テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【ぷりっつ視点】
…最近
りぬくんが俺に構ってくれない気がする
なんで…
最近、休みの日とか放課後
ずっと家にいない
…他の男…?
…許さない
りぬくんは俺のだ…
学校も夏休みに入り
俺は冷房のきいた涼しい部屋で そんなことを考えてた
暇すぎる…
毎年夏休みはりぬくんとプールに行ったりして
いつも忙しかったのに…
最近は構ってくれない…
俺何かしたのかな…
…思い当たることが多すぎる
俺は単刀直入にきくことにした
空がオレンジに染まった時間
りぬくんがガチャリと音を立てて帰ってきた
汗だくなところを見とれてしまう
…っと、こうしてる場合じゃない、と
俺は君が暑そうに服で汗を拭うところを見つめつつ
壁に足をつく
「りぬくん、最近俺の事避けてません?」
優しそうな声で声をかける…つもりだった
自分で思っていたより焦っているのか、緊張しているのか
声に、表情に、仕草に
怒りがにじみ出る
俺の目の前の君は
一瞬少し身体を震わせ、目を伏せる
「…他の男ですか?何してたんですか?」
俺はそんな君を見つめつつ、次々と言葉を投げかける
すると君は「はぁ…」と息をつき、諦めたように話し始めた
「あ、あの…ね?その…バイト…してて…」
俯いてボソボソと話す莉犬くんの口元に耳を寄せる
「どうして?」
今度は慎重に、圧をかけないように問う
「え、えっと…その…ぷりちゃんに着て欲しい水着見つけて…」
…?
俺は少しの間フリーズした
俺の…ため?
…
俺、今どんな顔してる?
きっと、真っ赤になってる
…〜っ
「りぬくん!ごめんなさい!」
まず口から飛び出した言葉はそれだった
「ほんとにごめんなさい!疑って!」
考える前にどんどん言葉が出ていってしまう
「でも…俺…りぬくんいなくて寂しかったんですよ…?」
言っていて少し目が潤む
あぁ…俺は寂しかったんだ
不安なのも、もちろんあった。
けど、それよりも、何よりも
俺はりぬくんがいなくて寂しかったんだ
「な、泣かないで?!ご、ごめん…」
そう言ってりぬくんは俺を優しく撫でる
いつもの逆の立場に
少し動揺しながらも
俺は何も言わずに撫でられ続けた
…撫でる時に背伸びしているのに気付く
俺は気付かれないように「ふふっ」と笑う
少し落ち着くと、りぬくんが言った
「ぷりちゃん!じゃあ今日は俺の事好きにしていーよ!」
「寂しい思いさせちゃってごめんね?」
天使だ…
天使がいる…
俺は悶えながらりぬくんを抱き締める
「寂しかったんですよ…!」
りぬくんを抱きかかえて俺はソファに向かう
ゆっくり座ってりぬくんを膝の上に乗せる
「どうしたの?」
くすくすと笑う君の顔が可愛くて仕方がない
りぬくんは今度は落ち着いて俺の頬に手を添える
「寂しかったねぇごめんねぇ」
そう言いながら優しく撫でられる
恥ずかしい…
俺は少し頬を膨らませつつ抗議する
「あんまり子供扱いしないでくださいよ…」
莉犬くんは軽くあしらいながら優しく撫で続けた
俺はむっとしてりぬくんの手をとる
小さな手だなぁ…
そう思いつつ手の甲に口付ける
やってやったぜ、みたいな顔をしながら
りぬくんに目を向けると真っ赤になっていた
純粋で可愛い、なんて思いながら
俺はニヤケながらりぬくんを抱き締めた