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「もうちょっとだけ───」
この言葉が変な誤解を招いてしまったらしい。
宮舘¦無理って言いましたよね?
モブ¦誤解させるような言い方したからだろ!!
この男は、昨日の放課後に無理やり俺を抱いた。
俺は、意識がとんでいたせいか、無責任に発してしまい、こうやって誤解を生んでしまった。
モブ¦オレなら、舘を幸せにできる…
コイツもどうせ口だけ。
愛のない言葉に、薔薇も何も咲かない。
ただ枯れて、散っていくだけ。
宮舘¦……っ、俺もう帰りますね
言葉を濁してコイツを突き放したかった。
モブ¦逃がさないよ❤︎
宮舘¦いた、、ッ
俺の頭の中には、恐怖とトラウマが横切った。
小学生の頃に、学校の先生に初めて抱かれた。
中学生になると、次から次に色んな人に抱かれ、俺はいつの間にか“愛”を求めることをやめてしまった。
高校生になっても、変わらない。
いつになれば、薔薇色に染まるのだろうか。
その時、静かに扉が開いた。
渡辺¦あ……、取り込み中だった?
渡辺翔太。
俺の幼馴染で、初恋の人。
モブ¦なんでもねぇよな、舘!
宮舘¦あ、うん、、
渡辺¦そっか
翔太は何もなかったかのように、カバンをとって出て行ってしまった。
モブ¦舘はナベのこと好きか?
宮舘¦さぁね
否定できなかった。
モブ¦今日は優しくするから、抱かせてよ。抱かせてくれなかったら、ナベにでも───
宮舘¦わかった…から、翔太には手を出さないで……ッ!!
モブ¦上出来❤︎
嗚呼、結局 抗ってもこうなるのか。
もし、あの時に“助けて”と口にすれば、どうなっていたんだろう。
嘲笑ったのか、聞こえてないふりをするのか。
なんて、考えても答えは知らない。
また躰を弄ばれて、俺は俺を失っていくのか。
宮舘¦しょ、た……ッ
言葉と同時に涙が溢れ出てくる。
モブ¦やっぱり、ナベのことが好きなんだ
指が問い詰めるかのように、ナカを掻き乱す。
宮舘¦…あ、ハッぅ゛……ッ//♡
モブ¦でも、今日から舘はオレのだ❤︎一生、オレだけに愛されればいい。ナベはお前のことなんか、何とも思っちゃいねぇだろうからよ!
バカだな。
自分で自分を汚しているみたいで、苦しい。
痛い、気持ち悪い、助けて。
期待するだけ、バカなのに。
バァン!!
勢いよく扉が開いた。
渡辺¦宿題も忘れてた〜!
翔太の声が教室中に響き渡る。
俺の心に、光が差し込んだ。
次こそ言わなきゃ、自分をちゃんと助けたいから。
もっと愛して愛して、いつか愛されたい。
翔太に、“愛してほしい”から。
宮舘¦た、助けて、翔太ッ!!
涙で視界が霞む。
それでも、翔太だけは見える。
必死に手を差し伸べた。
渡辺¦迎えに来たよ、涼太
優しく微笑む翔太に、手をとってもらえた。
宮舘¦ずっと苦しかった……っ
今までの思いが一気に込み上げてくる。
翔太の腕の中は、心地よかった。
初めて、報われた日だった。
モブ¦おい、ナベ!オレの舘だぞ!返しやがれ!!
渡辺¦涼太は俺のだ。幼稚園の頃に、約束してたからな
モブ¦そんなの知るか!無効だ無効!!
渡辺¦愛に機嫌はいらねぇんだよ
それが翔太の“愛”なら……“普通の愛”なら、俺は間違いないと思うよ。
モブ¦そんなのは綺麗事だ!!
渡辺¦お前は汚すぎるんだよ。もっと自分を見つめ直せ
モブ¦……もう知らん!!
渡辺¦じゃあな〜!
宮舘¦翔太……
渡辺¦……フッ、ハハハw
宮舘¦え、どうした?
渡辺¦スッキリした〜〜〜!!!
宮舘¦ふふ、ありがと
渡辺¦その……無期限だからな。遅くなってごめん。約束、果たしに来たよ
宮舘¦約束、、?
渡辺¦え、まさか覚えてない!?
宮舘¦ごめんね、覚えてないや
渡辺¦俺だけかよ〜。恥ずかしい、、//
嘘だよ。
全部覚えてる。
「ねぇ、涼太」
「何、翔太……」
「大人になったら結婚しようよ」
「誰が?」
「俺と涼太が!」
「え〜、どうしよっかな〜。俺…翔太のこと好きじゃないしな〜」
「じゃあわかった。一人前の男になったら、涼太を貰いに行く。それで惚れさせる。絶対に」
「ふふっ、じゃあ約束だね!」
「うんっ!」
「「約束!!」」
あの時から、俺はとっくに翔太のものになるつもりだったんだよ。
宮舘¦好きでした、あの頃からずっと……
渡辺¦へ、?//
宮舘¦翔太はどうなの?
渡辺¦……俺が涼太に“愛”をあげるから、涼太は俺にもらわれて
宮舘¦なにそれw
渡辺¦つまり!つまり…その……//俺のものになってください……////////
宮舘¦もちろん
俺の人生に、薔薇が咲いた。
赤く綺麗に凛と舞っていく。
憧れていた“愛”は、こんなにも美しかったなんて。
涼太¦このリップ、どうしたの?
翔太¦薔薇色なんだよ。涼太に似合うと思って
涼太¦ありがとう、大切にするね
翔太¦俺のことは?
涼太¦翔太のことも大切にするっ!
翔太¦よし、このままデートしに行こ!
涼太¦うんっ!
今も変わらず、この先もずっと、“愛しているよ”。