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「第三幕 第一章」 砂嵐の刺客
砂漠の夜は冷たく、月の光が白く大地を照らしていた。
あなたたちは解放された王都を後にし、〈月殿〉を目指して進んでいた。
星槍となった武器が淡く輝き、進む道を照らす。
しかし、突如として風が荒れ狂い、砂嵐が舞い上がった。
「……風の匂いが変だ」
ラシードが低く呟く。
その瞬間、砂の中から黒い影が飛び出した。
全身を布で覆った人物――顔は仮面に隠され、赤い月の紋章が胸に刻まれている。
「王都の解放者……お前たちに死を」
その声は低く、そして異様に冷たい。
次の瞬間、影は砂に溶けるように消え、背後から刃が迫る。
あなたは反射的に星槍を振り抜き、火花が散った。
「速い!」
セレスティアが短剣で受け止め、ラシードが横薙ぎに槍を放つが、影は砂煙を残して跳び退いた。
だが、それは一人ではなかった。
砂嵐の中から、四方八方に同じ仮面の影が現れる。
星明かりの中、彼らの輪はじわじわと狭まり――逃げ場を奪っていく。
「囲まれたな」
ラシードは口元を歪め、槍を構えた。
「いいじゃないか……片っ端から倒すだけだ」
あなたは星槍を天に掲げ、夜空の星を呼び寄せる。
砂嵐の中、無数の光が降り注ぎ、地面に突き刺さる。
衝撃と共に砂が吹き飛び、数人の刺客が倒れた。
しかし、残った一人――中央の仮面の男が、月光を浴びた短刀を抜いた。
刃がわずかに揺れた瞬間、空気が凍りつく。
「その槍……月殿が欲している。渡せば命は助けてやろう」
その言葉に、ラシードは即座に返した。
「ふざけるな」
次の瞬間、砂漠の夜が閃光で染まり、戦いは本格的に始まった――。