「……誰?」
「五条悟。呪術師だよ」
「……」
俺は前世、雨宮吾郎の頃から呪霊や呪いについての知識だけはあった。
呪術師について興味はあったが、なんせ東京と京都だ。行けるわけが無い。
それで、昔から小説で外科医に憧れていた。
代わりに、外科医を進路に決めた。だけど、周りからは「産婦人科医」を求められた。
だから、僕は産婦人科医になった。
「急にこんな所に呼んでごめんね〜?僕、スカウトに来たんだ。」
「……呪術師の?」
「そ!理解が早くて助かるよー」
今この体になって。
呪術師の才を手に入れた。
だから、元々の知識に合わせて今まで実践を何度かしてきた。
そのおかげで、「実力」と「知識」を併せ持つことが出来た。
今度こそ、呪術師になりたい。
……でも、復讐はどうなる?芸能界から足を踏み外したら、父親に復讐が出来なくなる。
呪術師は万年人手不足。それ故に忙しい。
だから取れる時間は少なくなる。それは嫌だ。
でも、呪術師にはなりたい。
またもう一度転生なんて出来ないかもしれない。
今度こそ、悔いは残したくない。
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『アイドルとしての幸せと、母親としての幸せも欲しい』
『星野アイは欲張りなんだ!☆』
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アイが欲張りなら、俺はどうなるんだろうな。
「呪術師」もしたい。「芸能界」も続けたい。「外科医」の夢も諦めきれない。
俺は_____
「外科医」を捨てて、「呪術師」と「芸能界」を続ける。
外科医はただ憧れただけ。未練はそれほど無い。
悔いは残さない?アイを守れなかった時点で悔いはあるんだ。これ以上の悔いなんてない。
俺は、夢を追う。
「______ってな訳で……新一年生の、星野愛久愛海くんでーっす!☆」
「よろしくお願いします」
何がってな訳で、だ。『スカウトして了承したからここに来ることになりました』しか言ってねぇぞ、
「まぁ!みんな仲良くしてねー!」
「……」
「はぁ!?星野アクアぁ!?」
「なんだお前、知ってんのか?」
「知ってるも何も!!今日あまと今ガチに出てる話題になった役者よ!?」
『今ガチ』。「今からガチ恋始めます」の略。俺は正直あれは良かったと思っている。
「黒川あかね」。あれは使える。
俺の父親を見付けるにおいて、こう便利な人材は無いだろう。
…あかねと付き合ってるのバレてるのやばくないか?
凄く弄られそうな予感しかしないんだが。
気を付けよ…
「俺の事知ってるんだ、ありがとう。今日あま、最後まで見てた人居たんだ…」
「あれは酷かった!けど…なんか最終話だけ良かったわよねー」
まぁ、なんやかんやあって俺は伏黒と隣の席になった。
そこから座学やらなんやらやって今は任務中。
入学一日目に任務やらせるの鬼畜すぎだろ、まぁ伏黒着いてきてるけど。
「あれ、星野呪具使うのか?」
「まぁ、そうだな、いざとなったら術式使うけど」
「そうか、」
俺の術式は「影」を媒体にして物やらなんやらを具現化する。伏黒と似たような物だな。
まぁこの呪具も俺が影を媒体にして作ったんだけど。
なんて考えていると、早速2級呪霊が出てきた。
まぁ見立てでは、な。
「玉犬」
伏黒が玉犬を呼ぶ。
その間俺は術式を使ってもう1つ呪具を出す。
「ふんっ」
「………は?」
適当に作った呪具の槍を投げたら祓えた。
なんか……うん、、あっさり行くもんだな?
「いやいやいや、あれ1級だぞ?」
「そうなのか?2級かと思った」
「馬鹿じゃねぇの、」
いつも1級くらいと戦ってたと思ってたけど、あれ本当はどれくらいだ…?
というか自分が恐ろしいな、1級を余裕で殺すって……
「で……もう終わりか」
「俺来る必要ねぇじゃねぇか、」
「まぁ、心強かったぞ?こういうのあんまやった事ないし、でも経験者がいるってだけで結構気が楽になる。」
「……」
何がボソッと言っていたが、あまり聞き取れなかった。
……こういうことを言うのは、久しぶりだな。禪院家と繋がりがある男だ。念の為、捕まえておかないとな。
同性、全性愛者かは知らないが、まぁひっ掛けるだけひっ掛けた方がいいだろう。
「あ、恵ー!アクアー!」
「「げ、五条先生、」」
「2人とも酷いっ!」
五条先生は人とかなりの繋がりあるからな……五条家なだけあって。
でも五条先生は一筋縄では行かない。好感度は多少でも上げておいた方が良さそうだ。
「で、なんの用ですか?」
「まぁまぁ、2人を守りに来たんだよー、向こうには特級レベルの者がいる。恵とアクアだけじゃ、心許ないでしょー?」
「……」
『特級レベルが居る』。一応警戒しておくべき、と思って影からとりあえず呪力を感じれる眼鏡を作り、掛ける。
今いる建物の奥の方に一体。これは1級だから問題無い。問題は俺達のすぐ上らへんに居る特級呪霊。
今の俺は、『雨宮吾郎』じゃない。
『星野愛久愛海』だ。
呪術師の才も無く、知識だけがあった『雨宮吾郎』じゃない。
呪術師の才を手に入れ、知識も頭の中に叩き込んだ『星野愛久愛海』なんだ。
今の俺なら、行ける。
……天井の壁を壊して呪霊がこっちに降りてくる。
そこにさっき作った予備の槍を投げた。
「………いや、、かすり傷も付かないのかよ…」
まぁ、ここまでは想定内。
俺の呪力をギリギリまで注いだ呪物_____「遊雲」に似た物で叩き込む。
「……は?」
「伏黒?五条先生?」
「…え、アクア、ってさ…?もう特級呪術師レベルなの…?」
「……かもしれないです…自分が怖い……」
1発叩き込んだらもう祓えた。
なんなんだ?俺まだ高専入って一日目だぞ?
だけどなんで任務に行かせられた?って思うけどそこはもうスルーでいいや、
特級なんでいるんだよ、
というか聞いてたのと違うんだけど上殺しに行っていいかなぁ!?
「……足挫いた…」
「運ぼうか?」
「それは嫌」
五反田監督にでも迎えに来てもらおうかな……()
本当面倒な仕事だ、呪術師って。
『父親への復讐があるのに、楽しんでるんじゃねえよ』
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩♡100
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