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【我々国式戦闘試験規定】
この試験は、候補者の 戦闘技術・判断力・精神力 を評価するために行われる。
生死を伴う実戦に近い状況を再現しつつも、致命傷は避けるよう設計されている。
1. 装備規定
参加者全員の首に 認識チョーカー を装着。
チョーカーには小型の「タグ」が取り付けられており、これを切り落とされた場合、即失格。
近接戦闘での刃物・格闘術の試験を兼ねる。
銃器はすべて 専用のゴム弾仕様。
実弾の使用は禁止。
弾速・威力は調整済みで、人体に深刻なダメージは残さない。
ただし痛みは強く、精神的な圧迫も計算に入っている。
参加者の心臓部(胸部中央)に 専用センサー を装着。
銃弾に当たりすぎても、運営側から脱落指示が下る。(被弾した部位、回数によって指示のタイミングは変わる。)
2. 勝敗判定
以下のいずれかに該当した時点で失格(脱落)となる。
首のタグが切り落とされた場合。
心臓部センサーにゴム弾が命中した場合。
戦闘続行不能と試験官に判断された場合。
最後まで残った者、もしくは規定時間終了時に生存していた者を「合格」とする。
3. 戦場設定
試験会場は、廃工場・市街地模型・森林型訓練場など多様だが、今回は森林型訓練会場である。
各候補者の戦闘適応力を確認するため、会場は事前に公開されない。
障害物・隠れ場・高低差が設置され、戦略的行動が求められる。
*
rp視点
さっきまで空いていた試験場のゲートが重く閉じる音がした。
俺の腰についた短剣をぎゅっと握り、背中には狙撃ライフルの重さがのしかかる。
そして拳を握るたびに、鼓動が胸の奥で高鳴った。
開始時刻は今からほんの数秒後。
「よし……行くぞ」
そうして合図の銃声が鳴った。
*
syp視点
ー第1控え室
相手は一般兵とはいえ実力は十分。
だが、レパロウの動きはそれをはるかに上回る動きやった。
短剣が空を切り、相手の剣を弾き飛ばす。
一歩、また一歩。相手の体勢のわずかな狂いを見逃さず、即座にカウンターを決める。
ci「うわっ、なにあいつ!エグない!?」
kn「せやろ?」
自信満々、後方理解者面で部長は言う。まぁ実際そんなんやが。
まぁこれくらいはできるやろ、と思ったったから想定内や。
むしろ、
kn「この5年で俺がみっちり近接は鍛えたんやから、そこらの一等兵には負けへんよ。」
相手を倒すと少し距離を置き、狙撃ライフルで中距離を牽制し、後退を強いる。
「はっ……!? 速すぎる……!」
「うわっ、何だこの反応速度……!」
参加者たちは次々と倒れ、混戦極まってか早々に脱落したヤツもおるわけや。
ただ、レパロウは無傷でその間合いを自在に操る
em「……誰一人、止められへんねんな。すごいわ。」
エミさんの言葉が、室内に響く。
誰も何も言わない。
それだけ圧倒的に見えた。
正直手合わせしとったからなんとなくわかったつもりやったけど、、公の場に出したらこんなになるんやなと、より実感したわ。
sho「、、、でもここからやねんな。俺の予想やけど、、、」
短剣の刃先が光るたびに、鋭い音が試験場に響き渡る。
sho「これはゾムとコイツのタイマンになるやろなぁ。」
シャオさんの言った通り、その圧倒的な戦果の先で、試験場に別の影が静かに現れとった訳で。
鎖付きナイフを手に、ゾムさんがゆっくりと前進する。
「……このくらいは掃除しておかんと」
ゾムさんの動きは静かで、無駄がない。
一歩踏み出すたび、空気が弾けるように震えるくらいの圧迫感。
ut「掃除て。虫かいな、、、そんで持ってあの武器。」
ゾムが手を振ると、鎖付きナイフが宙を切り裂き、他の参加者を容赦なく打ち倒す。
em「流石というか、、、なんというか。容赦ないところがゾムさんらしいですね」
エミさん苦笑いしとるやん。
ut「てか冷静に考えたらエグない?なんやねん鎖についたナイフで高速で切り掛かりに来るとか。そんで持って鎖の遠心力で移動、、、」
ci「なんか正直、ゾムの身体能力の高さあってこそやな。」
syp「ほんまその通りやと思う。」
映像で映し出されるのはナックルで殴られた者は空中に弾かれ、地面に叩きつけられる受験者。
痛そ。
「うわ……、てかゾム様、、!?戦闘機やん……!」
