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油断なんてしてなかった。

私は今回のこの勝負、全力で挑むつもりで来た。

だから殺し合いではないが、木刀ではなく、私の愛刀で挑んだ。

開始して早々、わたしは駆け出し、真広君は結界を張り、周りの金魚の式に命じてこちらに水弾で攻撃してきた。

なかなかの威力だ。

霊力で全身を覆っているとはいえ、当たればかなりのダメージになるだろう。

特にあの大きな金魚の攻撃は当たれば一発で戦闘不能になるかもしれない。

当たればの話だが。

このくらいのスピードなら避けることは造作もないこと。いくら打たれようが全てかわせる自信がある。

それだけの修行をわたしは積んできている。

このまま、真広君に肉薄し、一気に決める!

「仕方ないあいつを使おう。」

真広君はそう言い、ポケットから一枚の札を取り出す。

まだ式神を同時に出せるというの!?

すでに金魚だけでも7匹同時に出しているのだ。

普通の陰陽師なら、2,3匹が限界だろう。

天才でも5匹がいいところだろう。

ただでさえ7匹使役していることが異常であるのに真広君は涼しい顔をしている。

「出てこい!土男!」

出てきたのは3メートルはある大きな身体の人型の土だった。

わたしはもちろん、切りつけるが、しかし、いくら切っても切った側から土が盛り上がり、回復する!

「なにこいつ!」

わたしは一瞬足を止めてしまった。切りつけるのではなく、術に切り替えようとしたのだ。

しかし、その一瞬が命取りとなった。

「縛!」

札が飛んできて、わたしは術により拘束された。

「くっ!」

凄まじい力で拘束され、身動きひとつ取れない。

「僕の勝ちだね。」

周りを見ると金魚が水弾をいつでも発射できる状態で囲まれており、真広君がわたしに札を突きつけていた。

化け物。

ただただそう思う。わたしはまだ経験が浅く未熟だが、そこら辺の陰陽師よりかは遥かに強いと自負している。

その私が、手も足も出なかった。

そして彼はまだ本気を出していない。彼からの攻撃という攻撃はなく、拘束する札のみであった。

式神に戦わせる陰陽師も多いが、式神よりも強い力を持たなければそもそも式神を調伏することができない。

そして、あの拘束の札の威力から考えて、こちらを攻撃する札ならば凄まじい威力の術を使えてもなんら不思議ではない。いや、使えるだろう。

この強さで最近あやかしが見えるようになったと言っていたのは、絶対嘘だと思う。

やはり、涼風家の力は途絶えていなかったのだ。

涼風 重蔵の孫、涼風 真広は確かに現代の最高位の陰陽師である祖父の戦闘センス、そして力を受け継いでいたのだ。

あぁ、羨ましい。

あと、どれほど努力したら彼の実力に届くのだろうか。

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