キヨテル「却下です。暴走の危険が高過ぎます。」

ミク「でも、他に手が…」

ウタ「ミクまで凶暴化したら手がつけられないよ。そうなったら、今度こそMEIKO先輩以外にライダーがいなくなる。」

ウタもキヨテルの意見に賛同する。確かに、レンゲルのシステムは変身者を凶暴化してしまうため、戦闘に出せない状況にあった。

キヨテル「まずはブレイドを再起動できるようにしなければ。ウタ、MEIKOに連絡して、カテゴリーAの封印を最優先させてください。」

ウタ「了解!」

キヨテルはアンデッド捜索中のMEIKOにビートルアンデッドの封印を最優先させる。前回、ギャレンのメンテナンスのため出撃できなかったMEIKOだが、現在はそれが終了し、任務を再開している。

キヨテル「…仕方ないですね。MEIKOの報告を待つとしましょう。」

ウタ「…そうですね。」

キヨテルとウタはこれしかないと諦め、MEIKOからの吉報を待つことにした。

キヨテル「ミク、彼女の具合はどうですか?」

ミク「そういえば…」

ミクはキヨテルに言われて、ルカの存在を思い出した。リンと共にルカもBOARDに連れてきて介抱されていた。

ミク「見てきます。」

ミクはルカの様子を見るため、ルカの寝ている部屋へ行った。

BOARDの宿舎の部屋の1つでは、ルカがベッドで休んでいた。彼女は既に目を覚ましていた。そこで、部屋に来たミクに気付いた。

ルカ「…お前か。」

ミク「もう起き上がれるの?」

ミクは早々に起き上がったルカを心配そうに見遣る。猛毒を受けたルカだが、不思議なほど回復が早い。これもアンデッドだからだろうか、ミクはそう思った。

ルカ「人間ならとっくに死んでいるが、生憎私は人間じゃない。…もっとも、まだ完治したワケではないがな。」

ミク「そうなんだ。すごいね。」

ルカ「…別に凄くはない。むしろ普通だ。アンデッドにとっては、な。」

ミク「…そうか。」

ルカとミクは少し不毛な会話をする。ミクは先の台詞を聞いて、やっぱりこの人はアンデッドなんだ、と思った。そこで、ルカがミクに1つ質問をした。

ルカ「1つ聞きたい。何故私を助けた?」

ミク「え?そりゃあ、体が助けなきゃって思って本能で動いたから。」

ルカはミクが自分を助けた理由を問うが、ミクは自分の良心と本能で動いたという。ルカはそれに対して首をかしげる。

ルカ「…何だ、それは。」

ミク「だって、苦しんでる人を見たら、助けようと思うじゃない。」

ルカ「そうなのか?」

ミク「そういうモンだよ、人って。」

ルカ「…よく分からんな、人間というのは。」

ミク「順次分かってくるといいよ。それより、何か食べたり飲んだりする?」

ミクはルカに人間の性(さが)を少し教えた後、彼女に食べ物や飲み物をすすめる。そこに、ウタが来た。

ウタ「ミク、カテゴリーAを見つけた!」

ミク「へ!?」

ウタ「海辺にいるみたい!」

ミク「じゃあ、すぐ行かないと!」

ウタ「ダメだよ。MEIKO先輩に連絡したから、大人しく待とう。生身でアンデッドと戦ったって勝てないよ。むしろ、死んじゃうよ。」

ミクは変身できないにも関わらず出撃しようとするが、ウタに止められる。しかし、ミクは居ても立っても居られず、生身で出撃を敢行する。

ミク「…ダメ、やっぱり行く。」

ウタ「へ?」

ミクはウタを体で突き飛ばして駆け足で現場へ向かう。

ウタ「ミク…」

ルカ「…」

ウタはミクを心配した。ルカはそんなミクを真剣な様子で見ていた。

一方、ビートルアンデッドを追うMEIKOはレッドランバスで目的地の海辺を目指していた。

MEIKO「ん?」

その途中で別のアンデッドの鳴き声を聴く。以前、レンゲルの「REMOTE」で解放されたペッカーアンデッドだ。ペッカーアンデッドはMEIKOを見るなり、左腕に持ったナイフを投げてくる。

MEIKO「っ!」

MEIKOはこれを間一髪で回避し、レッドランバスを停めてギャレンバックルを取り出し、腰に装着する。

MEIKO「変身!」

「TURN UP」

MEIKOはポーズを取った後、オリハルコンエレメントをくぐってギャレンへと変身し、ギャレンラウザーを連射する。

同じころ、ミクはブルースペイダーを駆ってビートルアンデッドの元に急行した。そして、海岸でビートルアンデッドを見つけたミクはブルースペイダーをその場で止めて降りる。

