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みこ「……遅い。遅すぎるにぇ」
冬の足音が聞こえる夜の公園。みこはベンチに座り、真っ赤な鼻をすすっていた。
今日は二人で新しいユニット企画の打ち合わせ。……のはずが、持ち前の方向音痴を発揮し、指定されたカフェとは真逆の公園に辿り着いていた。
みこ「すいちゃんに電話したら、絶対バカにされるし……最悪」
スマホを握りしめて葛藤していると、背後から聞き馴染みのある、少し低めの足音が近づいてくる。
星街「……何やってんの」
振り返ると、そこには息を切らした星街すいせいが立っていた。
マフラーに顔を埋め、呆れたような、でもどこか安堵したような瞳でみこを見下ろしている。
みこ「あ、すいちゃん! なんでここに……」
星街「なんで、じゃないでしょ。位置共有切れてなかったから見に来てみれば……エリート巫女も形無しだね」
すいせいは毒づきながらも、自分のポケットに入れていた使い捨てカイロをみこの手に押し付けた。
星街「ほら、行くよ。打ち合わせ。お店、もうすぐ閉まっちゃう」
みこ「うぅ……ごめん。……でも、すいちゃん、すぐ見つけてくれたんだにぇ」
みこが控えめに袖を引くと、すいせいは一瞬足を止め、夜空に浮かぶ星を見るふりをして顔をそらした。
星街「……あんたが目立つ桜色してるからでしょ。ほら、歩く!」
「ビジネスパートナー」という言葉だけでは説明がつかない熱が、冬の夜風の中で静かに溶けていった。