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僕は、天才が嫌いだ。生まれながらに才能を持っていて、その分野で輝くことができるから。才能がなかったらどれだけ練習しようが、ある方に劣ってしまう。この世界平等って言うけどこう言う部分は残酷なほど差がある。それはいくら足掻こうが埋まりはしない。
今年初めての定期テストが返された。僕は、数理が95点、国社英が97点の481点。
学年ではおそらく3位以内には入っているだろう。
すると、クラスメイトが僕のところへたくさん来た。
クラスメイトa「藤原!お前今回も学年3位だな!さすが、天才は違うわ。」
クラスメイトb「ほんとさ、地頭いいって言うのはこう言うことよな。」
ほら、天才ってさ、地頭がよかったからだってさ。
五十嵐「よ、なんか元気ないじゃん?どしたのさ。」
ふと五十嵐の方を見ると、心配そうに見ていたので
藤原「別に、元気元気。そいえば、五十嵐テストどうだったの?」
五十嵐「えぇ?まあ俺はいいよ、別に普通だよ。」
と明らかに戸惑っていたので
藤原「何点だったの?じゃあ、合計でいいから。」
そういうと、渋々
五十嵐「、、250ちょっきり。」
藤原「え?」
そんな点数取るやつほんとにいるんだと思った。となると平均で50点だ。
五十嵐が僕の絶句を見ると
五十嵐「平均で50かよ、て思った?違うかんね?英語だけ90点なんだよ。あとはみんな同じ。」
アンバランスがすぎると思ったが、飛び抜けた才能は計り知れない。おそらく五十嵐は勉強してないでとった点数なのだろう。
五十嵐は男バスと美術部で迷っていたが、男バスの筋肉痛に耐えきれず、美術部を選んだ。
それから月日が経ち、もうすぐ夏休みだ。
藤原「ねえ、五十嵐、今日部活来る?」
五十嵐「ああ、わり、今日はおでかけなんだ。じゃあ。」
五十嵐が部活を休むことはなかなかないので僕は一人で美術部へ向かった。
美術部につくと、30人ほどいるはずが2〜3人しかいなかった。
成田「おお、お疲れ神楽。」
成田先生が言った。
成田「ちょっといい?」
その言葉に、何か悪いことをしたのかもしれない。と不安になっていた。
藤原「は、はい。わかりました。」
成田先生はいつものにこやかを感じない真剣な顔をしていた。
成田先生は倉庫のように扱われている部屋に僕を連れた。
成田先生はやっと話して
成田「あーあのさ、、」
藤原「は、はい、」
成田「ちょっと相談乗ってくんない?」
藤原「え?」
平然を装っていたが、予想外の答えに戸惑いがあらわになった。他の先生に出来ない相談だからこんなところに連れてきたのかとわかった。
成田「実はさ、今度、夏休み明けに教育実習が来るんだよね、、。俺教育係なっちゃって。」
藤原「それは大変ですね。」
成田「でさ、こう、なんて言うか、人に何かを教えるってどうしたらいいんだ?」
この人は僕にどんな答えを求めているのだろうか。
藤原「何で、そんなこと聞くんです、先生は人に教えているでしょう。」
成田「何だろう、君は天才だから、とでも言おうか。」
藤原「やめてください、なんなんですか。天才には何でもお見通し何ですか?」
天才と言う言葉に苛立ちを見せてしまったがどうしてみんな天才なんて軽く言うのだろう。
そんなの人の努力が元からあったみたいに聞こえる。だからこの言葉が好きじゃないんだ。
成田先生は、少し黙ってから、
成田「神楽、なんか悩んでない?」
藤原「え?、、。」
成田「君は優しい。だから言いたいことも時と場合によっては飲み込んでいる。それが苦しそうだから。」
藤原「じゃあ、僕は天才じゃないです。自分がわからない。どんなふうになりたいのか。どこを目指してるのか。何を求めてるのか。」
そういうと成田先生は微笑んで
成田「ふ、、君は何だか特別何かを持ってるよね。何だろう、 」
藤原「特別な何かって、何ですか。」
成田「よし、じゃあ俺が3年見てきた藤原神楽を教えてあげよう。 」
そう言って得意げな表情で言った。
成田「君は、嘘をつくのが上手いよね。」
僕の心臓の鼓動が全身に伝わるのを感じた。
第六話へ続く、、