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──軍医務室。



試験後の疲労感で、足取りは思ったより重かった。



軽い擦り傷のはずなのに、全身がじんわりと痛む。戦場での緊張が抜けきらず、鼓動はまだ早い。



緑の人に案内されて医務室に入ると、白い蛍光灯に照らされた部屋は静かで、薬品の匂いが鼻に刺さった。



そこには、優しそうな男の人が立っとった。


黒い紙に白字で「神」と書かれた覆面。


ロボロさんのような雰囲気に一瞬戸惑う。






sn「俺はしんぺい。君が噂の連れ弟子くんやな?」




その声音は柔らかいのに、どこか探るような軽さがあった。




rp「あっ、レパロウと申します、!」




慌てて自己紹介すると、緑の人は「この後招集かかっとるから任せたわ」と言い残して部屋を出ていった。



扉が閉まる音がやけに大きく響き、僕は急に心細さを覚える。






sn「いや〜、モニターで少し見とったけど、、、」




しんぺいさんが僕をまっすぐ見て、笑みを浮かべる。














「顔ええな〜」









rp「へ?」










予想外すぎる言葉に、情けない声が漏れた。


顔を褒められるなんて思ってもいなかった。






誰かに「良い」と言われたことなんて一度もなかったんやけどな、、







rp「あ、ありがとうございます?」




と気の抜けた返事しかできない。




しんぺいさんはしばらく僕をじっと見つめ、その視線に背筋が落ち着かなくなる。




sn「、、、、」




rp「、、?」




sn「あ、ごめんごめんなんでもあらへんよ。じゃ、手当しよか。」





笑ってごまかす声は穏やかだが、何を考えているのか読めなくて逆に不安になる。






優しそうに見えて、掴めない人――そんな印象だった。






腕の傷を消毒してもらいながら、ふと思い出して口を開く。





rp「そういえば、、ここまで連れてきてくださった方の名前聞きそびれてしもたんですけど、ご存じですか?」







sn「ん?あぁゾムのこと?」







rp「へぇ!ゾムさんていうかたなんですね。

、、、え?」








ぞ、ぞむさん……?














一瞬、脳が理解を拒んだ。








sn「まぁ、せやろな。絶対気づいてなかったやろ?」





僕はぶんぶんと首を縦に振る。



rp「え?いや、普通に超強い一等兵なんやなと思っとったんですけど!?!?」




当たり前や。なんで世界最強が試験に混じっとんねん!



そんなん予測できるか!





sn「いやいや、あんな強いので一般兵とかそれこそ我々国世界征服できてまうやん」




rp「たしかに、、、、、?」




妙な納得感があった。




確かに飛び抜けて強かったし、歯が立たなかったのも事実。





ただ――その事実が逆に自分の存在を小さく思わせる。






sn「世界最強の近接兵、、、、もちろん戦闘できる幹部やったらそこそこ良い戦いすると思うで。

でも訓練上がりの一般兵じゃ勝つどころか傷つけるのですら厳しい。


多分あのステージで戦うんには類稀な戦闘センスが必要不可欠な要素なんやろな思うんや。」





rp「類稀な、、戦闘センス、、、」



その言葉が胸の奥に残る。




誇らしいような、重荷のような、複雑な響きだった。





sn「せやからな、まぁゾムが駆り出されるて聞いた時正直無理やろな、とは俺思ってたん。




でも蓋を開けてみれば、レパロウは善戦してん。




『倒せなかった』が勝ると思うけどな、傷一つでもつけた事実は大きなプラスの材料になると思うで。」



ま、一等兵を薙ぎ倒しとったから普通ぶっちぎりの首席やけどな。




と笑って肩をすくめるしんぺいさん。



その言葉は冗談めいていたけれど、不思議と胸の奥が少し軽くなる。





sn「そこは上が会議しとるし結果を待つだけやな。それまで暫く雑談でもしよか。」





円卓の中央、統領グルさんが肘をついて座り、威圧感を隠しもしないその姿勢で場を支配していた。



トントンさんは淡々と資料を並べる。



紙を滑らせる小さな音だけが、重い沈黙を切り裂いた。



その沈黙に耐えかねたように、トントンさんが声を発する。





tn「本日の議題は、、言わんでもわかると思うやろが新人兵レパロウを幹部候補として処遇する件や。一旦は賛成派から各自意見を述べてもらおか。」






──来たか。








まず口を開いたのは、育手であるコネシマや。




kn「俺は大賛成や。いや〜、正直想像以上に化けたな!



