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自首〜はい、私が殺りました〜

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自首〜はい、私が殺りました〜

7 - 第4話 どうして side:藍崎

♥

17

2023年08月29日

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今年は暑くなるのが早すぎる気がする。

まだ4月下旬のため、学校にクーラーがつくことはなく、うだるような暑さが教室を充満していた。

チョコの一件以来、柿倉達が私に接触してくることはなくなった。

相変わらず赤咲が話しかけてくるだけ。

「百合っぴ〜お昼食べよ〜!」

「百合っぴ〜宿題写さして〜!」

「百合っぴ〜一緒に帰ろ〜!」

まずい。本当にノイローゼになる…

だけど、柿倉達が絡んでくるよりかはまだ平和な日々だった。


その日までは


あれから1週間ほど経った頃、私はいつものように前ドアから教室に入ろうとした。

あ〜今日もドアから入ったら赤咲がでっかい声で挨拶してくんだろうな〜…

一度そう思うと目を開けてるのがだるくなってくる。無意識に目を閉じてしまっていた。

うんざりしながらも前ドアから教室にはいる。あ〜またあの高い声が…

……聞こえてこない。

何かおかしいと思い目を開けると、そこには信じられない光景が広がっていた。

「あれぇ?もう来たの〜?まだ来なくてよかったのにww。」

前ドアで立ち尽くしている私を見つけた柿倉がめざとく反応してくる。

倉持多田も横でくすくす笑っている。

倉持の手には水滴が滴っているバケツが握られていた。

3人は赤咲の席を取り囲むように立っていた。その中心にいたのは、ずぶ濡れの赤咲だった。

周りのクラスメイトは、注意するどころかスマホを向けて写真を撮ってる奴までいた。

一瞬赤咲がこっちに目線を向けてきた。

目が合った。赤咲はすぐ視線をそらしたが、私は彼女の目を見て何が起きたのか全て察した。

なんで?どうして?

率直に出てきた感情はそれだった。

「…どうして…」

ここまで掠れた声を出すのは久しぶりかもしれない。

「は?どうして?だって暑いじゃあん、柚夏ちゃんが暑そうな顔してたから〜アタシ達水かけて冷やしてあげたの〜やさしーでしょ?」

当然のように柿倉が答える。

私が言ってるのはそう言う意味じゃない。何で赤咲なんだ。

あいつらは私を嫌ってたはず。

なのになんで赤咲が水をかぶる必要があるんだ。

「え、何その顔ウケるんだけどw もしかしてあんたも水被りたいの?暑いもんね?いいよ、やったげるwww」

倉持がバケツをこっちに見せつけてくる

その拍子に水滴が何滴かこっちに飛んできた。暑さで温度が上がった水道水は、冷たいと言うよりもはやぬるま湯のようだった。

「も、もういいから…!」

突然聞き慣れた声が出てきた。

赤咲がその場で立ち上がる。

「あはは、そうなんだよ百合っぴ!アタイがあんまりにも暑い〜死ぬ〜って言ってるから朱音っぴ達が気利かせてくれたんだよ〜ほんっと助かった〜!」

この重い雰囲気を吹っ飛ばすほどの声量と弾けるような笑顔で赤咲はいつも通り言う。

「いやでもさ?確かに涼しくなったけど、百合っぴそんな暑そうじゃないし、そもそもこれ先生に見つかったら暑いどこんじゃなくなっちゃうから!」

言い訳するように早口で取ってつけたような言葉を並べ立てる赤咲。

「それにもう予鈴鳴るよ?皆席つこ!」

周りに言い聞かせるようにそう言うと、撮影してたクラスメイトはパラパラと自分の席に戻って行った。

「ね?あいつも喜んでんじゃん」

席に戻るすれ違いざま、柿倉は小馬鹿にするように私に言ってきた。

さすがに赤咲に礼くらいは言った方がいいと思い話しかける。

「あ、あのさ、ごめん何も言えなくて。庇ってくれてありがと」

「ん〜?アタイは思ったこと言っただけだよ〜?」

本当にいつもの赤咲と何一つ変わっていなかった。ずぶ濡れなこと以外は。

でもまぁ…本人がここまで言うなら大丈夫なのかもしれない。赤咲図太いし。

「床と机は私が拭いとく。ていうかその制服どうするの?本当に先生に見つかったら大変だよ?」

「えっいいの?あざまるっ!あ〜今体育着にチャッと着替えてくるわ!朝練で制服忘れたとでも言っとく!髪は水道水に漬けたらこうなった!っていえば何とかなる!」

返事を返す間もなく体育着の袋をひっつかんで更衣室にダッシュする赤咲。

てか赤咲部活入ってないんだからその言い訳聞かないんじゃ…

…まぁいいや…あいつなら何かうまくやれるだろきっと。





「ふ〜よかった、とりあえず百合っぴに心配はかけさせてないね〜…」

「…」

「…」

「…寒いなぁ…」

「…っしっかりしろ!泣くな馬鹿!」

「大丈夫大丈夫!これくらい大したことない!」

「大したこと…ない…!」

「…」

「…早く、教室戻ろ…」


あまり大丈夫ではないのかもしれない。





だめだね!もぉ!どぉしても!長くなっちゃう!

こんなのいちいち前後半に分けてたら全話前後半に分けなきゃなんなくなるので分断は諦めました!ごめんなさい!

フォローしてくれる人がまた出てきてくれて本当に嬉しいです!       まじでありがとうございます😭😭

いいねフォローコメントよろです。

おつみふ〜

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