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シチュがばりばり2次元ですんません
いつも通り🍅😻です✨️
「……は? なにこれ、マジで開かないんだけど」
扉をガタガタと揺らしながら、愁斗が焦った声を出す。俺も周囲を見渡すが、窓ひとつない真っ白な部屋に、ポツンとソファがあるだけ。そして壁には、お決まりのあの文字。
【キスしないと出られない部屋】
「……嘘だろ。こんなベタなことある?」
「……はぁ。まあ、いいや。勇馬、とりあえずサクッと……する?」
愁斗は観念したようにため息をつくと、スタスタと俺の方へ歩み寄ってきた。いつもの余裕な感じで、俺の腰に手を回し、顔を近づけてくる。
けれど、唇が触れる寸前。
愁斗がふと動きを止めて、何かに気づいたようにニヤリと笑った。
「……あ、待って。いいこと考えた」
「……え、なに」
「普通に俺からキスして出るのって、なんか普通すぎてつまんなくない? せっかくだし……今日は勇馬からしてよ。」
「…………はぁ!?」
俺が素っ頓狂な声を上げると、愁斗は俺をソファに座らせ、自分はその前に跪くようにして視線を合わせた。
「ほら、勇馬が自分からしてくれるまで、俺、一歩も動かないから。……いいでしょ? じゃないと、ここから出ない」
「っ……、お前、何言って……!」
「いいから。ほら、おいで?」
愁斗は楽しそうに目を細めて、そのままじっと俺を見つめてくる。
……こいつ、絶対俺が恥ずかしがるのを楽しんでやがる。
「……っ、わかった、やる……!」
俺は自棄クソになって、愁斗の頬を両手で挟み込んだ。
愁斗は「ん」と短く言って、素直に目を閉じる。無防備に晒された唇。至近距離で見ると、あいつの睫毛の長さや、肌の熱がダイレクトに伝わってきて、心臓が爆音を立て始めた。
「……い、いくよ……。」
「……ん」
あと数センチ。鼻先が触れそうになる。……が、そこであいつのまつ毛が微かに揺れたのが見えて、俺は心臓が口から飛び出しそうになり、バッと体を離した。
「……っ、ちょ、待て……! 今、一瞬目開けたでしょ!」
「開けてないよ笑 …ねえ勇馬、早くしないと明日になっちゃうって」
「……わかってるよ! ……よし、次こそ……!」
俺は再び顔を近づける。今度は目を瞑って、とにかく唇を当てることだけに集中しようとした。
……が。至近距離から伝わってくる愁斗の体温と、あいつ特有の甘い匂いに、脳がパニックを起こす。
「……っ……、……無理!!」
「ちょ、勇馬」
「…ねぇこれ恥ずかしい……!なんでお前そんなに平然としてられんの!?」
俺が顔を真っ赤にして叫ぶと、愁斗はついに我慢できずに吹き出した。
「あはは! 勇馬、顔真っ赤。……いつもキスしてほしそうな顔してるのに、自分からするのはこんなに苦手なんだ……可愛すぎ」
「……っ、うるせー、別にキスしてほしそうな顔なんかしてねーし!」
「はいはい。……ほら、もう一回。……頑張って?」
愁斗は再び目を閉じる。
俺は三度目の正直とばかりに、あいつの頬を両手で挟み込んだ。
「……い、いくよ。……いくから、絶対笑うなよ」
「……ん」
数ミリ。あと、呼吸一つ分。
「…………っ、……やっぱりダメだ!!」
俺が再び後ずさりしようとした、その時。
ずっと待機していたはずの愁斗の手が、電光石火の速さで俺の腰を抱き寄せた。
「っ、……わ、……愁斗!?」
「……はい、タイムアップ。……勇馬が一生してくれないから、俺、もう限界」
「っ、お前……、勇馬からって……んっ!?」
強引に塞がれた唇。
「勇馬から」なんてルールはどこへやら、愁斗のキスは、いつの間にか俺の肺の空気を全部奪い去るような、深くて熱いものに変わっていた。
カチッ、と部屋の鍵が開く音が聞こえたけれど。
愁斗は俺を離すどころか、さらに深く舌を滑り込ませて、耳元で低く囁いた。
「……勇馬。今度、自分からできたら……もっといいことしてあげるから。頑張ってね」
「…………っ、……お前、……バカ……ッ!!」