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投稿遅れてすみません💦
若井さんside行きますわよぉぉぉぉ(?)
前回からテンションおかしいですね(?)
「わか…ぃ…わ…」
元貴の声が、耳鳴りの向こうで、
霧にかかったみたいにくぐもって聞こえる。
頭からは何かドロッとした液体が流れ、
足は激痛を通り越して感覚自体が麻痺してきている。
あぁ、俺死ぬんだな。
ふっとそう思った。
せめて二人で幸せになって貰わなきゃ…。
そんな考えが、自分でもびっくりするぐらい自然と出てきた。
もうほとんど自由のきかない手を、車のドアロックの緊急解除ボタンを押す。
涼ちゃんは、後ろの席だから、命は取り留めて欲しい。
2人には、幸せになってほしい。
そう願った。
所詮、走馬灯というやつだろうか。
あの時の記憶が頭に流れ込んできた。
「俺さ、涼ちゃんのこと好きかも。」
口に含んでいたアイスコーヒーをゴクッと飲み込んだ。
正直、悔しかった。
涼ちゃんは、俺と違って、元貴の一目惚れでバンドに入って。
入った当時はキーボードのことなんて1ミリも知らないのに。
ギターを熟知して、元貴に何度もアピールして好いてもらった自分とは違って。
『涼ちゃんッ!』
気づけば、元貴の矢印は涼ちゃんに向いていた。
その矢印が、どれだけ自分に向いて欲しかったことか。
でも、涼ちゃんが元貴の期待に応えるため、壮絶な努力をしているのを知った。
俺でも心が折れそうな要望も、涼ちゃんは笑って受け入れていた。
そんな涼ちゃんの笑顔に救われたことだってあった。
きっと元貴も、涼ちゃんのそんなところに惚れたんだろう。
「涼ちゃんかぁ〜…。てか元貴初恋?手伝ってやるよ〜w」
そうからかうと、
元貴はガラにもなく、
「は?!、いや、ち、ちが、違うし。」
と焦っている。
こりゃ図星だな。
俺は元貴の頭に手を乗せ、
「親友の初恋、応援しなくてどうすんだよ笑」
「…ぅ゛ぅ、若井ぃぃ😭」
そう言って元貴が俺に泣きついてきたところで記憶が途切れる。
その後、付き合えたって、一番に教えてくれたっけ。
涼ちゃん、元貴、元気でね。
どうかお幸せに。