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[及川編]
「――ただいまっ!」
玄関を開けた瞬間、
元気いっぱいの声が響く。
本当は部活でぐったりなくせに、
🌸の前ではいつも全力。
「お、おかえり…!練習、お疲れさま…!」
「ふふーん、いっぱい褒めていいんだよ?」
ふざけたように近づいてきたと思ったら、
ぴたりと距離を詰める。
「……ねぇねぇ。なんかいい匂いしない?」
キッチンを覗き込んで、
目をキラッキラに輝かせる。
「これ、透の好きなハンバーグだよ」
そう言うと、
嬉しさが隠しきれない笑顔。
「えっ、待って。
もしかして…俺のため??」
「うん!」
「……っ」
一瞬、言葉が止まり、
いつもの調子が消える。
「そっか。
俺のために…待っててくれたんだ」
まっすぐ目を見つめてくる。
その瞳に、少しだけ疲れが滲む。
「ありがとう、🌸ちゃん。
ほんと、頑張って良かった」
椅子に座るなり、むしゃむしゃ食べて、
あっという間に完食。
「おかわりある!?」
「もちろん!」
その笑顔が見たいから
頑張って作ったのだ。
食べ終えると、お皿を持とうとした🌸の手を
そっと止める。
「後でやるから。今は…こっち」
ソファに座った彼の膝に、
ひょいと引き寄せられる。
「ひゃっ…と、透?」
「えへへ。チャージタイム」
彼の胸にぎゅっと抱かれて、
心臓の音が近い。
「俺ね、試合でも練習でも…
結局いつも思い出すの、🌸ちゃんのこと」
小さく甘える声。
「好き。
めちゃくちゃ、好き。
…支えてくれて、ありがと」
恥ずかしそうに笑いながら頬にキスを落とす。
「明日も、頑張る理由をくれる?」
そう言って、
指をからめてくる。
「今日も世界一かわいい彼女ちゃん。
俺のものになってくれてありがとね?」
犬みたいに嬉しそうな笑顔と、
独占欲のにじむ言葉。
疲れも不安も全部、
あなたに甘えて溶かす。