⚠注意⚠
ご本人様には関係ありません
設定は全て捏造or妄想です
突然視点変更してます、感じてください(?)
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[ロボロ〜おつかれ]
「お疲れ様、どした」
[お前宛に手紙きとったで、なんかばり不気味やねんけど]
[ロボロの名前しか書かれとらんし]
「不気味…?ありがとな」
それを受け取っても
特に”不気味”という印象は感じられなかったが
その手紙と言われたものは
黒い封筒に包まれ
白字で 名前が書かれていた
差出人は書かれていない
内容が気になり封を開ける
[何書いてあったん?]
「……….」
中には
“天乃呂戊太殿
妖共ラノ生贄ト成ル事ヲ此処ニ記ス
白露ガ深マル頃、天ノ山山頂ニテ捧グ”
たった3行、そう書かれていた
「…..そんな、大したことやなかったわ笑」
きっと彼にこれを伝えたら
今すぐにでも俺の家に殴り込みに向かうだろう
[なんや〜そかぁ]
「わざわざ届けてくれてありがとうな」
[ええで、じゃ〜またなー]
「おん」
まだもっともっと小さい頃、祖母から聞いた
ウチの家は代々妖によく目を狙われ奪われる
視力ではなく、眼球ごと
50年に1度、それをできるだけ阻止するために
生贄を捧ぐ
もし、生贄が白露の頃に死ぬ、もしくは逃亡した場合
妖に降伏したとなり
天乃家全員の目が無くなり
そのまま四肢をもがれ
首を切り落とされ
残虐される
もちろん、その中に自分も含まれる
代わりが現れぬ限り、天乃家が全焼でもしない限り
どう足掻いても、自分は死ぬ
まぁどうせ俺の大切な人はみんな寿命で無くなっているから
どうでもいいのだが
正直な話、もし生贄に選ばれた時のためにと
無駄な訓練を積んで
儀式をして、お祓いをして
虐げられた、クソみたいな家だとは思っていたから
どうでもいい
あんな家、燃えてなくなってしまえばいいのに
まぁ、ただ一応、生贄に捧げられとく
あんなグロい死に方はごめんだ
せめて綺麗に死にたい
「明日…..か、」
仕事が終わり自室に戻る
「準備、しないとやな」
今まで自分がやってきたことをノートに書き記す
企業秘密、と言って茶化していたのも全て
生まれた時から
俺の目は特殊で
よく妖に狙われていた
“呂戊太の目は綺麗だね、でもきっと、すごく狙われやすいだろうね、だからいつでも、ずっと、必ずこれを付けておくんだよ”
そう口酸っぱく言われ「天」と書かれた雑面を祖母から渡された
それをつけて生活していると
普通の人間に戻ったように、過ごせる
少し邪魔だが
ふざけて面をめくろうとするやつもいた
別に、好きでこの面をしている訳では無い
正直今すぐにでも取って美しい世界を一望したい
その度に怒鳴ってしまい、罪悪感に包まれる
すごく、申し訳ない気持ちになる
自分は悪くないのに。
「部屋の掃除…とかか」
忙しくてしていなかった部屋の掃除
隅には埃が溜まっていて
写真立てなどもほんの少し、埃を被っている
今年の春
軍の基地内にある桜の木が満開で、晴れていたので
みんなで写真を撮った
全員いる、本物の集合写真
「…..はぁ..ぁ…..」
目から暖かいものが伝ってくる
「まだ、ここにいたいなぁ…..」
震える独り言が、妙に耳に残る
まだ、ここにいたい
彼らと一緒にいたい
せっかく手に入れた幸せを
こんな妖やらの手でいとも簡単に崩されてしまう
「……….」
いらないものは全部捨て
後輩が使っていけそうなものだけ残した
一応遺品となるのか、自分の私物は残す
「…置き手紙、とかしとくか」
“今までありがとな、
俺がやってきた仕事の内容は全て書出しといたで、
どうかお幸せに、俺のことは気にせんといてな、
お前らと出会えてよかったで。”
「…..こんなんで、いいか」
何をここまで従順に行っているんだろう
さっと消えてぱっといなくなればいいものの
「……………」
あとは、何をしようか
「…..もう、ええか」
やることがないと判断し、布団に顔を埋める
いっそ妖に筋肉質すぎてまずいから返すわ
とか言われて生き延びられへんかな
「…..なんで、俺なんかなぁっ…!」
俺以外にも、兄はいる何人か
弟だっている、全員クソだが
俺より生贄に捧げられるに値するやつはいる
どうして俺なんだ
悔しい、どうして、どうして!