育手の俺が言うんや、アイツは想像を上回った実力、実戦での発揮力も申し分ないやろ。



それに切り捨てるより戦場で暴れさせた方がええ。」




部長の声は大きさも調子もいつも通りやのに、不思議と説得力がある。



ふざけてる時の顔と、今みたいに真剣に語る顔。


その落差があるからこそ、重みが違うんや。





「次はお前やろ」って目で合図され、深く腰掛けていた椅子から少し体を起こす。




syp「俺も賛成っすね。粗削りやけど光るもんはある。

心配なら俺が付いて手綱握ればええ。忠誠心に欠けたことをすればアイツに腹切らせますし、俺が切る。」







「そんくらいの覚悟で俺は言うとります。」






自分でも声が低く落ち着いて響くのを感じる。




荒いことを平然と言う俺に、チーノが横で

「淡々と怖いこと言いよるわ、、」と眉を寄せるのが視界の端に映った。







……けど、これくらい言わな本気は伝わらん。俺がレパを信用してる分、責任も俺が負うってことや。











次に口を開いたのは、意外にもゾムさんやった。







zm「せやなぁ、、、まず俺の感想やと、正直俺が勝てると思うとったな。」




ゾムさんは試験の時のことを淡々と語る。



「冷静さ」「判断力」「突っ込まないで待てる胆力」。



ゾムさんがそう評するのは珍しい。



あの人に言わせれば、あいつの実力は“伸びる余地がある”ってことや。






sho「(……ふーん。意外やな。中立くらいやと思ってたけど……おもろかったんやろな、ゾム的には。)」







──そう言わせただけでも、充分誇れることやな。







……ただ、ここからが本題や。






反対派。





まず大先生が静かに、けど断固とした声で口を開いた。





ut「……俺は、、、総合的に見て反対や。」




戦闘力は認める。けど、信用できるかどうかは別。



大先生の視線は、ひとつひとつの言葉に重みを乗せて刺さってくる。



正直、言うてることは最もや。





「信用できるか」……それを一番疑われる立場なんは、しょうがないことなんやろな。









次にシャオさん。




sho「俺もや。強いだけならいくらでもおる。



幹部に必要なんは忠誠と器や。今のあいつにあるんか?



そんなんわからへんやろ。」





視線が鋭い。




チーノも反対に続く。



ci「……俺も反対や。1番は信用ならんてことやな。なんで幹部になりたいんか、背負うもんもようわからん。」






「信用ならん」って言葉が、場の空気を更に冷たくした。



……分かっとる。



実力だけやと足りんのは事実や。










でも、そう簡単に切り捨てられるのも腹立つ。












中立派




os「そうだなぁ、、賛成も反対も一理あるめう。幹部はまだ早いけど、才能を放置するのは損失って感じかなぁ。


なにかいい折衷案でもあるとええんやけど、、。」





em「私も大体皆さんに同意ですね。


即時の幹部任命よりも、それこそ試験的に任務へ参加させ実績と忠誠心を証明してからでも遅くないのではと思います。」








ht「俺も中立。どちらの言い分も分かる。ただ……あいつがどう成長するか見てみたいって気持ちはあるね。」





中立派の全員は、レパロウの実力は認めつつもまだ懐疑的って所やな。





反対派もやけど本来なら一発合格の所、レパは特殊な例だから渋っている。




裏切りなんて許されへん。





そう言うことが不安材料なんやろ。






反対も中立も、言ってることはもっともや。

俺自身、反論はできへん。









で、問題の、、、

















rbr「……俺は中立やな。」





ロボロさん。



俺はてっきり反対に回るやろと思うてた。





rbr「戦闘能力は認める。通例やったら首席で合格やろ。


ただ、忠誠心や器を試したいなら……段階を踏むんが妥当やと思う。」







意外やった。

けど、妙に納得もした。





tn「、、というと?」








rbr「反対、中立に立っとる奴らで尋問でもするんでええんとちゃうか?



問いかける内容はなんでも、手段は手荒くてもええ。むしろ荒くしてやればええわ。余裕ない時ほど本心が露呈しやすいからな。





戦闘能力に異論があらへんならこの方法がベストやろ。」













約束事は破らんあの人らしい。真正面から力を認めた上で、「段階を踏ませろ」って案を出すところも。







……面接。圧迫尋問。それは確かに一番妥当かもしれへんな。







グルさんが場を見渡す。




あの目に見られると、どんな強気な奴でも口を閉じる。








gr「……賛成三、反対三、中立四。拮抗しているな。面接という折衷案も出ているが……それこそ全員がレパロウの戦闘能力を認めているのなら面接で試してみるのもどうや?」






ut「、、、ええんとちゃう?


各々気になっとるところはあるやろうし、殺さない程度に揺さぶりかければええやん。」








面接、か。



一発勝負には変わらんけど、まだチャンスはある。




グルさんの興味深そうな眼差しに、正直ほっとした。



あの人が「試す価値あり」と見たんや。

それだけで大きな一歩やろ。




──そんで決まった「圧迫面接」





何を言えば正解なんかは、分からん。



納得できる答えを、となれば初見ではほぼ不可能。




上手く言えても求められるのは本心。







焦った時に何を言うかが問題。






過去のことを言わんとも限らないのが、また。








オスマンさんや、ロボロさん。あとチーノも、あそこ3人は話術に長けとる。






本心を見抜く、で言えば横に並ぶやつもおらん。














「どうなんやろな。」










ぺ神は「決定に従う」とのことなので幹部会議に参加していません。

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コメント

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今回もとても面白かったです!! 次の尋問回(多分?)とても楽しみです。

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