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#御曹司
鷹槻れん

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#極道
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指輪、自分で買ったものを左手の薬指にしたんじゃダメでしょうか?とか考えて、それはやっぱり納得していただけるわけないですよね、としゅんとする。
今日が何か特別な日だったなら……私はもう少し素直になれたかもしれません。
ごめんなさい、修太郎さん。
折角修太郎さんがご厚意でここへ連れてきてくださったというのに、変に遠慮しておねだりが出来ないとか……。
本当に私は可愛くない彼女なのです。
自分でもそうだと分かっているのに、男性からプレゼントを贈られ慣れていないので、こういうときにどうすべきなのか、私にはよく分からない。
(わーん。自分が本当に情けなくてたまらないのですっ)
***
「日織さん、お待たせしました」
修太郎さんの声に、ショーケースを見つめたままドツボにはまり込んでしまっていた私は、ハッとさせられる。
「あっ、す、すみませんっ。私……」
ぼんやりしていました、と薄く微笑んだら、「日織さんのことだから指輪を選べなかったこと、気にしておられるんでしょう? 今回の件は貴女の性格を分かっていながらそこを失念していた僕のミスです」と頭を撫でられた。
「怒って……いらっしゃらないのですか……?」
折角の厚意を無下にされたと……自尊心を踏みにじられたと……そう言われても仕方のないことをしてしまった自覚があるのに、私がそう申し上げたら修太郎さんはきょとんとしたお顔をなさった。
「どうして僕が日織さんに怒ったりするんですか?」
逆に問いかけられてしまって、私は言葉に詰まってしまう。
修太郎さんはそんな狭量な方じゃないのに……私のほうこそ修太郎さんの性格を分かっていませんよね。
本当に申し訳ないのですっ。
私がしゅん、としてしまいそうになったのを悟られた修太郎さんが、声の調子を変えていらした。
「そうだ、日織さん。このまま別の場所に移動したいんですが、いかがですか?」
言うなり、私の手を握ってすたすた歩き出される修太郎さんに引っ張られるようにして歩きながら、私は彼の横顔をぼんやりと見つめる。
やはり修太郎さんはとてもかっこいいのです。
私にはもったいないくらいに素敵なのです!
***
車に戻ると修太郎さんがルームライトをつけて、先ほど買ってくださったばかりのイヤリングを私の両耳につけてくださった。
「痛くないですか?」
そう問いかけられてうなずくと、助手席側のサンバイザー裏に付いたバニティミラーで、耳元で揺れるイヤリングを確認させてくださる。
「とてもお似合いです」
にっこり微笑んで、直後突然私の頬っぺたを両手で挟んでいらした修太郎さんは、ギュッと頬をつぶすように押さえてから「ほら、笑って?」とおっしゃった。
その言動に、私は自分がジュエリーショップをあとにしてから全然笑っていなかったことに気付かされて、ハッとする。
「ご、ごめんにゃひゃい」
思わず頬をつぶされたまま謝ると、クスクスと笑われてしまう。
「日織さんは本当に可愛らしくていらっしゃる」
上手く喋れなかったことを差しての言葉に、プッと膨らんで見せると、「うん、しょげておられるより、その方がいいです」と頭を撫でられた。
「それから、ごめんなさい、じゃなくて……有難うって言っていただけると嬉しいです」
そうおっしゃってから、私をじっと見つめていらした。
私はプレゼントを贈っていただいて、ちゃんとお礼を言えていなかったことにハッとして、
「有難うございます。とても嬉しいです」
やっと、笑顔でお礼を申し上げることが出来ました。
***
修太郎さんはショッピングモールから車で十五分ほど戻ったところにある、地元でも有名な〝ある橋〟に連れて行ってくださいました。
国の名勝に指定されているその橋は、渡るのに往復の入橋券が必要なので、地元民は眺めるだけで滅多に渡らない橋だったりします。
河川敷駐車場に車を停めてから、修太郎さんが入橋券を買ってくださって、私は本当に久しぶりに橋へ足を踏み入れました。
直近では高校生のころ、友人たち数名と渡ったことがあるきりだったその橋は、五つのアーチが特徴の、木で出来た美しい橋です。
コメント
2件
あまーい!!
うわああ第76話も甘々で尊すぎる〜!!😭💕💕 指輪選べなくてしょんぼりしてる日織ちゃんに「僕のミスです」って全部自分のせいにしてフォローする修太郎さん、人間力高すぎでしょ…!!しかもイヤリングつけて頬っぺたぎゅーっとして「笑って?」って…正気か!!?心臓持たないわ😇💘 最後に「ごめんなさい」じゃなくて「ありがとう」って言えるように導くの、もうね、愛が深すぎるんだよなあ…。橋のシーンも含めて、この2人の距離がゆっくり縮まってく感じがたまらんのです…🌸✨