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[BL]不意に

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[BL]不意に

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2022年02月28日

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「吉田くん」

「んーー?」

名前を呼んで、ふと、思った。


俺はあと何回、目の前の生徒に勉強を教えてあげられるだろう。

あと何回、放課後の教室を2人で占領できるだろう。


「吉田くん」

「なに」


いずれ卒業して、高校生になり大学生になったら、吉田くんは俺のことなど忘れてしまうだろう。


「吉田くん」

「さっきからどうしたw」


吉田くんはいつまで俺を「センセー」と呼んでくれるのだろう。


「吉田くん」

「だから なにって」


俺はあと何回、

吉田くんの近くで、

隣で、


「吉田くん」

「なんだよ!」


堪りかねたように顔を上げた吉田くんの____





顔がすぐ近くにあった。

窓から入る微風がカーテンを揺らし、運動部の掛け声が遠く響いた。


唇が重なっていた時間は10秒も無かった。


吉田くんは持っていたシャーペンを机に置いた。


運動部の掛け声だけが遠く響く。

教室内は静寂。

顔を赤くして小さくなっている俺の耳に、吉田くんのため息の音が流れた。


そして吉田くんは沈黙を破った。


「下手くそ」


ネクタイが引っ張られ、



もう1度唇が重なった。





俺は、あと何回、


吉田くんの戯れに振り回されるのだろう。

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