藤原「嘘をつくのが上手いって、、もっと言い方ないですか?」
成田「君は天才に異常なほどの執着がある。ような気がする。君は自分が天才じゃないとわかっていて、天才との差を埋めようとしている。だから、自分を天才だと他人から思われるように、努力で天才を作っている。その才能が努力なしで、元からあったかのように見せる嘘をついてるんだと、俺はそこに天才味を感じる。そんな器用なことできる人なかなかいないと思う。 」
僕は少し沈黙し、
藤原「先生は、やっぱ変です。」
と言った。なんだか、心が少し軽くなった気がする。そう思わせてくれる部分が好きだ。
成田「いや、変ではない。変わったやつだとは思うがな。まあ、また話したかったら今度は神楽が誘って。」
そう言ってニコッと笑い教室を後にした。
汚れた窓からは夕焼けが見えていた。
そろそろ帰らないと。
俺は成田雄大。26歳独身。今は英語教師をいている。
今日、新卒から交流のある神楽が最近息詰まっているような気がして心配だった。だから軽く相談に乗ってあげた。
彼は家庭がいわゆる高学歴にこだわる感じであり、一年生の頃から勉強を熱心にしていた。
彼は客観視するといわゆる天才型。やれと言われたら何でもできてしまう。
でも彼が天才だと言われ笑顔だったことはなかった。むしろ苦しそうだった。
それはきっと彼の上手な嘘でも隠しきれない、認めてほしい努力があるからだろう。
彼が美術部に来た時は意外だった。運動神経がいいので体育は得意で、美術のイメージはなかったし、ましてや部活に入ったら勉強がおろそかになりかねない。俺は新卒で初めて代わりという形ではあるが、顧問になったし
成田「君、藤原君だろ?何で君はこの部活を選んだの?」
そう思い切って尋ねてみた。
藤原「美術が好きなんです、だから上手くなりたいんです。」
言葉とは逆に少し元気がないような。そこでわかった。きっと嘘をついていると。
本当は美術が苦手だけど、苦手と向き合おうとしてるんだ。
そこが中1のすることとは思えなくて
成田「ふふ、君は凄いな。」
そう伝えたのを覚えてる。
彼は少し戸惑っていたがニコッと笑っていた。
今思えばそこからかもしれない。彼の凄さに興味を持ったのは。
俺は天才になることはないし、なれるとも思わない。けど色々な何かと戦っている彼を見ると気持ちがたくさん湧き出る感じがする。
僕は人に言いたくないことを抱えてる。
僕が天才に執着し出した理由を生み出したのはーーーーー。
第七話へ続く、、
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