コンコンコン
“ロボロ?飯食わんの?”
部屋の扉がノックされ
我に返る
シャオロンの声が聞こえる
いつもより声のトーンが低くて、悲しそうで、辛そう
俺が1日の1食を欠かすだけのことがそこまで心配なのだろうか
これ以上迷惑かける訳には行かへんな
「…ごめん!忘れとった」
少し乱れた髪を整え
解けかけた雑面の紐を結び直す
ガチャ
「ごめんな」
[おん、大丈夫やで]
さっきよりも声のトーンは上がったと思うが
何となくまだ心配の色が見える
[珍しいな、ロボロが飯のこと忘れて作業しとるん]
「…せやな、なんかごめんな?心配かけてもうて」
[いやいやそんな、謝るほどのことでもないで]
「そか…ありがとな」
優しい、善人で、明るくて、眩しい
太陽のような黄色の目、透き通っていて
硝子細工のように美しく、輝いている
「…..どしたん?俺の顔、なんかついとる?]
まだ飯は食ってへんで…、と続ける彼に
「シャオロンの目、綺麗やなって」
間髪入れずにそういう
[はぁ!?何急に!こわっ!]
これは照れ隠しの大声だ
「….ふふっ、いやなんでもないで」
耳まで真っ赤にして、少し手で顔を隠している
[なんや…急にそういうこと言うなや…..]
「ごめんて」
[ええよ…]
騒がしくも、いつでも明るい雰囲気の食堂
ゾムが鬱先生とコネシマとトントンに食害をしていて
それをショッピとチーノが面白がりながら眺めていて
グルッペンとエーミールとひとらんとオスマンは優雅に
談笑しながら食事をして
数ヶ月ぶりに帰ってきていた兄さんは、しんぺい神と
隅の方で楽しそうに食事をしている
「……消えたく…ないな…..」
俺の独り言は騒がしさですぐにかき消される
[ロボロ、今日は隅で食おうか?]
「おん?どこでも大丈夫やで」
こんなところにまで気配りができるのか、すごいなこいつは
[じゃあそこな]
みんなとも離れすぎず近すぎず
いい塩梅の席を指定する
「おん」
「いただきます」
[いただきまーす]
美味しい、すごく美味しい
もう、ここでみんなと食事することもできなくなるのかな
寂しいな
[…..ロボロ?なんか…あったん?]
顔を覗くように
俺の顔を見る
「ぇ…ん?いや…別に何も無いで?」
[なんつーか…いつもよりちょっと量少ないなーって]
[あと…手紙、見てから、なんか気分…悪なっとんかなぁって]
「いやちゃ..う手紙は関係あらへん」
「少し、疲れとっただけやねん」
[そ..か、わかったわ、なんかあったらすぐ言ってな]
どうして、そんなに優しいんだ
「おん、ありがと」
「ご馳走様でした」
[ごちそうさま]
上手く、ご飯が喉を通らなかった
「じゃあ、おやすみ、シャオロン」
[おやすみ〜]
ガチャ パタン
扉に重心をかけ
そのまま座り込む
「…..はぁ..ぁー………」
「う…ぅ…..ぁッ…..」
だめだ、目を擦ったら
目が傷ついてしまう
「っは…..ぁ…..」
「嫌や…ッ…消えたないっ..!」
「こんなことになるくらいならッ…..なくなってしもたらよかったんやッ…あんな家…..!」
「ぁ..ッ…あ…..」
「…..ぁ……….」
こんなこと言ったって何も変わりはしないのに
涙が 乾く、驚くほどに
これも家系のせいなのだろうか
「…..」
いつもより念入りに体を洗って
儀式用の服にアイロンをかけ
ハンガーにかける
「…..これで、ええか」
ベランダに出て、少し風に当たる
心を落ち着かせて、眠りにつけるように
不意に、明日が来なければいいと何度も思う
オスマンなら、この呪いをどうにかできたのだろうか
宗派が違うから厳しいな
ひとらんなら、あいつは鬼の家系だから
もしかすると、か
シャオロンなら、主人公のような強さと、女神の力を使って
妖を天に返してくれるだろうか
「……….ねむ…」
突然眠気が襲う
部屋に戻り
そのまま布団に潜る
目を瞑ったら
すぐに意識は落ちた
翌朝
すっきりしない気分とともに目が覚める
なんとも、言えない気持ちになる
今日で、お別れか
「はぁ…..」
体を起こし
着替える
顔を洗って
部屋を出る
「おはよ」
[おはよー]
いつもの声で、挨拶が返される
[疲れ、取れた?今は大丈夫?]
