テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
慶応2年(1866年)
1月23日寺田屋にて
冬の京は冷え込み、寺田屋の廊下には夜気が張りつめていた。
その静寂を破るように、階段を駆け上がる足音が響く。
おりょう「龍さん!」
おりょうが息を切らし、部屋へ飛び込んできた。
坂本龍馬「どいた?!そない格好で」
おりょう「敵が来はりました」
その言葉と同時に、階段を登る複数の足音。
襖が勢いよく開き、暗闇が部屋を呑み込む。
灯りが消え、視界は闇一色となった。
坂本龍馬(これじゃあ何も見えん…)
そして右手に銃を持ち…暗闇の中、銃声が聞こえる、それと同時に人の声も聞こえてくる
敵「ゔぁぁぁぁぁ」
そして坂本龍馬は2名射殺、数名重傷を負わせ、
三吉慎蔵は槍で応戦、龍馬を守るように立ち回った。
だが龍馬の両手は血だらけ、
それでも屋根に逃げ延びた、
夜空の下…冷たい風が頬を撫でた。
三吉慎蔵「龍馬さん…明日、薩摩に助けを求めに行こうと思うんですが…
それまでここにいてくれませんか…?」
坂本龍馬優しく微笑み
坂本龍馬「待っとる」坂本龍馬はそう言い痛みで眠れずに夜空を見上げる…
坂本龍馬(やっぱり…月はよう綺麗じゃ…)
そう思いながら静かに月を見ていた…
新選組屯所
山崎烝「坂本龍馬は怪我を負いましたが…逃げ延びました…」
山崎烝の報告に、土方歳三は短く答えた。
土方歳三「そうか…」
朝方…三吉慎蔵が薩摩藩に
助けを求めに行ったが
そこにはおりょうがいた…
あの夜、
おりょうは坂本龍馬の危機を知らせる為に夜な夜な薩摩藩に
助けを求めに走ったのだった、
だがおりょうは坂本龍馬のいる場所が
分からない為、
薩摩藩は坂本龍馬を探す為に京都藩邸へ
連絡し状況を共有し探していた
そして坂本龍馬を逃がす為に船のルートをも探していた…
そして、 その朝 薩摩藩に助けてもらい手当てをして四十日間程して
坂本龍馬とおりょうは日本初新婚旅行へと行く、
そして海援隊の拠点でもある長崎で
三日間いた初日は 近藤長次郎の墓へとお参りしに行ったのだった、
そして坂本龍馬の傷を治すために
湯治をすることになった…
湯けむりが立ちこめ、二人がようやく入れるほどの小さな湯船。
おりょう「温泉っていいねぇ龍さん…」
坂本龍馬「そうじゃろうがのう…」
おりょう「龍さん!龍さん!見てみて〜」
おりょうは布を湯に浮かべ、風船のように膨らませて遊んでいた。
坂本龍馬「どいた?何やそれw」
坂本龍馬「おまん、ほんに…わらべみたいやの。こうして笑う顔、誰にも見せたいないのぉ」
そう言った途端、龍馬は急に黙り込んだ。
おりょう「どないしはったん?そない黙りはって顔真っ赤どすえ」
おりょうが覗き込む。
おりょう「なぜ目を逸らすんですの?」
坂本龍馬「おまんはどいて何も思わないんかえ?ワシはおまんのそういう顔、誰にも見せた無いのにどいておまんは…」
言葉に詰まる坂本龍馬…
おりょう「うちの顔?龍さんは優しゅう人どすな、うちの事そんなに好きかて嬉しゅうなぁ龍さん…うちも好きやで…フッ…照れますなぁこれは…」顔を真っ赤にし無邪気に笑うおりょう
坂本龍馬「ワシも…好き…ぜよ…」
声に詰まりながらもおりょうに好きだと伝える、不器用で愛の深い坂本龍馬…
おりょう「ふふ…龍さんはやっぱりええ人どすなぁ…」と笑い静になる…
そして温泉から上がり坂本龍馬を見張ってた吉井友実が
吉井友実「まっこて、あんたら見ちょると湯けむりより濃かじゃったなぁ。お龍どんと、ようイチャついちょったっが。おいどん、何度目ぇ伏せたか知れもせんどw」
坂本龍馬「まっこて、目ぇ伏せたか知れんとな?__ほいたら一生目つぶっとれ。
そいが、おまんの誠やろうが。」と言いながら部屋へ向かう
吉井友実「ひっどいのぉ、龍馬どん……まっこて、湯けむりの中で言うことかい?
