テラーノベル
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#nnmn
※ご本人様とは関係ありません。
※全て妄想です。
※創作が大変多く含まれます。
※ファンタジー要素含みます。
※少し暴力表現を含みます。
※なんでも許せる方向けです。
※「はじめに」を読んでいただくことをおすすめします。
今回は🦍🍆以外の人物の台詞があります。
「」で区切っていますが、口調や状況で分かるようになってると思います。
基本は、🦍→「」、🍆→『』です。
ここは、と或る国の小さな町。
何百年経っても古い街並みが残っている。
人口は数百人程。
森に囲まれ、草花が生き生きと育っている。
気候は安定していて、大きな災害もない。
そんな長閑なこの町に暮らす、或る青年のお話。
『いってきます』
「遅くならないようにね」
『わかってるよ』
「あなたは、夢中になると時間を忘れちゃうんだから…」
『はいはい、ちゃんと夕方までには帰ります。心配しないでよ、ばあちゃん』
「本当に気をつけるんだよー」
バタンとドアを閉め、外に出る。
ばあちゃんは心配しすぎだな…と思いながら朝の市場を歩く。
「おはよう」
『おはようございます』
「朝早くからお出かけかい?」
『はい^ ^新しい植物を探しに、遠くの方まで行ってきます』
「遠くって、あの森かい?」
珍しい植物や花があるその森は、この町の住人だったら知っている。
「あの森は危ないよ…やめといた方がいい」
子供の頃ばあちゃんにも言われた事があったな…。
大人なって初めてその森に行こうと思ったのは、『行ってみたい』という好奇心もあった。
『危ないのは夜でしょ?大丈夫だって、だからこんなに朝早くから行くんですよ』
夕方までには戻りますから、と俺が言うと、安心した顔をしていた。
『じゃあ、いってきます。お仕事頑張ってください』
「ありがとう、気をつけてなー」
『はーい』
俺は、町を出て森へ歩き出した。
森の入り口に着いた頃には、陽が高くのぼりお昼くらいになっていた。
俺は何かないかと探し始める。
探し始めたのはいいものの、なかなかお目当てものは見つからない。
『もう少し奥の方に行ってみるか…』
更に奥の方へ足を運ぶ。
全く成果を得られず帰りたくはない…そう考えると、少し険しい道でも進まないといけないと思った。
『今日は諦めるかぁ…』
気づくと夕方になっていた。
随分と奥まで行ってしまったことを後悔した。
「あなたは夢中になると時間を忘れる」…、ばあちゃんが出かける前に言っていたことを思い出した。
『ばあちゃんが言った通りになっちゃったな…』
また、明日にでも来ようと思い家路を急いだ。
『どうしよ…暗くなってきた…』
自分が思ったより奥の方に行っていたようで、森の半分辺りに来た時には、すっかり暗くなっていた。
『はぁ…早く帰らないと、ばあちゃんにまた小言を言われそうだな…』
小言というよりは説教に近いから、聞いていて耳が痛くなる。
はぁ…と、ため息をつきながらも、前に進まなければ帰れないから歩き続ける。
「おにーさん」
声が聞こえて振り向くと、2人組の知らない男達が俺に近づいてきた。
「こんな時間に1人で歩くのは危険だよ?俺達が送ってやるよ」
『遠慮します…1人で帰れるので…』
俺は背を向け歩き出そうとした。
「そんな事言わずにさぁ〜!遠慮するなって!」
そう言うと後ろから抱きつかれ、羽交い締めにされる。
『ちょっと!やめて!やだ!』
精一杯の力を込めて抜け出そうと必死になる。
「おにーさん…綺麗な顔してるね〜…」
『…?!!』
耳元で言われゾクリと悪寒が走る。
一瞬逃げようとする力が弱まってしまった。
それを男に気づかれ、口を塞がれたと思ったら、意識が朦朧とした。
何か薬を嗅がされたんだと気づいた時には、もう遅かった。
「まったく…暴れるんじゃねぇよ…」
「とりあえず運ぶか…」
「そうだな…」
思うように動かない身体。
朦朧とする意識の中、何処かに運ばれているということだけ分かった。
あぁ…俺どうなっちゃうんだろ…早く帰ればよかったな…。
自分自身を恨んでも仕方がないと思いながらも、絶望という二文字しか浮かばなかった。
少し時間が経った。
ここ何処だろう…まだ森なのかな…?
