その後帰った僕はテンションが高いまま南雲さんに連絡したのだった。
その日の夜には通話するほど打ち解けていたのだった。
「ねぇなっ南雲さん…今週の土曜日、空いてるかな….?」
「うん。空いてるよ!なんで?」
「え、、えっと…花火、見に行きたいなって思って」
すると南雲さんは嬉しさなのかびっくりしたのか分からないが頬を赤らめて
「いいよ」
と言ってくれた。
土曜日
変に気合が入った身支度は自分で言うのもなんだけどかっこよく感じた。
最後に香水の代わりにボディミストをかけて家を出る。
必要以上に緊張しすぎてロボットのような動きだったと自分でも感じる。
待ち合わせ場所に着くとすぐ南雲さんが来た。
「ごっごめん!待たせちゃった?」
綺麗に巻かれた黒髪を揺らせながら聞いてくる。
南雲さんは赤とピンクの花柄の浴衣を着ていて、正直可愛いと思う反面びっくりしたという気持ちもあった。
優しく
「待ってないよ」
と接することにも精一杯だった。
色々屋台を回って、南雲さんは大きなりんご飴を口いっぱいに詰め込み、以外に食べているところも可愛いなと言いそうになった僕は必死に堪えた。
「あ!もうすぐ花火始まるよ!」
以外に人が少ない丘の上で花火を見ていた。
「ロマンチックだねぇ」
南雲さんは言う。
「告白する人もいるだろうな……..僕とか」
最後の言葉はボソッと言ったので南雲さんに聞こえていたかは分からない。
だが、もうすぐ僕は告白するだろう。
花火も終わりかけ。
南雲さんがキラキラ目を輝かせながら花火を見ていた。
「あの!南雲さん!」
「どうしたの?急に大声出して、、」
「あっあの!そっその…」
「何をそんな緊張してるの?」
やっぱり南雲さんはクスッと笑う。
「南雲さん!僕と…」
意図は伝わったみたいだった。
最後の大きな花火が空に光る
「僕と付き合ってください!」
南雲さんは動揺を隠しきれないまま口をポカンと空けて固まっていた。
そして少しの沈黙の後に南雲さんは口を開いて
「よろしくお願いします!」
涙が滲んだ言葉だった。
「じゃあ、名前で呼んでいいかな?」
そう僕が聞くと南雲さんは
「いいよ、私も名前で呼ぶね」
僕が嬉しさではしゃいでいると南雲さんは
「絶対幸せにしてよ!」
と一言付け足したのだった。
目の前には大きな花火と、りんご飴を頑張って食べている南雲さんがいて、ロマンチックな景色と嬉しさが混じっていた。
8月1日。
今日は麗と僕が付き合った日。
コメント
1件
完結かな?面白かった〜なんかロマンチックだし悲しさもあった物語だったね!