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大学の講義室で陽雅さんの事を考える。
(やっぱ陽雅さん、好きだな…)
「また好きな人の事考えてるの?」
声のする方を見ると、快が隣に座っていた。
「びっくりした。いつの間に来たの?」
「今来たんだよ。でも、隣に人座っても気づかないなんて、集中し過ぎじゃない?」
「そんな事言われても、ボーッとすると勝手に頭の中に出てきちゃうんだもん」
「恋してんね〜。なんか前より恋愛感情強くなってるし」
快のその言葉に俺は驚く。
「ウソ。そこまで分かるの?」
「うん。感情が強いほどオーラが濃く見えるからね」
「すご。じゃあ何でもお見通しな訳だ」
「そうだよ〜? その絆創膏の下がキスマって事もお見通し」
快は絆創膏に目を向け、ニコッと笑う。
「いやっ、だからこれは…」
「焦ってるね〜。やっぱりやばい人に手出したんだ。いや、出された…か?」
「しつこいな〜。別に何でもいいでしょ?」
誤魔化すようにそう言うと、快は怒った口調で言う。
「よくないよ。友達が変な人に手出されてるならさすがに止めるよ。恭也には幸せになって欲しいし」
「別に幸せだから大丈夫だよ。大体、陽雅さん変な人じゃないし」
「陽雅さん?」
快が不思議そうにそう言う。
(やば…口が滑った…)
「いや…」
言い訳を探しているけど、全然出てこない。
「男なの?」
「まぁ…うん」
諦めたようにそう言うと、快は驚いた顔をする。
「へぇ〜。恭也って男もいけるんだ」
「俺もよく分かんないけど、快が恋愛感情だって言うから」
「余計な事言ったかな…その陽雅さんって人が変な人なら恋愛感情だって教えなければ良かった」
快は反省したような顔でそう言う。
「だから変な人じゃないって」
「変な人じゃん。付き合ってもないのにそんな見えるところにキスマなんてつけてきて」
「これはキスマじゃなくておき…」
そこで言葉を止める。また口が滑るところだった。
「おき? なに。教えてよ」
「やだ。言わない」
「ちょっと恭也」
「あー。何も聞こえないです〜」
耳を塞いでそう言うと、快は諦めたようにそっぽを向いた。
それから数日が経ち、大学の後に陽雅さんの家に行く事になった。
最後の講義が終わり、席を立つ。廊下に出ると、横に快が来た。
「恭也、今から帰りだよね?」
「うん。そうだけど」
「今日、写研無いからどっか行かない?」
写研は写真研究会の略で、快が入っているサークルだ。
みんな仲が良く、活動頻度も高いらしい。
せっかくの誘いだけど、今日はこれから陽雅さんのところに行くから断るしかない。
「ごめん。ちょっと今日用事あってさ」
「そっか。残念。また誘うね」
「うん。ごめん。ありがとう」
そしてその後、二人で駅まで歩いた。
電車に乗り、家の最寄り駅に着く。
俺が降りずに居ると、快が不思議そうに言う。
「あれ。恭也朝凪じゃなかったっけ?」
「うん。でも用事ある所、東雲なんだよね」
「なんだ。俺の最寄りじゃん」
「あぁ..言われてみればそうだね」
そして、東雲駅に着き、改札を出た。
「俺こっちだけど恭也は?」
快は陽雅さんの家と反対の道を指差す。
そんな快を見て、俺は陽雅さんの家へ向かう道を指差した。
「俺こっちだからここでバイバイだね」
「そうだね。じゃあ、また大学で」
そう言って手を振る快に、俺も手を振り返して歩き出した。
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恭也が手を振り返し、歩き出したのを確認して、俺はこっそり後をつける。
(本当に変な人じゃないのか、俺が確かめないと)
しばらく歩き、恭也はとある家の前で立ち止まった。
(なんか大きい家だな…金持ち?)
