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「お呼びでしょうか、公爵様」
軽いノックの後、聞きなれた声と共に黒い執事服に身を包んだ青年が、ドアを開けて部屋に入ってきた。
その手にはソーサーに乗った陶器のカップと、揃いのティーポット、そしてクッキーが盛られた皿を乗せた銀のトレーが乗っている。
「よく来たな、こっちへ」
近くに来るよう手招きする。
「如何なさいましたか?」
テーブルにティーカップとクッキー皿を置き、トポトポとカップに紅茶を注ぐ執事。その仕草を眺めつつ、公爵と呼ばれた人物はスっと執事の腰に手を触れた。
「ひぇっ!?」
ビクリ、と執事の身体が跳ねた。コイツは相変わらず弱い
「こ、公爵様。いきなり何をなさるのですか…」
じとりと半目で睨みつつ、執事はティーポットを置く。長年の付き合いだからこそ、こういう感じで気兼ねなく話したりしているが……今回この執事を呼んだのは、ただ話し相手が欲しかっただけではない。
「あの時期だ」
執事の腕を掴み引き寄せ、腰に腕を回して隣に座らせて耳元でそう囁くと、執事の肩が僅かにピクリと動いた
「…もう、ですか?」
ググッと、押し退けるように(実際押しのけようとしているのだろうが)両手で胸を押す執事。頑張っているようだが、腰に回した腕に力を込めて、更に強く抱き寄せる。
「……くっ、ぅ……」
執事の口から僅かに声と共に漏れた息が頬をくすぐる。腕の力を緩め、空いている手で執事の顎を摘んで上を向かせる。少し苦しげに結ばれた唇に自身の唇を重ねて舌を割入れると、執事は少しの抵抗の後、おずおずと唇を開いて公爵の舌を受け入れた。
チュ……クチュ…
「はぁ……ぁ、」
唇の隙間から吐息が漏れる。それすら逃がさぬよう唇を押付け、逃げる舌を自身の舌で絡め取り、腰に回した腕をするりと前に回し、執事のズボンのベルトの金具を外してやる。
「んぁっ、こ、うしゃくひゃま……」
ググッと再び公爵を押しのけようと執事が腕に力を込めるが、ビクともしない。それはそうだ、公爵と執事では体格も筋力も違いすぎるのだから…