そういえばそんなことを言った
「…おん、お陰様で」
[別に俺はなんもしてへんで〜]
「w…せやな」
食事を終え
監視室のPCに向き合う
「…………….」
カタカタッ
「…………」
何事もなく時間が過ぎて行く
ずっと、こうだったらいいのに
[ロボロさん、お疲れ様です]
「おう、おつかれ、交代か?」
[はい、そうです]
「わかった、ちょっと待ってな」
カタカタッカチッ
「よし、あとは任せたで」
[はい、お疲れ様でした]
席を立つ、もうすぐ時間だ
自室に戻る
儀式用の服に着替え
手紙を置く
一応、天乃家から来たあの手紙も
時計の針は19時を指す
本来ならば、もうすぐ夕食の時間だが
儀式が始まるのは20時から
移動方法は徒歩以外ないため
早めに出る
誰にも、勘づかれないように
門の付近に来る
[ロボロ…..さん?こんな時間にどちらに?]
そういえば、門番がいた
「あーちょっと散歩行ってくるわ」
[そ、の格好で…ですか]
「気分気分、じゃあ行ってくるわ」
[あ、はい気をつけて]
さっと行ってパッと消えるそれでいい、
しばらく歩き、竹林に入る
さらに奥深く、山奥に入り山頂を目指す
山頂につく
腕に着けていた時計の針は19時45分を指す
既に禍々しいような雰囲気が漂う
これで終わりだ
でも、
最後に一声くらい聞きたかった
〜我々城内
19時15分
[なぁロボロ見んかった?]
[ロボロ?見てへんけど…部屋ちゃうん?]
[部屋、かな見てくるわ]
[おん、頼んだわ]
コンコンコン
部屋から声がしない
[ロボロ?入るで]
ガチャ
[ロボロ…..?]
机の上に、2枚の紙が置いてある
[…..なんや、これ]
紙を手に取って、目を通す
「今までありがとな、
俺がやってきた仕事の内容は全て書出しといたで、
どうかお幸せに、俺のことは気にせんといてな、
お前らと出会えてよかったで。」
[…..は?]
[なんや…..これ、なんだよ、今までありがとうって…..]
[こっちは…..]
俺が渡した手紙、だ
「天乃呂戊太殿
妖共ラノ生贄ト成ル事ヲ此処ニ記ス
白露ガ深マル頃、天ノ山山頂ニテ捧グ」
[え…..?…]
[何、これ生贄って…..]
[ロボロがっ…?..]
[とりあえずいまいる人にだけでも見せへんと…]
タッタッタッ
冷や汗が止まらない
早く異変に気づけば良かった
いつもご飯の量だってカロリーがどうだこうだって
気にしていたし
もっと声のトーンは高かった
うるさいと思うほど声はでかくて
飯の時間に遅れたりしなかった
儀式が始まってしまったら
彼は消えてしまうのか?
[なぁ、これ、ほんまどうしたらいいん]
[…..それなら俺、知ってる、かも]
ひとらんがそういう
[ほんまに?]
[儀式を止めるためには、天乃家が全焼するか、代わりが現れる、こと]
[全焼って…..]
[そういや、前ロボロと話した時、今俺の家に大切な人は残ってないって]
ゾムが、そういう
[そうか、なら構わない、燃やすぞ]
グルッペンが無表情のままそう発する
[だ、大丈夫…なん?]
[大丈夫だ、対して役にも立たない社会のゴミ共だ]
[アイツらが生きている限り、ロボロが妖の呪いから放たれることは無い]
[…..ひとらんなら、知っているだろうが]
そういい少しひとらんに目を向ける
[もう…とにかく時間は無い]
[総統命令、ロボロの救出、及び天乃家の全焼を命ずる]
[全力で掛かれ]
「「ハイル・グルッペン」」
[“作戦開始”]
インカム越しにそう聞こえる
俺はまた別のことを命じられた
“ロボロを止め、時間をかせげ”と
山頂に向かって全力で走る
〜天ノ山
19時56分
「…もうすぐやな、空の色も変わって来たわ…..」
後ろから足音がする
[はぁッ…はぁッ…..おった…..ロボロ]
「…..なんやシャオロンなんでおるんや」
声をかけられ、振り向く
[….っ….お前、なんで隠しとったん?]