ミク「…見つけた。」

ミクはブレイラウザーを手に取り、ビートルアンデッドに斬りかかる。ビートルアンデッドは手にした剣と盾をかざしてミクを迎え撃つ。

ペッカーアンデッドと戦うギャレンは建物や電柱といった遮蔽物を利用してペッカーアンデッドのナイフを回避し、その後に銃撃を繰り出して戦闘を展開していた。ペッカーアンデッドは自慢のナイフを的確に投げてくるが、障害物を上手く利用するギャレンに攻撃を当てられずにいた。ギャレンはペッカーアンデッドが攻撃を外した隙を突いてギャレンラウザーを撃つ。しかし、この状況に苛立ったペッカーアンデッドは嘴から大音を発する。

MEKO「何…?」

ギャレンはペッカーアンデッドの発する大音によろける。そこに隙を見出したペッカーアンデッドはギャレンに接近し、左腕のナイフをギャレンに振るう。

MEIKO「く…」

ギャレンはこれを寸前で回避し、ペッカーアンデッドの懐にギャレンラウザーを突き付けて連射する。ペッカーアンデッドはよろけ、倒れそうになる。ギャレンはその隙を逃さず、ギャレンラウザーのオープントレイを開き、♦5、6、9の

3枚のラウズカードを取り出し、ギャレンラウザーにラウズする。

「DROP」

「FIRE」

「GEMINI」

「BURNING DIVIDE」

MEIKO「はああああ!」

ギャレンは左腕に力を込めてポーズを取った後、高くジャンプして空中で一回転して分身し、両足に炎のエネルギーを纏ってドロップキックを繰り出す。ペッカーアンデッドはこの一撃を受けて倒れ伏し、アンデッドクレストを開いた。ギャレンはそこにラウズカードを投げ入れ、ペッカーアンデッドを封印した。

MEIKO「…そうだ!カテゴリーA!」

ギャレンはビートルアンデッドの存在を思い出し、レッドランバスを駆ってビートルアンデッドの反応をキャッチした場所へ向かう。

ミク「でえいっ!」

ミクはブレイラウザーを振るってビートルアンデッドを攻撃する。しかし、パワー差は歴然で、ビートルアンデッドは左腕の盾をかざしてミクの一撃を軽く受け止め、その直後に右腕の剣をミクに振るう。ミクはブレイラウザーをかざしてこれを受け止めようとするが受けきれず、弾き飛ばされてしまう。

ミク「うあッ!」

ミクは海岸の岩場に倒れ転げる。だが、ミクは諦めることなく、再びブレイラウザーを手に取ってビートルアンデッドに挑む。だが、ブレイドアーマーがなく、カードの技も使えない生身の状態でアンデッドという人外の化け物に敵うはずがなく、何度向かって行っても早かれ遅かれ、最終的に軽く弾き飛ばされてしまう。

ミク「く…やっぱしダメか…」

ミクは歯を食いしばって悔しがる。そんなミクの後ろに、ルカが現れた。

ミク「…ルカさん?」

ルカ「今一度だけよ。」

ルカは♥Aのカードを取り出し、カリスラウザーにラウズする。

ルカ「変身!」

「CHANGE」

音声の後、ルカはカリスへと変身し、ビートルアンデッドに挑みかかる。ビートルアンデッドはカリスのカリスアローによる最初の一撃を盾で受け止めると、剣を振りかぶってカリスに振り下ろす。カリスはこれをカリスアローで受け止めると、ビートルアンデッドの足に蹴りを入れてビートルアンデッドの姿勢保持のバランスを崩す。さらに、カリスはそこにカリスアローを振るって一撃を加え、ビートルアンデッドを転倒させる。海岸の岩場に倒れたビートルアンデッドは体制を立て直そうと再び立ち上がるが、カリスアローによる斬撃を連続で受けて防戦一方となり、まともに攻撃を繰り出せなくなった。そして、ビートルアンデッドが息を切らしてきたところで、カリスは3枚のラウズカードを取り出し、カリスアローにカリスラウザーをセットしてラウズする。

「FLOAT」

「DRILL」

「TORNADE」

「SPINNING DANCE」

カリスは上空へと浮かび上がり、竜巻を纏って上空から急降下してドリルキックを繰り出す。ビートルアンデッドはこの直撃を受けて蹴り飛ばされ、アンデッドクレストを開いた。カリスはその隙に空のラウズカードを取り出し、ビートルアンデッドを封印する。

ビートルアンデッドを封印したカリスはルカの姿に戻り、ミクに渡す。

ミク「ありがとう。」

ルカ「これで貸し借り無しよ。」

ミクは礼を言うが、ルカは借りを返しただけだという。そして、その場を去ろうとバイクの元に向かう。その途中、ポケットから1枚のカードを落としてしまう。

ミク「あ!」

ルカ「?」

ミクはカードを拾う。♥2のナンバリングが振られたそのカードには「SPIRIT」と書かれ、人間の男性の絵が描かれている。しかし、すぐに戻ってきたルカに取られてしまう。

ミク「待って!何?そのカード…」

ルカ「お前には関係ない。」

ルカは♥2のカードを取り返すと、それをさっさとしまい、海辺を後にした。

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