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少年の夢
夢主:「あの約束守ってくれてるってことは、
糸師くんが命懸けでやってることって サッカーのことだよね?」
少し考えるような様子をみせて
糸師凛:「俺は世界で2番目にすごいストライカーになる。」
夢主:「ん?1番じゃないの?」
糸師凛:「1番は兄ちゃんだ。俺は兄ちゃんと一緒に世界一になるためにサッカーをしている。」
夢主:「お兄さんと一緒に夢を追いかけてるんだね!誰かと目標を共有できるっていいね!」
(糸師くんは、お兄さんのことを語る時、
少し柔らかな表情を見せる。
その顔はどこか誇らしげで、嬉しそうだった。)
糸師凛:「兄ちゃんは、すげーんだ……。」
(少し間を置いてから、低い声で続ける。)
「だから、俺が兄ちゃんの代わりになれば、解決する。」
夢主(心の声):
「本当にお兄さんのことが好きなんだな……。」
「でも、彼が“兄ちゃんの代わりになる”って言った時、私はなんだか切ないような 違和感を覚えた。」
(チクリと胸に刺さるような感覚が広がる。
彼が溢れる何かを必死に抑え込もうとしているような――そんな気がしてならなかった。)
夢主:「……私、糸師くんのサッカー、好きだなー!」
糸師凛:「はぁ?なんだよ急に。」
夢主:「あんなに息が止まるほど感動したの、初めてだったの。時間が経つのも雪が降るのも気づかないくらい…。
きっと糸師凛のサッカーだから、
そう思ったんだと思う!
だから――糸師凛は私の推し認定いたします!」
(ニコニコと笑顔を向ける夢主に、糸師凛は少し動揺したように顔を背ける。)
糸師凛:「……なんだよ、それ。」
夢主(心の声):
「今の糸師くんには、
“お兄さんみたいになる”が全てで、
それを否定することなんてできない。
でも、それでも私は伝えたかった。
私は糸師凛のサッカーに心を奪われたのだ、と。」
そして、なんだか 悪い予感がしたの。
目の前に居る、ひどく脆い彼が。
粉々に砕けて 突然消えてしまうような。
そんな予感がしたんだ。
雪が降り出したそうな空みたいな焦燥感だけが、
胸に広がるのを感じた。
あとがき
原作の、凛くんが冴ちゃんの代わりになろうとしてサッカーなるシーンめっちゃ切ないですよね。
糸師兄弟の絶妙に噛み合わない感じがたまらない。