「…..隠してた、か…せやなぁ」
「お前ら、このこと言ったらすぐ動きそうやし、心配かけてまうやろうし」
「…..ほんまやったら、誰にも気づかれへんように消えるつもりやってんけどな」
[…なに…勝手なことしとんねん…..]
すこし、声が荒ぐ
「…..こうなる運命やってん、避けられへんかったんや」
「俺の勝手でこうなった訳やない」
[…..そっか、]
「…………」
[じゃあさ、]
1拍置いて、次の言葉を紡ぐ
[もし、天乃家が全焼するって言っても、消えるん?]
「…..え?」
天乃家が全焼する
言葉の意味を、理解しているのか?
[ひとらんが、この儀式について知っとった]
[ゾムが、今天乃家にいた自分の大切な人はみんな亡くなってるって聞いたって]
[グルッペンが、天乃家に放火することを許可した]
「え…..ぇ…?」
つまり
[お前は、生贄にならんで済むねん]
生贄に、ならずに済む
でも、
あと3分、いやあと2分もない、はず
その間に、うちの家が全焼するのか?
あの縦にも横にも無駄なほどに広いあの家が?
「…..間に合うならな」
だんだん、体が光を帯び始める
[え、あ、ロボロ?…]
儀式台の上に乗り、振り向く
「なぁ、これでも、ほんまに救えるんッ…!?」
「俺は救われるんか!!?」
もう時間はない、あと、1分
自分の後頭部に手を回し、結び目を解く
雑面は重力に従い地面に落ちる
[え、…..]
少しづつ目が、焼けるような痛みに襲われる
手汗が止まらない、拳に力を込め、声が出ないように
必死に耐える
[嘘…..やん、なぁ!ロボロ!!!]
「もう…..間に合わへんねん」
[なぁ!ロボロ!!!]
面を外した時に見えた、桃色と黄色の瞳
少しづつ、少しづつ瞳が黒く、闇に、蝕まれていく
「もう…..間に合わへんねん」
嘘だ、嘘だ、嘘だ!!!
どうして、助かると、救えると思ったのに!!
ロボロの体から光が放たれる、柔らかな、白い光が
ほんとに、もう、ダメなのか
[シャオロン!!!!]
[ッ…..!?]
後ろから突き刺すような声が聞こえる
[ロボロを台から下ろして!!!!]
ひとらんのその声が耳に入った途端
体が動く
地面が砕け、砂埃が舞い上がる
「っ…..来たら…来たらダメやッ!!」
熱い、ただの光はずなのに、全身が蝕まれるように熱い
[俺のッ…手、掴めやッ!!ロボロ!!!]
俺たちを光が飲み込む
差し伸べた自分の手に、一回り小さい手が重なる
間に合え、間に合え、間に合え!!
そのまま台から突き放す
突き放せた、はず
途端、暗転
意識が遠のいていく
目が覚める、ここはどこだろう
真っ白な天井、白いカーテン
ほんのりと香る薬品の匂い
ここは医務室か
[…あ、…気がついた、良かった]
しんぺい神が視界の隅に映る
[かみ…..おれ…..まもれたん?ろぼろんこと…..]
[…..うん、守れたよ、君が救ったんだ]
[そ、か….よかった、あんしんしたわ]
うまく、声が出ない、掠れる
[ロボロの呪いの影響を受けたから、まだ安静にして…]
ロボロは、ロボロはどこや
[ちょ…シャオロン……]
体を起こす
ベッドから降りてカーテンの外に出る
隣に、人がいる
[ロボロは、ロボロは生きとるんか]
[シャオ…ちゃん、もう体起こして大丈夫なん?]
鬱先生が心配そうな眼差しでこちらを見つめる
[ええから…ロボロは…..]
[生きとるけど…]
そう言われ、ロボロの寝ているところに行く
いつもつけていた雑面は枕元に置かれ
素顔を出し、静かに寝息を立てて、ロボロは眠っていた
右目、瞳が黄色い方の目に眼帯がつけられていて
左目は火傷の様な跡が残っている
[よかった…..生きてた…ほんまに良かったッ…..]
[シャオちゃん…]
安心した
生きている、呼吸をしている
[ちょっと〜…まだ安静にしてないとだめやでー?]
