桃葉side
1…
2…
3…
息を合わせて飛んでいく
…一歩遅かったら怪我…最悪死…
ぶっつけ本番でこんなこと…
でも体育祭の時に大縄をやった経験が生きたのか、意外と10回は軽々行けた
…少し疲れた
…いやいやいや…ダメ!!私が転んだらみんなに迷惑…
…縄がどこにあるのか見てみると…
私の足をちょうど掠るぐらいの位置にあった
次の瞬間、足に激痛が走った
桃葉「うッ…!?」
クロネ「…!?…桃葉…!?」
梓「…結構ガッツリ…」
桃葉「…す…すみま…せ…」
クロネ「そんなこといいから!!休んでて…!!」
フウリン「…あら…誰が休んでいいなんて言いました?」
楓「…休んじゃダメとも言ってないだろ」
フウリンは一瞬黙り込んでから溜め息をつき、こう言った
フウリン「…はぁ…今回だけですよ」
彼女は私に肩を貸し、どこかに連れて行った
1F 保健室
フウリン「…包帯で満足してくださいよ」
フウリンは私の前に屈み、包帯を巻き始めた
…その時、ふとフウリンの首元に鍵がかかっていることに気付いた
金色の小さい鍵だ…何だろうあれ…
フウリン「…何か?」
桃葉「なっ…なんでもない…です」
フウリン「…そうですか」
それ以来沈黙が続き、包帯を巻き終わった私は大縄に復帰することになった
…鍵のことは…あとで報告しておこう。何か役に立つかも
クロネ「桃葉…!!…大丈夫…?」
桃葉「大丈夫です。皆さんこそ大丈夫ですか…?」
楓「俺はギリ飛べたからな」
薫「僕も…」
フウリン「お喋りは控えてください…再開しますよ」
それからは私は回数を数えずただ飛び続けた
…3分が過ぎた頃だろうか
フウリン「そこまで!!」
フウリンの声と同時に私達は地面に倒れ込んだ
…ちなみにあれ以来もう誰も引っかかることは無かった…もちろん私も
…空が綺麗だ…当たり前のことにさえ素晴らしいと思ってしまう
…そこに私達の心情も知らず悪魔の声が響いた
フウリン「それでは…次は数学ですよ。移動しましょう」
2F 2―1
…見慣れた教室に戻ってきた
戻ってくると教室にはそれぞれ私達の名前が書かれた名札が置かれていた
…とりあえず座っておこう
フウリン「…体育で大体の内容は分かったと思いますので…これからは容赦なしで行きますよ」
フウリンは黒板の前に移動しながら言った
…大縄だって気をつけていれば無傷で成功できたと…思う…私が言うことじゃないけど
フウリン「今回、皆様には私が出題する問題を解いてもらいます」
フウリン「他人から聞くのは禁止、カンニングも禁止です」
フウリン「…合計10問、回答者はランダム、回答時間は1問計算含め15分となります」
それでは初めま…と彼女は言いかけ、思い出したように言った
フウリン「…あ、そうそう…言い忘れていました…」
フウリン「今回は死ぬ危険がありますのでお気をつけて」
死ぬ
…一気に場の空気が引き締まる
一歩間違えれば…
フウリン「それでは第一問…咲新さん」
彼女は私の名前を呼んだ
…と同時に問題を書き始めた
「Q. 5x+5=2x+8 xの値を求めよ」
…理系は苦手だけど…これはいける…!!
フウリン「答えは黒板に書いてくださいね」
彼女はそう言い、チョークを手渡した
私は黒板に答えを書き込んだ
「x=1」(多分合ってる…ハズ…by.主)
フウリン「…お見事。正解です。」
フウリンは特に微笑むこともなく淡々と言った
フウリン「…では次の問題にいきましょうか」
…それからは何も起こることなく正解が連発した
そう思い始めたとき…それは起こってしまった
楓「…10問目で当たるってマジか…プレッシャー…」
薫「だっ大丈夫だよ…!ね…!」
薫さんはぎこちない笑顔を浮かべ、そう言った
フウリン「…それでは最終問題です」
「Q.大切な人と同じ所へいけるとしたらあなたはそれを受け入れますか?
はいかいいえでお答えください」
…え、ここまで来て数学関係ない…
…というか問題文の意味が分からない…
薫「…楓…?ど、どうしたの…?」
楓「…」
薫「ね、ねえ!楓ったら!!どうしたの…!!」
楓「…」
薫「…楓…?」
楓さんは薫さんの言葉に反応しない
…ただ震えているだけだった
楓「…薫…俺…俺…どうすれば…」
楓さんは薫さんに泣きついた
何秒も…いや何分も泣き続け、薫さんは何も言わず頭を撫でた
…が、あと5分をきったところで薫さんは言った
薫「…楓が好きな方を選べばいいよ」
薫「…問題文の意味…何となく分かったけどさ」
薫「…楓が…好きな方を選んで。ね?」
楓さんは黙って頷き、黒板に文字を書いた
「はい」
続く
コメント
12件
何となく楓さんの大切な人がどこにいるのか察してしまった…。
あ、、、マジかぁ、
あっ…もしかして()