恭也はカバンから鍵を取り出し、鍵を開けて中に入っていった。
(合鍵…?)
実家なのかと思ったけど、そもそも恭也は実家暮らしだ。
(やっぱりここが恭也の好きな人の家…)
付き合ってもないのにキスマつけて、合鍵まで渡して、どう考えても変でしょ。
(しばらく見張ってみるか…)
俺は電柱の影に身を隠して、しばらく見張ることにした。
それから三十分ほど経った頃、誰かがドアの前に立つ。
そしてそのまま、チャイムを押した。
(誰だろう…)
少ししてドアが開き、誰かが出てくる。
その人を見て、俺は目を見開く。
その人がパンツ一丁だったから。それにガラも悪そうだ。
(まさか、恭也とやる事やって…)
彼は訪問した人を笑顔で対応して中に入れ、扉を閉めた。
(ウソ。恭也いるはずなのに人入れた…)
そして更に数十分経った頃、再び誰かが家を訪ねる。
カバンの中を探ってるように見えたけど、何も取り出さずにチャイムを押した。
少ししてドアが開く。さっきと同じ人だ。
(やっぱりこの人が恭也の好きな人?)
でも、今度は少し素っ気ない素振りだ。
訪問した人は中に入り、彼はイライラした様子で扉を閉めた。
(また中に入れた…)
もしかして、複数人に手出してる?
そんな人が恭也に手出すなんて、許せない。
今すぐにでも恭也を連れ戻さないと。
(よし。乗り込んでやる…)
俺は目の前の家に向かって、歩き出した。
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ベッドに寝転ぶ俺に陽雅さんが跨る。
「前回ちょっとやりすぎちゃったし、今日はなるべく使わないようにするね」
陽雅さんはニコッと笑った後、続けて言う。
「まぁ、恭也は俺の声があればいいみたいだし、問題ないと思うけど」
陽雅さんの唇が俺の唇に触れる。
何度か唇を重ねた後、深いキスに変わった。
しばらく続け、陽雅さんが顔を上げる。
「今日もいっぱい気持ち良くしてあげるからね」
陽雅さんの甘い声に翻弄されながら、俺達はそのまま身体を重ねた。
陽雅さんは最後にキスをした後、顔を上げる。
「今日は力使ってないし、寝なくて済みそう。シャワー浴びに行こっか」
「はい」
「恭也、先に入っていいよ」
「はい。ありがとうございます」
陽雅さんと一緒に階段を降り、陽雅さんがリビングの扉を開く。
陽雅さんは一度立ち止まった後、怒った様子で中に入った。
「ちょっと零斗。こんな所で何してるの」
何かと思い陽雅さんの後ろから覗き込むと、零斗さんがソファーの上で誰かの上に跨っていた。
跨られている人は零斗さんの体と被っていて見えない。
「するなら部屋でしてよね」
陽雅さんがそう言うと、零斗さんは慌てた様子で体を起こす。
「これは…違ぇんだよ」
「何が違うの?」
「客じゃなくてその…」
零斗さんはそこで言葉を止め、俺の方を見る。
「恭也が何?」
陽雅さんがそう問うと、零斗さんは俺を見たまま言う。
「あの…お前のダチ」
「えっ?」
まさかと思い覗き込むと、そこにはさっき別れたはずの快が寝転がっていた。
「快…?」
コメント
1件
わあ、ついに快が乗り込んじゃった! しかもリビングで跨られてるオチが衝撃的すぎる(笑)。恭也の恋愛事情を心配して尾行した結果がこれか…。陽雅さんの家に次々訪れる人たち、パンツ一丁で出てくる零斗さんも含めて、一体どんな関係性なのか気になりすぎます。快の「友達を守りたい」という純粋な気持ちが空回りしてる感じが、逆にリアルで胸が痛いです。でもこの波乱の展開、続きが待ちきれない!
.✴︎ 凛緒@ペア画中
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ちぃ✩.*˚
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