小さい頃から、俺は死神だと思ってた。
今は家に引きこもってる。
誰かと関わると、相手が不幸になってしまうから。
ピンポーン
インターホンの音がした。宅急便は特に頼んでいない。
ドアを開けてみると、年が同じくらいのイケメンがいた。
のじゃじゃ)…?こんにちは
???)こんにちは、隣に越してきたとーますです
のじゃじゃ)あ、のじゃじゃです…よろしくお願いします…
とーます)よろしくお願いします!
俺に菓子折りを渡して、とーますは帰って行った。
のじゃじゃ)…関わるのはやめとこ
のじゃじゃ)これ以上誰かを不幸にさせたくない。
翌日
食料と飲み物が底を尽きた。菓子は食べるのがもったいない。
俺は仕方なく外に出た。
とーます)あ!おはようございますっ
のじゃじゃ)ぁ…おはようございます…
のじゃじゃ)(運悪…)
早足にその場を去ろうとした。
とーます)あ、あの…
のじゃじゃ)ん
とーます)連絡先…交換しませんか…?
のじゃじゃ)え?
とーます)お、お隣さんだし…
とーます)…仲良く…なりたい……ので…
頭がおかしいのか?
そう思った。でも、20秒後
俺はとーますと、連絡先を交換してしまっていた。
夜
カップラーメンをすすりながら、ゲームをしていた。9時くらいだろうか
ブーブー
スマホが鳴った。いつものようにチェーンメールだと思ったけど、違うみたいだ。
とーますが、「こんばんは」と言っている可愛らしい猫のスタンプを送ってきていた。
のじゃじゃ『こんばんは』
とーます『あ!のじゃじゃさん』
のじゃじゃ『どうしたんですか』
とーます『ちょっと話がしたくて!』
のじゃじゃ『?』
その後、30分ほど質問攻めされた。
好きな食べ物は?とか、どこ出身?とか。
やっぱりとーますは、頭がおかしい。
何日か後、とーますに食事に誘われた。
断ろうとしたけど、理由が見つからなくて仕方なく行くことにした。
当日
とーます)のじゃじゃさん、好きって言ってたから…
とーますは、俺が好きな食べ物の店を誘った。
とーます)へへ
照れくさそうに笑っていた。
のじゃじゃ)(もしかしたら、とーますは…)
のじゃじゃ)(不幸に…ならないかもしれない)
こんな、都合がいいことを考えてしまった。
でも、やっぱり
運命は変えられないんだな。
3ヶ月後
俺ととーますは、親友になっていた。
今俺は、必死に勉強をしてとーますと同じ会社に就職しようとしている。
そんなある日、とーますに2人で宅飲みしよう、と誘われた。
初めて入ったとーますの部屋は、とても綺麗だった。
のじゃじゃ)うわぁ、むっちゃ部屋綺麗…
とーます)えー?全然汚いけどw
のじゃじゃ)そうか?
2人で楽しく酒を飲んでいた。
この頃の俺は、自分が死神だということをすっかり忘れていた。
とーますが寝てしまったから、俺も寝ようとした。
その時だった。
のじゃじゃ)…なんか焦げ臭い……
台所に行くと、置いてあったダンボールが勢いよく燃えていた。
のじゃじゃ)!?
のじゃじゃ)おい!とーます!
とーます)んー…?
のじゃじゃ)起きろ!火事!!
とーます)えぇ…?そんなことないでしょぉ……
とーます)もーちょっとぉ寝る……
のじゃじゃ)おい!寝るなよ!!馬鹿っ!!
そんなことをしているうちに、どんどん火が広がっていた。
俺はとーますを引きずって、ベランダに避難した。
深夜だからだろうか、近所の人が消防署に連絡してくれる気配もない。スマホも部屋に置いてきたしまった。
とーますはまだ寝ている。
隣の部屋に行く非常口を破ろうとしたが、酔っているのか力が入らない。
今、思い出した。
俺は死神なんだ。
なんで忘れていたんだろう。
とーますを守れなかった自分の弱さ、また他人を不幸にさせてしまう自分への憎さに涙がこぼれた。
のじゃじゃ)とーます…生きてくれ……
ベランダにある植物に火が移った。
俺は泣きながら目を瞑った。
のじゃじゃ)っ!?
のじゃじゃ)ここは…
周りを見ると病院だった。
俺の隣のベッドには、全身包帯でぐるぐる巻きにされて人工呼吸器を付けている人がいた。
ちょうど看護師が部屋に来た。
看護師)!!!のじゃじゃ……さん?
のじゃじゃ)…ハイ
看護師)…1ヶ月くらい目を覚まさなかったんですよ…?
のじゃじゃ)とーますは?
看護師)……隣に…
のじゃじゃ)は?
のじゃじゃ)とーます……そんな…
俺は1週間ほどで退院した。でも、とーますは目を覚まさなかった。
のじゃじゃ)…やっぱり俺は死神なんだな…
俺は毎日病院に行った。
とーますの包帯は段々と取れていった。
とーますが目を覚まさなくなって半年、俺はとーますと同じ会社に就職した。
のじゃじゃ)おい、とーます…
のじゃじゃ)俺、とーますと同じ会社に就職したよ…
返事は無い。
のじゃじゃ)……はは…早く起きろよ…
のじゃじゃ)…俺が死神なせいで……ごめんな…
とーます)……おはよう
のじゃじゃ)え?
とーます)ごめん、ずっと寝てて。
のじゃじゃ)あ……
とーます)のじゃは、死神なんかじゃないよ…!
のじゃじゃ)ッ……いや…
とーます)…俺が退院したら、
とーます)一緒に会社行こうね!
のじゃじゃ)……っ
看護師)…!!
とーますと話している時、涙がずっと溢れて止まらなかった。
「のじゃは、死神なんかじゃないよ」
俺も、そう思えた気がした。
会社で、たくさんの人と関わろう、親しくしよう、そう思った。
俺は、死神じゃない
きっと、そう思っても後悔しない。
コメント
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とま×のじゃの感動系とか死ネタとかr18とか死神ネタとかやっぱ好きなんだなぁ、うち() もうとま×のじゃは こう×いもの次の公式のCPにして欲しい。うちを犠牲にして☆(※犠牲済み)