テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
熊野光一
「タイヘンモウシワケゴザイマセンデシタ。イゴ、キヲツケサセテイタダキマス」
くそっ、真条がいなければもう少しだったのに。
「なにか言ったかい?熊野くん」
「イエ、ナンデモアリマセン」
「さて、この女の子は誰?」
「あ、ぼくは『クルミ』。魔術師なんだ」
「おい、俺に最初に名乗った名前と違うぞ」
「あれは偽名だよ」
こいつ、俺への自己紹介全部嘘だったのか。身長やら声まで変えやがって。
「ところで、ここはどこで何をしに来たんだ?」
そこから俺とクルミはここに来た理由を説明した。
「ふむふむ、なら俺も一緒についてっていい?」
「俺はいいけど、クルミは?」
「ぼくも大丈夫だよ。人手は多いほうがいいしね」
「なら、決まりだな。真条も連れて行こう」
ん?待てよ。こいつ、ここがどこかもわからないのにどうやって来たんだ?
そもそも、ここはあっちとのつながりはゲート以外ないはずなのに。
うーん、考えてもわかんねぇや。
「じゃあ、早速行こうか」
そして、俺達はチェックアウトを済ませて旅館を出た。
ちなみに、出るときだけはクルミはマルスになっていた。
入るときと出るときで人が違うと不審がられるからな。
それと、お金はクルミが何かカードを店員に見せたらそのまま払わずに出れた。
どうやら世界に大きな貢献をしたものに渡される「ナンデモ無料カード」らしい。
今は3人しか持っていないらしく、レア物だ。結構ほしいな。
「それじゃあ、旅の再開だー」
「「おー」」
俺達は今、南へと進んでいる。この先に故闇がいるらしい。
しっかし、「故闇 幽鬼」か。皮肉かねぇ。
ネジ曲がった愛は時として人を狂わす亡霊と化す。
「がぁぁ!」
「またか、何かエンカウント率高くない?」
「全世界にばらまかれてる数が多いからね」
〜つづく〜
あとがき
ナンデモ無料カードとかいう物価高の現代に最強のアイテム。
ほしいなー。