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私は、もう笑えない。
恋愛*スクランブル
第97話 感情と思い出
頭の中が真っ白になった。
「お兄ちゃ……っ!」
どれくらい呆けていたのだろう。
海花(みか)の声がして、顔を向けた。
「どうしたの!?」
たった数歩の距離を駆けてくる海花。
「どうしたって?」
「だって、そんなに泣いてたら」
「泣いてる? 僕が?」
右手で頬に触れてみる。
たしかに濡れた感触がした。
「なにかイヤなことでも思い出した?」
「そうじゃ、ないん、だけ、ど……」
自覚すると、胸の奥からこみ上げるものがあって、声が出せなくなる。
どうして、今まで気が付かなかった?
いつから、こんな想いをしていた?
今も、ひとり苦しんでいるのでは?
それ以上に悲しい気持ちがあって、でも、それがなにかわからない。
それを理解しないと、杏葉になにもできないような*****************
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