テラーノベル
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ステージの光
幕が上がる。
客席のざわめき。
ライトの眩しさ。
奏音の喉がごくりと鳴った。
(やばい……)
けれど横を見ると、那月がいた。
目が合う。
那月は小さく口だけで言った。
“大丈夫”
その瞬間、不思議と怖くなくなった。
演奏が始まる。
震えそうになる手を押さえながら、奏音は必死に吹いた。
そして――。
ソロパート。
会場が静かになる。
(……吹け、私)
息を吸う。
音を鳴らす。
最初は震えていた音が、だんだんまっすぐ伸びていく。
那月の音が隣で支えてくれる。
優しく。
包み込むみたいに。
最後の音が消えた瞬間。
客席から、大きな拍手が起こった。
「……っ」
奏音の目に涙が浮かぶ。
演奏が終わったあと。
那月が少し笑って言った。
「ほら、できた」
「……う、うぅ……」
「泣く?」
「だってぇ……!」
「頑張ったもんな」
その声が優しすぎて、奏音は完全に泣いた。
コメント
1件
第16話、読み終わりました……! ステージの緊張感から一転、那月の“大丈夫”って口だけで伝えるシーンがもう尊すぎて。ソロパートで震えながらも音がまっすぐ伸びていく描写がすごく綺麗で、奏音が泣き崩れるところも含めて全部胸にきました。「頑張ったもんな」の那月の優しさ、ずるいよなあ…😢 本当に温かいエピソードでした。