そこから時が進むのは早かった。
というよりほぼ意識がなかった…みたいな状態。
お葬式の最中も何が何だかわからなかった。
ただ俺は…俺たち二人は…
お葬式で棺桶の中に入っている💛ちゃんからは一時も離れなかった。
ずっと顔を眺めていた。
ほんのりお化粧をされている美しいお顔。
俺たちの大事な人。
死んでしまったのだろうけど実感がわかない
不思議と涙は出なかった。
何故か生きてると心のどこかでは思っていた
少し長い睡眠程度にしか。
火葬の日。つまり翌日。
これで抱きしめられるのは最後。
俺たちは2人で抱きしめた。
これをもう少し早くやっていたら…
そう悔やんでも遅い。
棺桶にはお手紙を入れた。
🎸も誘ってみた。
🎤❤️「🎸もお手紙入れる?」
すると
🎸💙「俺はいい。もう少しで死ぬんだから。
直ぐに喋る機会ができるよ。あの世で。
今すぐ伝えたいことなんてないから大丈夫」
🎤❤️「…そっか、」
まぁ俺も人のこと言えないけど。
俺は一言だけ書いた紙。
『雨音が響いていますね。』
と だけ書かれた紙を
パセリ、ドクニンジン、アイビー、クワ、タツナミソウと一緒に封筒に入れた。
とうとう焼かれる。
💛ちゃんが焼かれる。
なんで死んじゃったの。
俺はショックで嘔吐する。
そして🎸は叫ぶ。
🎸💙「ま゛っ゛でっ゛!!!やらっ゛!!!💛ぢゃ゛ん゛っ゛!!!」
そんな声も虚しく
💛ちゃんは機械の中へ。
次に見た姿は
💛ちゃんの骨になった姿。
もう…誰かわからない。
もう居ないんだ。
あの声は…あの容姿は見れないんだ….。
葬式が終わるとマネージャーが💛ちゃんが亡くなったこと、
俺たちが活動を終了することを発表した。
世間はその話で持ち切り。
テレビをつければそのニュースが流れ、
ネットを開けば浮上1位に乗っている。
そんな中💛ちゃんの両親から電話がかかってきた。
内容は
💛ちゃんは2人のことが大好きだったから
一人暮らししていた部屋へ行ってやってくれないかという願いだった。
何でも持って帰っていいし漁ってもいい。
2人がもう大丈夫となったらあの部屋は処分するとの事。
俺たちは💛ちゃんの家へ向かった。
玄関を開けると💛ちゃんの匂いが部屋に充満している。
いい匂い。
💛ちゃんの匂い。
二度とかげないと思っていたから嬉しい。
涙が出てきた。
部屋は💛ちゃんの趣味でいっぱい。
可愛いものでいっぱい。
部屋の中へ進むと
🎤❤️「、?!」
ゴミまみれの血だらけだった。
だけど不思議と匂いはしない。
こんなに辛い思いをしてたんだね。
なんで気づいてあげられなかったんだろ。
🎸💙「…なんか、血でも…生きてるって感じがしていいや笑」
俺たちはいつも遊びに来た時に座る定位置に腰を下ろした。
🎸💙「…俺ね、まだ病気かかってから3日しかたってないけど….