「……誰も立てへんわ……」
気づけば、試験場に残っていたのはレパロウとゾムさんの2人だけ。
sho「俺のいう通りになってもうたやん。」
zm「……お前、、シッマの。というか二人だけか」
rp「……負けるわけにはいかへん。」
zm「……面白そうやねんな。ああ、負けへんぞ。」
互いの武器を構え、短剣を握るレパロウ、鎖付きナイフを握るゾムさん。
二人の間に動かない、相手を観察するような静寂が流れた。
最初の瞬間、レパロウは短剣で斬りかかり、ゾムさんは鎖を振るいながら迎撃。
衝撃が空気を震わせ、金属音が森中に鋭く響く。
レパロウ一旦距離を取り、木に上り狙撃ライフルを瞬時に構えた。
木の上から、茂みに隠れて冷静に狙う
「……ここだ」
銃口から放たれた弾丸が、ゾムさんの肩をかすめた。
気づいてはいたんやろうけど、見えづらかったのか僅かに肩を掠めたわけや。
「……!」
ゾムさんの目が一瞬細くなり、口元に笑みが浮かぶ。
大方、服についた狙撃用のポインターを狙うと予想しとっとんか、ずらしたのは意外やったらしい。
レパロウは多分、初めから肩狙いやったんやろな。
とは言っても、寸手で避けるのも化け物やけど。
それでも次の瞬間、目の前にゾムが現れ拳を振るわれレパロウの体が弾き飛ばされた。
rp「(うそやろ!?さっきまであんな遠くにおったのに、、!?)」
受け身を取りつつ、膝をついたレパロウは即座に短剣を構え直し、高速に交差するナイフをかわしながら距離を詰める。
互いに攻防を繰り返し、場内の緊張は最高潮に達しとった。
レパロウは相手のわずかな隙を狙い、短剣をゾムの腹に叩き込もうとする。
rp「っ!」
zm「甘いで」
ワイは唖然とした。
多分周りもそうやろ。
、、、人間やないわあんなん。
ゾムさんはレパロウが振り翳した短剣を持った手を寸手でグッと掴み抑える。
Ci「惜しっ!」
rp「、、想定内っすよ!」
zm「は」
syp「……効いた……」
ゾムさんが一瞬よろめく。
kn「やるやん!!」
見越していたのか、保険として考えていたのか、レパロウは瞬時に左手を使い素手でゾムさんの腹部に拳を叩き込んだ。
zm「中々やるやんけ」
だが、受けた拳を諸共せずその後の隙を潰すように、ゾムさんはレパロウの服をグッと掴み、圧倒的な力でレパロウを地面に押し倒す。
「……ぐっ……!」
息も絶え絶えに、レパロウは必死で立ち上がろうとする。
も、ゾムさんはは静かに、ナイフでタグを切った。
zm「……ようやったな。俺に一撃を与えんのは相当やと思うで。」
レパロウは、タグが切られたことを理解したのかゾムさんに差し伸べられた手を取り、立ち上がる。
rp「、、、、(負けた……やっぱ、本部の一等兵は、ちゃうか。あかんかも、しれん。)」
悔しそうに拳をギュッと握る。
ut「なぁショッピ?」
syp「はい」
ut「レパロウてゾムの事気づいとんのかな。もしかしてやけど、一般兵と勘違いしとらん?」
syp「、、そんな気しますね。」
em「いやいやあれが一般兵ってウチの戦力大変なことになるよ?」
そんな俺らの会話は置いておいて、モニターには何かを察したゾムさんがレパロウに声をかけていた。
zm「お前、まだまだ伸びるで。」
rp「ぇ?」
zm「次は……もっと楽しみにしとくわ」
*
ーモニタールーム
gr「どこから連れてきたんこんなやつ」
モニターに齧り付きながら、グルッペンが冷静な声で言う。
rbr「コネシマが、、拾うたらしいで。」
gr「面白い。コイツは、、満足な戦闘能力を持ってしてなお、上回るセンスがある。まだまだ強くなれる。それにこの時点でゾムに一撃与えるのは、、これは、、」
rbr「えらい饒舌やねんな。」
それはもう口が回る回る。
興奮冷め止まぬ様子で口を開くわけや。
gr「ああ。是非ともすぐにウチの軍に、望み通り幹部に迎え入れたいくらいだ。」
rbr「、、、」
gr「が、」
gr「初めての試みである以上、しっかりと話し合いをせぇへんとな。」
rbr「、、、感情だけで判断せんところ、お前が統領でよかったと思うわ。」
ほんまにな。
そして一旦落ち着いたのか、体を戻し口を再度開く。
gr「じゃあなるべく早く、、、半刻後にでも始めようか、幹部会議。」
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