タイトル_『何かが欠けてしまった”星”』
第3話_──どこに行けばいい?──
続きから〜
薄暗い路地の奥へと消えていく玲夜の後ろ姿を、創史は呆然と見つめた。
創史:「待てよ…!」声をかけるも返事はない。背中が路地の角に隠れる。
創史は慌てて追いかけるが、既に姿は見えない。
創史:「…どこに行くんだ」息を切らしながら立ち止まる。
手首の傷が脳裏に蘇る。
鞄の中から携帯を取り出し、玲夜の番号を確認する。
だが彼には番号など知らなかった。
放送室に戻り窓を開ける。外は夕暮れ時。
創史:「…桃華に会えないって、何なんだ」独り言のように呟く。
その瞬間、ポケットの中で携帯が震えた。
画面には『着信拒否』の文字。
携帯の振動が止まると、創史は画面を握り潰しそうになった
創史:「…玲夜か?」誰からの着信かはわからない。だがその震動が、彼の胸に突き刺さる。
放送室の椅子に腰掛け、窓から見える夕焼け空を見つめる。
創史:「桃華…」名前を呼ぶと同時に、玲夜の冷たい瞳が脳裏に浮かぶ。
突然、放送室のドアが開く音。
振り返ると、桃華が立っていた。
桃華:「創史くん、どうしたの?顔色悪いよ」
創史:「…ああ、なんでもない」創史は慌てて立ち上がり、窓を閉めた。
創史:「ただ…考え事をしてたんだ」
桃華は不思議そうに首を傾げる。
桃華:「またあの星野くんのこと?」
その瞬間、創史の心臓が凍りついた。
創史:「なんで…彼のことを知ってるんだ」
桃華:「昨日、放送室で見たの。創史くんが話してる声が聞こえて…」桃華は微笑んだ。桃華:「大丈夫?何かあったら相談してね」
創史は唇を噛みしめた。桃華の優しさが、今だけは耐え難い苦痛だった。
創史:「…ごめん。ちょっと用事がある」創史は逃げるように放送室を出た。
薄暗い廊下で立ち止まり、ポケットの中の携帯を取り出す。
玲夜への未着信通知が光っている。
創史:「どこに行けばいいんだ…」夜風に吹かれながら、創史は呟いた。
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続きはまた明日〜おやすみ〜
今回から少しづつ♡数あげてきます💦なので♡10にします!ごめんなさい💦
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