めっちゃ辛いや、笑
食べ物は胃の中に詰め込んでも吐いちゃうし、💛ちゃんのこと考えるだけで苦しくなるし、笑
これを💛ちゃんは1ヶ月も頑張ったんだよね、笑
ライブもあったしさ。
辛かったよね…」
🎸は涙をこぼす。
しばらく思い出話をした後、遺品整理をした
💛ちゃんの服。💛ちゃんがよく使っていた手袋。
全部が愛おしく見えた。
そんな中机に目をやると
🎤❤️「🎸…これ….」
そこにはお手紙とDVDがあった。
🎸へと書いてある手紙と
❤️へって書いてある手紙。
そして2人へって書いてあるDVD。
急いで💛ちゃんの家のリビングにあるテレビに差し込んだ。
ざざっ
ノイズみたいな音からそのビデオは始まった
テレビの向こう側にいたのは
ここと全く同じ場所にいる💛ちゃんだった
🎹💛「えぇと…これでいいのかな…
2人とも見てる〜?笑」
いつもの笑顔で手を振る💛ちゃん。
実物はここにないけど、
映像の世界でも動いている💛ちゃんが見れた。
それだけで幸せ。
🎹💛「えぇと…このビデオを見てる時は
もう…俺は死んだって事だよね、笑
俺の病気は聞いたかな、?笑
花締病…なんだって、笑
ほら、見える?先週まで無かったのに
今は顔にまでツタが伸びてきちゃった、笑
やだなぁ…こんな醜い顔。
僕死ぬ時はちゃんと…綺麗な容姿で死にたかった…」
名残惜しそうに言う💛ちゃんの顔は見るに耐えないものだった。
🎹💛「…僕さ、2人のことが大好きだよ。
今も….昔も…それで死んでからも。 」
画面の向こう側で泣いている。
今すぐに駆け寄って抱きしめたい。
🎹💛「今は何も薬塗ってないし、飲んでないの!!これが僕だよ、笑
受け止めてくれるのかな…笑 」
そう言うと💛ちゃんは胸を押えて苦しむ。
🎹💛「あ゛…がっ….!! げっほげほっ!!」
咳と一緒に血を吐く。
🎸💙「う…そ、だろ、?
こんな…こんなに酷いのか、?」
🎸もこんなに酷くは無いらしい。
この時の..💛ちゃんは末期だったんだ、
🎹💛「ちょ…ごめんねっ…」
そう言い画面外へ行くと
🎹💛「おぇっ…!!ゲロゲロ…けっほけほ!!」
…あぁ、前のインスタライブの時と同じ。
🎹💛「ぐぁ゛っ゛…ぁあ゛あ゛あ゛!!!」
苦しそうな声がテレビ越しに聞こえてくる。
苦しい。
こんなに追い込まれていたなんて。
なんで気づいてあげられなかったんだろ…
..いや、なんで気づいていたのに手をさし伸ばさなかったのだろう。
🎹💛「ごめんね…発作が…」
しばらくすると画面の中へ帰ってきた。
🎹💛「…俺が死んだら…というか、
死んで悲しんでくれたかな、笑
泣いてくれたかな、?笑
..俺、2人のことが大好き。
だから。2人の両思いが実るように死んだ。
悲しんでは欲しいけど..気にしないでねっ!!
俺は…2人には…..」
幸せになって欲しいから。
🎸💙「なにふざけたこといってんだよ…
俺は…💛ちゃんが死んで…苦しくて…辛い思いもしてんのに…」
🎤❤️「💛ちゃんが居ないと幸せじゃないよ…」
🎹💛「多分、俺の異変気づいてたよね、
隠しきれてなかったと思う。
それでも詰め寄ってこなかったってことは…そういう事なんだって解釈した。
自分勝手過ぎるよね、笑
ごめんね。でももう…蕾が咲いちゃった、笑
もう助からないんだ、笑」
違う。
俺はライブの後問い詰めようと…
🎹💛「いやぁ…🍏の活動楽しかったなぁ
メンバーは少なくなっちゃったけど、それでも楽しいことだらけだったよ、笑
僕がプレッシャーで押しつぶされそうになった時も
❤️は慰めてくれたし、🎸は背中を押してくれた。
2人の優しさはちゃんと僕に届いたよ。
嬉し…かったよっ….
2人と…活動できて…楽しかった…
迷惑も沢山かけたし…僕なんて..居なくなった方がいいとか考えてたけど…」
死にたく…ないなぁ…笑
🎹💛「独りが嫌いなのに…独りの世界に行くのが怖いなぁ…笑
まだ..🍏でバンドしたかったなぁ…笑
やだよ…やだよ…..。
でも…もう、こうやって自分で決めたんだ…
もう判断は覆せないから。
…うん、楽しかったよ。
明日は人生最後のライブ。
沢山楽しみますっ!笑
また…会おうね。
バイバイ。」
そこでビデオは切れた。
俺たちはボロ泣きだった。
気が済むまで泣いた。
🎸💙「…手紙、読むかぁ…」
🎸が手紙に手を伸ばす。
🎤❤️「…ねぇ、🎸…..」
一緒に心中しない?
コメント
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レコ大始まったんでここでとりあえず、、
親目の前にいるから必死に涙こらえたけどやっぱ少し出てきちゃった、、、、
泣いてしまいました…!