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ミク視点
咲希〔じゃあ、いっちゃんを救う隊!しゅつどー!!〕
他のみんな〔おー!〕
あの子達を見ながら、思う。
ミク「…私だって、救いたいな。枯れたあの子の想いを」
可不「そう思うなら救ってあげればいいじゃない?」
可不ちゃんが首を傾げて隣に座る。
ミク「う〜ん…なんでだろうね。救わなきゃって思ってるのに、救わないほうが…とか思っちゃって。私達は、一歌の想いを変えれるわけじゃないからさ。私達ができるのは想いを変えるきっかけを作ることだから」
可不「そうだよね…。でも、私は決めたよ。絶対に、救う。ミクちゃん、“あなたも一緒に”」
その言葉を聞いて驚いた。
ミク「…私が救われる存在なの?」
可不「あれ、そうじゃないの?だってミクちゃん、このセカイが出来てから歌ってないじゃん」
痛いところをつかれた。顔が引きつったのが分かる。
ミク「あ〜あ…何でバレちゃうの?」
可不「ん〜…だって、セカイができてどのくらい経ったと思ってるの?」
…確か、1年ちょっと前くらいだったはず?
ミク「…そっか。約1年も歌ってないのか。そりゃあ、気付かれるわけだね」
可不「うん!ミクちゃんのことは全部知ってるよ!今、とっても悔しがってるのも、悲しがってることも!」
やっぱり、可不ちゃんに嘘はつけないと思った。
ミク「…なんか、ね?歌えないの。歌いたいのに。胸に何かがつっかかってるみたいに」
可不「…うん」
今まで思ってきたことをすべて話す。
ミク「歌える。って思っても、どうやって歌えばいいのも分からなくて…。何で、歌いたいのかも分からなくなってきたの」
可不「……うん」
可不ちゃんの表情が徐々に曇っていく。
ミク「それでね、想いって染まっていくんだなぁって」
可不「染まる?」
頭の上にはてなマークを飛ばす可不ちゃんにクスッと笑いながら話す。
ミク「今の一歌ってさ、音楽に関して何もやってないじゃない。あの子達を思い出すから」
可不「そうだね。歌を歌ってるところも見てないし…」
可不ちゃんが考え込むように返事をした。
ミク「私もね、そんな感じだったの。歌いたいんだけど、マスターのことを思い出しちゃって…声が震えるっていうか…怖いって思ったの。歌うこと自体が」
可不「…そっ、か…じゃあ、ミクちゃんはその想いが一歌ちゃんに染まり始めてるって感じてるの?」
ミク「ちょっと複雑だけどね。私は、戻って欲しいな。歌を宝物だと思っていた一歌に」
散らばっていた花びらを拾い、見つめながら言う。
可不「じゃあ、戻そうよ。みんなで。楽しいって思える瞬間を作ろう?」
ミク「…うん。そうだね。作ろう。一歌の宝物を」