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しゃんと背筋を伸ばすと、いくらか眠気が飛んで、気持ちが少し冴えてきた。
眠そうに垂れていた赤い犬耳も、だんだんピンと立ち上がってくる。
シャッと勢いよくカーテンを開けると、窓ガラスに映った自分と目が合った。
左の横髪を長く伸ばしたアシンメトリーなヘアスタイルと、左右で瞳の色が違うオッドアイ。
莉犬のビジュアルは独特で、唯一無二だ。
紅色の髪は陽光を浴びて、苺のように鮮やかにキラキラと輝いている。
まぶしさに目を細めながら、莉犬は晴れ渡った青空を見上げた。
今日も良い天気になりそうだ。
「今日から週末にかけて気持ちのいい天気で、行楽日和となりそうですー」
流れてくるニュース番組の音声を聞きながら、莉犬は皿の上の朝食を箸でつまんだ。
オムレツにかかったケチャップは、莉犬の髪の色みたいに真っ赤だ。
制服の白いシャツを汚さないように気を付けながら、はむっと口に運ぶ。
「時間、大丈夫?」
お母さんが洗い物をしながら、のんびり声をかける。
莉犬は朝食を食べ終えると、お気に入りのヘッドフォンを肩につけ、制服姿で玄関を出た。
「いってきまーす!」
いってらっしゃい、と母親の声に送られながら、学校へと向かう。
早朝の電車は人もまばらだ。
座席に並んで座っている高校生のグループを後目に、莉犬は一人、ドアの前に立った。