ズキッ
痛い、皮膚が少しびりびりする
[……いッ…..]
[ほらー、言わんこっちゃない、はよ戻って、安静期間過ぎたらいくらでもお話していいから]
[はぁい…..]
促されるままにベッドに戻る
[なぁ、儀式からどんくらいたったん]
[…..3日、かな]
[…え??み、3日?]
[3日。]
[そんな…..眠っとったんや]
[…..おん、君に関しては予定よりも早く起きたよ]
[だから、すごく安心した]
[そ、やったん]
[せやで、少なくともあと1日は覚まさないと思ってた]
[ほんまか…、なぁ、ロボロはいつ起きてきそうなん]
[そうだなぁ…俺的にはあと2日3日で起きてきたらすごいってところかな]
[2…3日は、かかってまうんやな]
[…せやね]
[……でも…まぁ、すごいね、シャオロン]
[おん?]
[あと、数秒でも反応が遅れてたら…]
[…..って、聞いて]
[そ、やったん]
[…うん]
もし、あと数秒遅れていたら
あのとき、ロボロに手が届かなかったら
本当に
[ほんま…..よかった…..]
[うん、…お疲れ様、今はちゃんと休んでね]
しんぺい神に頭を撫でられ
少し目を閉じる
緊張の糸が千切れ意識が少し遠のく
休もう
〜数日後
[ロボロ…起きへんの?]
[いや…もう、すぐ起きる]
[呼吸も…心拍も…体にこれといった異常は無い…..]
[ごめんね、俺少し自分の方に戻るね?]
[おん、わかったわ]
俺が目覚めて3日、ロボロはまだ目を覚まさない
[…彷徨っとるんかな、…ロボロ…]
シャオロンがロボロの肩を少し揺さぶる
[な、ロボロ起きへんの?]
[…もう朝やで]
[俺、せっかくお前のこと救ったのに、さ]
[…辛いで、それは]
視界が霞む
ロボロの顔がよく見えない
[…………起きてや]
手を握る
あまり
温もりを感じない
[…ロボロ……]
目元を撫でる
痛々しい傷やな
もう少しはよ救えたら
もっと軽傷で済んだんかな
そのとき
[あ….ぇ..]
指が少し動く
[ろ、…ぼろ?]
[…ロボロ…!!]
瞼がゆっくりと開く
ゆっくり、少しづつ
[お、…きた……おはよ…おはよロボロ]
「…しゃお、ろん…無事…か?」
[おん…俺は、大丈夫やで]
「でも…少し火傷してもうたんやな、」
[こ、こんな火傷大した事あらへん]
[…ロボロの方が心配やねん…]
「…w大丈夫や、家の家系で目は強いんや…」
「体の中で…多分、1番回復すんの…早い、で」
[ほ、ほんま?ほんまなん?嘘ちゃう?]
「嘘やないわ…せやなかったら俺目見えなくなってんで」
[…そ、やな…]
[…ほんま、無事でよかったわ]
「……うん」
[なんか…話せる範囲でいいから今度儀式の事聞かせてや]
「…おん、ええで」
「まぁ、とりあえず…ありがとうな、シャオロン」
[…うん、消えなくて、良かった]
「あと、その…ごめんな、…いろいろ」
[あ…謝らんで?俺は大丈夫やし]
「そか、ならよかった…」
[へへ…、なぁ、ロボロ]
「なんや、」
[俺らん事、もっと頼ってな?]
「…せやな、そうするわ」
[それでええんや]
「……ありがと」
[これでも仲間やん?俺ら]
「せやな、大切な仲間やな」
[せやで、だからな、絶対ひとりで抱え込まんこと]
「……おん、」
[マブダチ様からのお願いやで、これは]
「そか…それは守らんとやな」
[頼んだでぇ?]
「…おん、絶対守る」
[それでええんや]
「…ごめん、シャオロン…ちょっと、眠いわ」
[…うん、俺も]
「…べっど、…もどらんでいいん…」
[ええんや、ここにいる]
「…そか、わかったわ…」
「…じゃあ、おやすみ」
[……おやすみ、ロボロ]
[いい夢、見てな]
END
コメント
6件
めっちゃすきです、 良ければバットエンドバージョンも見てみたいです、! 良ければなので全然断ってもらっても大丈夫です,
良い…とても良い… 私がちょうど読みたかった内容…逆にしーちゃんが怖いわ…なんで分かったのか…