そんな事を思いながら、男達に運ばれていた。
すると、
「あぁん?!誰だテメェ!」
「なんだよ!文句でもあるのかァ?!」
誰かと言い争う声が聞こえた。
「俺は、そいつに用がある…渡してもらおうか?」
「はぁ?!そんな事できるわけねぇだろがァ!」
「…こいつ殺っちまおうぜ!」
少しずつ意識を取り戻してきた。
嗅がされた薬は強いものではなく一時的に意識の混濁を起こすものだったようだ。
『うっ…』
まだ少しクラクラするけど、さっきよりはマシになった。
目を開け、声のする方を見る。
そこには、ローブを纏った知らない男が2人組と言い争っていた。
深くフードを被っていて顔は見えない。
今にも殺し合いが始まりそうな状況に、止めたい気持ちはあったけど、まだ思うように身体は動かないし、今の俺の力では到底止めることができない…。
「2人がかりでもいいぜ?かかってこいよ…」
男は戦闘には邪魔だと思ったのかローブを脱いだ。
「「?!」」
すると、獣の耳と尻尾が見えた。
(『獣人…?』)
男達が小声で何かを話している。
「おい…こいつ…やべぇよ…」
「ばか…もう引けねぇって…」
「なぁに、話してんだよ…全部聞こえてんだけど…」
月明かりに照らされ見えてきた顔。
獣人の男は、ニヤリと口角を上げて笑っている。
その顔に、少しだけ恐怖を覚えてしまった。
「…それで?殺るの?殺らないの?」
男達を煽るような口調。
「くそっ!殺ってやるよ…!」
「後悔しても遅いからな…!」
「ふん…いつでもどうぞ」
男達が2人同時に襲いかかる。
何もできない俺はそれを見ているしかなかった。
1人はナイフを取り出し、もう1人は殴りかかる。
ドガッ…!!
「ゔぁぁぁああ”ぁぁ….!!」
バキッ…!
「ゔがぁぁっ…!!」
ドゴッ…!!
「もっ…もう、や”め”っ”….ッ…!」
叫び声と骨が砕ける音。
俺は恐怖のあまり目をぎゅっと瞑る。
目を開けた時には、男達は血塗れで倒れていた。
「…大した事ねぇなぁ…少しは楽しめると思ったのに…」
目を瞑った時間はそれ程でもなかったのに、この男…何者…?
「こんなとこで寝かしとくと邪魔だな…」
大の男を軽々と持ち上げ茂みに放り込んだ。
手に付いた血を着ていたローブで拭きながら、
「雑魚共が…」
と、言葉を吐き捨てた。
俺は声が出せず、ただ見ているだけだった。
「さて…と」
そう言うと、
俺に近づいてきた。
次は、恐怖で身体が動かなくなっていた。
『…ぁっ…ううっ…』
絞り出すような声だけが出る。
怖い…さっきの奴らから解放されたかと思ったら、次は獣人…今日は運が悪過ぎる…。
このまま食われてしまうのか…と思った時、
「あんた…大丈夫か?ケガしてないか?」
『….?!』
心配されてる…?何故…?
「…怖かった…よな…」
俺は、頷くことしかできなかった。
「あんたが住む町の近くまで送る…立てるか?」
手を借りて立ち上がると、身体がふらりとして男にもたれかかってしまった。
『…ごめんなさい』
やっと声が出せた。
「…歩けなさそうだな」
獣人の男は、俺を抱きかかえた。
『えっ…!?』
「この方が早く帰れる…行くぞ…」
『わぁっ!!』
俺は男に必死でしがみついた。
あっという間に町の近くまで着き、地面にゆっくり降ろされた。
『…ありがとうございます』
「もうあんな所に、1人でいるんじゃねぇぞ…」
『はい…』
「次はどうなるかわからねぇからな…ッ…」
『…?』
俺は、男が痛みに耐える表情に気がつく。
『怪我してる…』
「あぁ…大したことねぇよ…数日すれば治る」
『ダメだよ…今、治すから…ここに座って』
「治すって…」
意外と聞き分けがよくて、俺のそばに座ってくれた。
傷ついた部分に手のひらを翳し、俺は集中する為に目を瞑る。
「あんた、何やって…」
目を開け、祈りの言葉を唱える。
すると手のひらが温かくなる。
相手がどう感じているか…どう見えているかはわからないけど、
俺には自分の手が蒼く光って、その光が傷口を治しているように見えている。
翳していた手を退けると、傷が治っている。
「….?!」
『痛みは…ある?』
「…ない」
『そっか…良かった』
「…すまねぇな」
『助けてくれたお礼だよ…気にしないで』
今できる精一杯の笑顔をその男に向けた。
今日出会ったばかりなのに、なんだか前にも会ったことがあるような…。
感じていた恐怖はなくなり、少し安心感を覚えた。
「…じゃあな」
『うん…』
何か言いたげな顔をしていたけど、
何も言わず背中を向け歩き出していた。
きっともう会うことはないだろうな…、
そう思ったけど、どこか心の隅でまた会えるかもしれない…とも思っていた。
『また…会えるかな…」
月明かりに照らされたその背中を、
俺は、 見送った。
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