お…おおお…大森元貴です…
き…緊張してます…
なんでって…?
明日は滉斗のお母さんとお父さんに会う日
なんです…
どうしようどうしよう…
なんて言えば良いの…?
“滉斗の彼女です”って言えば良いの…?
いやでもどっちが彼女だか分かんないし…
(絶対もっくんだろ by 主)
えええもうどうしよう…!
滉斗に相談してみよう…
元貴side
元貴『ひ…ひひひ…滉斗…』
夕食の準備をしている滉斗に声をかける。
滉斗『どうしたのそんな慌てて笑』
逆になんでそんなに冷静なの?!
元貴『明日滉斗のお母さんとお父さんに会うじゃん…?』
滉斗『そうだね?』
元貴『なんてあいさつしたら良いのかなって…』
滉斗『なんだそんなことか笑』
そんなことって…!
僕にとっては重大なことなんだけど…
滉斗『普通で大丈夫だよ〜』
いや普通って何?!
元貴『滉斗って僕たちの関係って伝えてあるの…?』
そう聞くと滉斗は体を跳ね上げて、
少し間を空けてから答えた。
滉斗『…言ってない、』
元貴『…?』
滉斗の顔色が暗くなった。
何か悪いことでもあるかのように…
元貴『もしかして…』
滉斗『…』
今にも泣きそうな顔の滉斗。
やっぱり、何かあるんだ…
滉斗『ごめん、母さんと父さんの“付き合う”っていう基準が女性と男性なんだ…』
元貴『まぁ普通はね…?』
目に涙を溜めて話す滉斗。
滉斗『だから、話したら…』
元貴『うん、』
滉斗の目から涙が溢れる。
滉斗『っ…泣』
元貴『っ…!』
僕は滉斗を抱きしめた。
元貴『大丈夫だよ…』
滉斗『ぅ…グスッ…泣』
まぁそうだよね…
世の中の“付き合う”の基準は普通
女性と男性だ。
反対されるのもおかしくない。
でも、男性と男性で付き合うのも
おかしいことではない。
お互い好きなんだから、
それでも良いと思うけどな…
滉斗『でも言わないと…泣』
元貴『うん、』
滉斗『いつまでも言えない…泣』
元貴『…』
僕は滉斗の頭を撫でながらたくさん考えた。
どうしたら嫌なイメージを持たないか、
どう伝えれば良いか、たくさん考えた。
元貴『…分かった、』
滉斗『…?泣』
元貴『僕が言ってみるよ、』
滉斗『えでも…泣』
元貴『大丈夫、
もし反対されても僕は別れないよ、泣』
滉斗『っ…!泣』
滉斗が安心できるように笑って言おうと
したのに、もし別れさせられたらどうしよう
っていう不安の気持ちが大きくて、
涙が出てしまった。
僕が安心させないといけないのに…
滉斗『ありがと…泣』
元貴『っ…泣』
2人で泣いたのはいつぶりだろうか…
滉斗が本音を打ち明けてくれた日以来かな…
大切な人の流す涙ってすごい辛いんだね…
でも滉斗が僕のために涙を流してくれて、
嬉しかった。
〜次の日〜
今日はついに滉斗のお母さんとお父さんに
会う日だ…
良い印象を持ってもらえるように、
前髪ありの髪型で行く。
センター分けだと少しチャラく見えるから…
元貴『よし…』
髪型も服装も準備できた…
服は滉斗が似合うって言ってくれた
薄紫のワイシャツに黒のズボンを着た。
見た目の準備なら出来たけど、
心の準備がまだかも…
滉斗『準備できた…?』
心配そうな滉斗。
元貴『うん…』
滉斗『行こっか…』
元貴『うん…』
家は隣だから近いけど、少しでも安心できる
ように手を繋いで行く。
滉斗『開けるよ…』
元貴『うん…』
ガチャ
滉斗『たっ…ただいま…!』
滉斗母『おかえり!あら…?』
元貴『こっ…こんにちは…』
滉斗母『あなた名前は…?』
元貴『えっと、大森元貴です…』
そう言うと滉斗のお母さんは僕を警戒する
ような目で言った。
滉斗母『あなた滉斗とどういう関係?』
その一言に体が跳ね上がる。
滉斗と目を合わせて頷いてから口を開けた。
元貴『滉斗の…か…彼女です…』
滉斗『そ…そう!俺彼女できたんだ…』
滉斗のお母さんは僕を睨んでから
口を開いた。
滉斗母『あなた男じゃない?』
元貴『っ…』
滉斗『で…でも!』
滉斗が話す前に滉斗のお母さんが口を開いた。
滉斗母『男同士は付き合えません』
その一言に僕の頭は真っ白になった。
滉斗『でも、!母さん、!』
滉斗が大きな声を出して言った。
滉斗『俺は本当に元貴を恋愛対象として好きなんだ、!』
滉斗母『…駄目です』
その鋭い一言に背筋が凍った。
滉斗『母さん、!』
滉斗母『駄目なものは駄目です。別れなさい。』
頭が真っ白だった。
滉斗の本音を聞いたら、考え直して
くれるんじゃないかって…思った。
でも駄目だった、
なら、僕が言うしか…
元貴『あっ…あの、!』
勇気を振り絞って声を出した。
滉斗母『…何の用?』
元貴『僕は、滉斗が大好きです、』
滉斗『元貴…』
元貴『滉斗は1番最初に僕に声をかけてくれて、
僕とたくさん話してくれました。
滉斗となら…
間違いないって思えたんです。』
滉斗母『…』
元貴『滉斗の笑顔も、滉斗がかけてくれる
言葉も、僕は大好きです。
滉斗に救われたこともたくさん
ありました。
滉斗が泣きながら本音を打ち明けて
くれた時、嬉しかったです。
そんな滉斗が、僕は大好きで…』
滉斗母『…』
元貴『…愛してます。』
滉斗『っ…!』
元貴『なので、滉斗と、お付き合いを、
続けさせてください、』
言葉が喉の奥で詰まって中々言えなかった。
僕の本当の音を、
滉斗にも、滉斗のお母さんにも、
伝えられた気がした。
滉斗母『お父さんに言ってみなさい、』
滉斗『っ…』
滉斗母『絶対否定するから。私は認めません。』
滉斗『母さん、!』
滉斗母『はぁ、外の空気吸ってくる、』
そう言って滉斗のお母さんは外に出て行って
しまった。
滉斗『元貴っ…』
滉斗が僕に声をかけた。
元貴『…っ、』
緊張していたのか、一気に体の力が抜けた。
滉斗『危なっ…』
滉斗が支えてくれた。
元貴『ごめ…』
滉斗『ありがとうっ…』
滉斗は僕を今までにないぐらい強く
抱きしめて、口付けをしてくれた。
元貴『滉斗っ…///』
滉斗『ありがとう、嬉しかった、』
元貴『っ…』
滉斗『初めて、元貴がカッコいいと思えた、』
元貴『初めて…///』
滉斗『俺も…愛してるよ、』
元貴『ん…知ってる…』
そう言って僕は滉斗に口付けをした。
その瞬間、
??『さっきの話、聞いてたよ』
優しい声が家の中に響いた。
元貴『っ…?!///』
滉斗『◯◯◯◯っ…!?///』
next…◯◯◯◯とご対面…
コメント
6件
ゆうじちゃん登場!?
うわぉ…後はお父様……どうか認めて上げてください……! (誰目線??)
お母様ありがとうございます🙇♀️お父様どうか認めて上げてください🙇♀️