おいどん、目ぇつぶったまま転げて湯船に沈むとこじゃったっが!w」
坂本龍馬「そいはすまんかったのぉ、おまんの反応w…面白うてたまらんくてのぉw」
吉井友実「龍馬どん…あんたぁ、ほんに酷か男じゃのぉ。
おいどん、の反応見て、笑い転げるとは…
まっこてひどいのぉ!w」
坂本龍馬「おまんも同じやけw」
吉井友実「ひっどいのぉwまぁあんたと同じは悪くないのぉw」と笑い、部屋につき
吉井友実「じゃあ、おいどんは邪魔みたいやけ、飲みでも出かけてくるわw」
坂本龍馬「それはまっことありがたいのぉおまんも気ぃ聞くなぁw」
吉井友実「じゃあ楽しい夜を」
坂本龍馬「おう!」そして2人部屋へ
入り二人っきりの空間…
坂本龍馬は窓際におり風を感じていた、 おりょうはお茶を淹れ
坂本龍馬「さて…二人っきりになったら、責任重大じゃのぉ」
おりょう「…?何の責任どす?」
坂本龍馬「おぬしを退屈させたらいかん 責任じゃろ?」
そう言いおりょうに近づく坂本龍馬…
おりょう「龍馬さん…」
坂本龍馬の手が触れる…
吉井友実「すまん!巾着を忘れて…」
坂本龍馬「おまん…ワシを怒らせたいんか?…」ちょっとムッとした感じで問う
吉井友実「すまん!すまん!悪気は無い!もう、こんから安心せえ」焦りつつ申し訳なさそうに言い出て来く
坂本龍馬「二度と来るな!」
おりょう「ふふ…龍さん…怒っていはる?怖いどすなぁw」
坂本龍馬「………そりゃあ怒っとる!おまんとの夜を…邪魔したから……」
不貞腐れてる坂本龍馬を見ておりょうは笑い、坂本龍馬との楽しい夜を過ごした…
朝…
朝起きて腹が減った、坂本龍馬はおりょうに
坂本龍馬「おりょう!飯食いに行かんかえ?」
おりょう「良いどすなぁ、何を食べはります?うちは魚を食べたいどすなぁ」
坂本龍馬「良いな!魚を食いに行くか!そして昼は魚を釣りにでも行くかw」
おりょう「そうどすなぁ…でも龍さんはいっちゃんより下手どすが」と坂本龍馬の釣りの下手さをからかうおりょう
坂本龍馬「そない事無いがや!ワシは坊主より上手いぜよ!昼、見ときぃ!どっちが上手いか分からるぜよ!」
とムキになりつつ笑っている坂本龍馬…
おりょう「龍さんはほんま面白い人どす」
と笑うおりょう
坂本龍馬「おまんが笑うんやったらどんな変な事でもしたるわ!w」
おりょう「ホントどす?!じゃあ地口をやってくれます?w」乗り気で前のめりになり聞く
坂本龍馬「えいぞい!えいぞい!だがまず飯を食うかのぉ」
おりょう「そうどすなぁ」
ご飯を食べ終わり
おりょう「龍さん、地口をしはります?」
坂本龍馬「良かろう!それでは、おまんはまっことアンコが良いのぉ」と言い笑顔でおりょうを愛おしそうに見る坂本龍馬
おりょう「……アンコ? 甘いあのアンコどすか?
頭のことをそう言わはるんや? へぇ〜、変わった言い回しやことw」
坂本龍馬「土佐の職人らがよう使いよったきにのぉ」
おりょう「なるほどなぁ。龍さんはほんま、おもろい事よう知ってはるわw」
坂本龍馬「おまんが笑うんやったら、なんぼでも言うちゃるき」と笑う2人を見てた吉井友実が言う
吉井友実「あんたら…まっこて楽しそうじゃが、おいどんの方が面白いぞw」
坂本龍馬「そうかえ、やってみぃw」
少し考え悪い顔をして
吉井友実「山の木、何も無き、川に無き」
坂本龍馬「ん?なんじゃい、どこが面白いかえ?」 と言われ吉井友実はニヤリと笑い
待ってました!って言わんばかりに
吉井友実「山の木、何も無き、川に無き、龍馬どんの釣る川には魚がこん言う意味やあんたの釣りは下手やからなぁw」
坂本龍馬「な!おまんまで言うか!わしは!ワシはそこまで下手無いわ!」
おりょう「あってますなぁ面白いどすw」
坂本龍馬「おまんら、ワシをなぶって楽しいかえ!二人して…ワシを…」
おりょう「楽しいどすw」
吉井友実「楽しいどすよ?w」
坂本龍馬「なっ!なっ!なっ」
おりょう「大丈夫どすか?かんにんやす、
ちょいと龍さんが楽しいてからかいとうなって…かんにん…」上目遣いで謝るおりょう
