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しおんまる
37
※ご本人様とは関係ありません。
※全て妄想です。
※創作が大変多く含まれます。
※ファンタジー要素含みます。
※少し痛々しい表現あり
※なんでも許せる方向けです。
※「はじめに」を読んでいただくことをおすすめします。
🍆→『』
あの出来事があった後、俺は森に行くことはなくなった。
トラウマのようになってしまったのは言うまでもなく、あの時の恐怖を忘れることはこの先ないんだろうと思う。
あの後、ばあちゃんにこっぴどく叱られた。
「あなたは危機感が足りない」、「もう2度と遠出はするな」、「心配するこっちの身にもなってほしい」とか…本当に耳が痛かった。
分かっているつもり…だけど自分の好奇心を抑えてまで守りたくない言いつけがあるのも事実。
でも、ばあちゃんを安心させる為には、行かない方がいいのだと心の中で自分を納得させた。
自分の身の安全と好奇心を天秤にかけなきゃいけないなんて…俺の非力さを恨んだ。
あの時、助けてもらわなければ、今頃俺はどうなっていたんだろうと思うと、身震いがした。
『そういえば、名前聞かなかったな…』
もう会うことはないだろうと思った…だから聞かなかったんだったな…。
『あの人…なんで俺を助けてくれたんだろ…?』
獣人は、人を襲ったり食べたりするって、子供の頃から聞かされてたから、怖いものだと思ってた。
言葉遣いは見た目通りだったけど、あの人が俺に向けてくる視線や行動は優しいものだった。
最初は怖かったけど、だんだん安心感に変わっていった。
『…どこかで会ったこと…ないか…』
自分の記憶を遡っても、全く覚えていない。
どこか抜け落ちてしまっているような…そんな気かさえする。
『考えても仕方がないか…』
俺は一旦、考えることを止め、研究に没頭することにした。
『はぁ…疲れた…』
気がつくとお昼を過ぎていた。
食事をすることも忘れ、ただただ没頭していた。
資料を読み漁ったり、文献を調べたりしたのに、あまり成果が得られず途方に暮れた。
『散歩に行くか…』
さすがに気分転換が必要だと思い外に出て、
近くの川まで歩く。
穏やかな水の音が心地良い…木陰に座って川を眺めた。
ふと、あの人のことを思い出す。
『…会いたいな』
そう呟いたのは何故だろう…。
何処に住んでいるのかも、何処にいるかも分からない…。
『名前だけでも聞いておけば良かったかな…』
ふぁ…と、あくびをする。
研究の疲れと心地良い気候の所為なのか、眠くなってきた。
『ちょっとだけ…』
俺は目を瞑った。
「ぐすっ…いたい…いたいよぉ…」
『君…どうしたの?怪我してる…』
「あっ…に、にんげん…やだっ…ちかづかないでっ…!!」
身を小さくしてガタガタと震えている獣人の子供がいた。
相当酷い事をされたんだろう…切り傷と痣が見えて痛々しい。
ボロボロの身体で必死に走ってきたのか、足に血が滲んでいる。
『人間…怖いよね…』
「こわい…ぼくを、いじめてくるんだ…』
『酷い…君みたいな幼い子にまで…』
獣人の子供が大人になった時…人間の脅威になる…子供でも容赦なく痛めつけ挙げ句の果てには殺す奴もいる…。
そんな話を両親から聞かされ、憤りしか感じていなかった。
俺は安心させたくて、その子を抱きしめた。
「…?!」
『…』
「きみは…わるいひとじゃない…」
力が入らない腕で抱きしめ返してくれた。
『痛かったね…よくここまで来れたね…偉いよ』
頭を撫でて褒めてあげると、抱きしめる力をぎゅっと強めてくれた気がした。
「…ッ…うっ…」
『…大丈夫…俺が治してあげる』
「….?」
俺は目を瞑り、傷ついた箇所に手のひらを翳し集中する。
目を開け、祈りの言葉を唱える。
すると手のひらが温かくなる。
翳した手のひらを退けると、傷が治っている。
俺は続けて、痣の部分や切り傷を治していく。
「…なおった」
傷が治ったことに驚き、「すごい…」と言いながら、目をキラキラさせていた。
『これで大丈夫』
俺は、精一杯の笑顔を向ける。
安心したのか、その子も笑顔になっていた。
「ありがとう…」
『どういたしまして…あっ、この能力のことは秘密だよ…俺、周りの人にも言ってないんだ』
「うん…ぜったい…いわない」
『約束ね』
「うん」
『ん…?夢…?』
どれくらい寝ていたのか…陽が傾きはじめていた。
『…帰らなきゃ』
さっきの夢…何か忘れていたことを思いださせてくれるような…。
あの子は誰だったかな…?
『ゆっくり…思い出せばいいか…』
完全に何処かの記憶が抜け落ちている…
思い出そうとしたけど、心当たりが…ない…。
『暗くなる前に帰ろう…』
俺は家路を急いだ。
コメント
4件
めっちゃ面白いお話ですね✨✨👏😁 🍆さんの優しさが溢れるお話で、獣人🦍さんとの続きが気になりました❤️
その獣人の子どもは...。 続き楽しみにしております☺️