『鎖の先で』
tg視点
tg ……しおたん、これ、なに?
リビングの隅。
白い布をかけられていた箱の中に、見慣れないものが入ってた。
首輪と、金属の細いチェーン。
おもちゃじゃない。
重たくて、冷たくて、本物みたいだった。
so ちぐちんには、まだ早いかなって思ってたんだけど……
しおたんはそう言って、俺の髪をそっと撫でた。
その指はいつも通り優しいのに、目だけが静かに熱を持っていた。
so これで、ちゃんと繋がれるんだよ
tg …繋がる?
so そう。“ちゃんと俺のもの”になるって、こういうこと
冗談みたいな空気じゃなかった。
むしろ、とても真剣で、言葉の裏に感情の波があった。
so 怖い……とか、思ってる?
tg …ううん。しおたんがやだって思うこと、俺……ないよ?
言いながら、自分で驚いた。
口が勝手にそう言ってしまったみたいで、
胸の奥が少しザワついた。
だけどしおたんは、嬉しそうに微笑んだ。
so そう。ちぐちんは、やっぱり賢いね
tg ……ねえ、これって… …ずっと、こうしていくの?
so うん。だって、俺たち、お互いしか見てないんでしょ?
耳元で囁かれるその声は甘くて、
でもどこか“逃げ場のない優しさ”だった。
so 大丈夫。ちゃんとちぐちんに合う長さにしてあるから。苦しくないよ?
そう言って、しおたんは首輪を手に取る。
俺の鼓動が、ぎゅっと早くなる。
逃げたいわけじゃないのに、
なぜか身体が少しだけ後ずさってしまう。
so ちぐちん。信じてくれるよね?
tg …うん
そう答えた瞬間——
玄関のチャイムが、鳴った。
音が響いたその刹那、しおたんの表情がふっと変わった。
so …誰?
低く、静かな声。
その視線が、玄関のほうを向いたまま鋭くなる。
そして俺の腕を、そっと、でも強く握った。
so ちぐちん。あそこに、行かなくていいでしょ?
ドアの向こうで、またチャイムが鳴る。
——誰かが、俺を呼んでる。
tg しおたん…
俺の口から、掠れるような声が漏れた。
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コメント
2件
わぁ……この作品好き、、🤦♀️💕 てか最後の誰っ!?!? tgちゃん!!貴方監禁される素質めちゃ くちゃあるよ!! (?)