坂本龍馬「おまんはずるいやいか…ワシはおまんのそういう顔に弱いんじゃ!」顔を真っ赤にし結構大きな声で言う
おりょう「………へへ」と照れ笑い
吉井友実「あんたらようイチャつくなぁw」
坂本龍馬「良いだろ?w」
吉井友実「良いのぉwおいどんは1人仕事でもしようか………」と立ち上がり
坂本龍馬「おまんの息子を連れてくに
良かろう?」
吉井友実「良いぞ、一袈裟もあんたの事よう気に入ってるみたいだからな、遊んでくれ」
坂本龍馬「ほんじゃ息子借りるぜよ」
そして吉井一袈裟と一緒に山へ向かい川で釣りをする事になった、
吉井一袈裟「龍馬さん!見て!ちっさいけど魚釣れた!龍馬さんは?」
坂本龍馬「………ワシはまだ釣らんだけで、大きいのを狙っとるのじゃ!」
おりょう「ふふ…やっぱり龍さんよりいっちゃんの方が釣り上手やねぇ〜」
吉井一袈裟「おいは龍馬さんより上手いんでぇー」と叫ぶ吉井一袈裟…
坂本龍馬「わしの方が上手いぜよー」
負けんと言わんばかりに叫ぶ坂本龍馬…
おりょう「うちの方が!上手いどすー」
坂本龍馬「おまんは釣りした事ないじゃないかえwwwワシが教えようか?」
おりょう「えへへ…皆がそんなん言うからうちも叫びたくなったんよ、一人はなんや淋しいやん?龍さん教えてくれんやったら教えてくれん?龍さんより上手なるから」
と笑いながら言うおりょうを見て
坂本龍馬「それは、ならんなぁワシより
上手なる事は無い、
ワシを超えるなんぞ百年早いw」
吉井一袈裟「おいを超えられんのに?」
おりょう「そやそや!w」
吉井一袈裟の後ろから言うおりょうw
坂本龍馬「なっ!…」
おりょう「うちに言い返せんで、よう言えたな!ふふん!」
坂本龍馬「おまんちゃうわ!w」
おりょう「えぇ~wちゃうのぉ〜?」
坂本龍馬「わしは坊主に言い返せんだけでおまんはちゃうわ!w」
おりょう「じゃあ教えて?釣り…」
数時間後…
おりょう「龍さん!龍さん!見てみて龍さんより釣れたぁ、でぇ〜誰が誰に言い返せんって?誰に誰が超えられんて?ん?」
坂本龍馬「すまんかった…ワシが間違っとった、おまんはワシより物事覚え るん早かった!おまんの方が上手かった…」
おりょう「それだけ?」
坂本龍馬「何か他にやれ…と?」
おりょう「そやなぁやってくれはるんやったらやってもらいたいんけど…」
とチラチラ坂本龍馬を見るおりょう…w
坂本龍馬「何じゃい言ってみぃ何でもやってやる!」
おりょう「ほんなら……龍さんの隣にずっといさせてぇな」
坂本龍馬「ん?何じゃいずっといるに決まっとるやないか」
おりょう「そうどすなぁ…いちよ、言ってみただけどす」
夜…
おりょう「龍さん、いっちゃんご飯だよ、龍さんはうちの釣った魚、食べてなw」
坂本龍馬「嫌味かえ?
ワシの釣った魚は?どこぜよ」
おりょう「このちっちゃい魚かい?うちが食べるんよ、いっちゃんはいっちゃんが釣った美味しい魚を食べてぇな、龍さんのはちっさ過ぎや、うちしか食べれんw」
坂本龍馬「ムッ!そいな言い方は無いぜよ!………まぁちっこいがおまんはよく食べるがや、ワシのもいるかえ?」
おりょう「それは龍さんの為に釣った魚や龍さんが食べてな、うちはこれで十分や」
と言い黙り込み、
この暖かくてどこか懐かしい雰囲気のせいだろうか…
おりょう「………何か京都が懐いなってきたなぁw」
坂本龍馬「ほな、ちょうどええ。用もあるし、京都へ戻ろうか。懐かしい顔にも会えるかもしんないしの」
吉井一袈裟「京都やったら美味いもんもあるしな…魚のちっさいのと違う味を探しに行こうか!」笑いながらちょっと寂しそう
坂本龍馬「おまん!ワシをまだからかうのかえ!京都からまたここに帰って来た時ワシはおまんもおりょうも超えてる!だからまた会う時は勝負ぜよ!」
吉井一袈裟「絶対ぜよ!絶対…」
坂本龍馬「絶対ぜよ…前にも似たような事あったなぁw絶対にここに帰ってくるそん時はワシが勝つ!これも絶対ぜよ!w」
吉井一袈裟「そん時もおいが勝つ!」
そう笑い…そして坂本龍馬達は京都へ帰る
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!