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激しい雨がスタジオの窓を叩き、深夜の室内には機材の微かな動作音だけが響いていた。
みこ「やむまで待つしかないにぇ。はぁ……たい焼き食べたい……」
星街「私も、今日はちょっと疲れちゃったなぁ……」
隣に座るすいせいの言葉に誘われるように、みこはふざけてその肩に頭を預けてみた。
いつもなら「重いんだけど、ぷにち」と突き放されるはずの、いつもの「ビジネス不仲」。
けれど、今日は違った。
星街「……みこち」
名前を呼ばれ顔を上げると、すぐ近くに青く澄んだ瞳があった。みこの心臓が跳ねる。
星街「ビジネスだって、皆には言ってるけどさ。私がビジネス以上のものをみこちに求めてるって言ったら、どうする?」
からかうような笑みはない。静かな雨音だけが、二人を包み込んでいた。
みこ「にぇ…?」
星街「……ぷっ、あはははは!」
不意に、耳元で弾けるような笑い声がした。
星街「みこち、顔真っ赤!ゆでだこみたいだよ!」
みこ「なっ……!す、すいちゃん……っ!?てめぇ! からかったのかよぉ!」
星街「あー面白い。今のリアクション、ビジネス的に『おいしい』展開だったでしょ?」
涙を拭いながら笑う彼女。……でも。
笑い飛ばしたその瞳の奥で、一瞬だけ寂しそうに視線を逸らしたのを、みこは見逃さなかった。
みこ「……もう!最低!すいちゃんなんて大嫌い!」
みこが勢いよく立ち上がろうとしたその時、手首を細い指がぎゅっと掴んだ。
星街「……嘘だよ」
低く、掠れた声。さっきまでの笑い声はどこにもない。
星街「……嫌いって言われるのは、ビジネスでも嫌だ」
繋がれた手から、さっきよりも熱い体温が伝わってくる。
雨は、まだ止みそうになかった。