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〜 side ミラン 〜
今頃ロウ君は何してるんだろう
事件対応で何処かに出てるかな
署の中で事務作業?
もう頭の中がロウ君でいっぱいになっちゃって稼業が手に付かない
ちょっとだけ見に行く?
ちょっとだけなら良いんじゃない?
言い訳にもならない『見に行く』というだけの思いで警察署まで来てしまう
さすがに駐車場にはいないか‥‥
出てくるまで待つにしても目立つよなぁ
仕方ない
少し離れた場所に停めてある車まで戻ろうとした時、警官に声をかけられる
「ミラン君?どうしたの?」
「あ、神田さんお疲れ様です。あの‥‥カゲツなかなか出てこなくて」
「え?カゲツ君?‥‥いなかった気がするけど‥‥」
「いませんでした?おかしいなぁ、ずっとここで待ってるのに」
「今見てくるよ。待ってて」
「それって着いていっちゃダメですか?もし時間かかるなら伝言あって‥‥それだけ伝えられたら私もここを離れられますし」
「うーん‥‥まぁいっか。じゃあこっち来て」
「はい。ありがとうございます」
咄嗟に出た嘘だけど、上手くいきそう
駐車場の階段を上がり署へ侵入成功
神田さんは鍵を開けて奥の通路へ通してくれる
「あれ?神田さん、もし留置所に行くなら‥‥」
「あの書類ですか?はい‥‥‥‥」
私から気が逸れた
すぐそばにある扉を開けると階段が見える
そっと扉を閉め階段を登る
「やったね」
軽快に2階へ駆け上る
重い扉に手をかけ、廊下の様子を伺う
「‥‥あれ?もうダクトテープないわ。取りに行くか」
この声はロウ君!
ラッキー過ぎる‼︎
こちらに来る気配を感じ、扉を最小限開けて待つ
今だ!
急に開いた扉の中にロウ君の腕を掴み引き入れた
「わぁぁっ‼︎」
「しっ、静かにして下さい」
「っミラン⁈お前っ‥‥」
階段の隅にロウ君を抱きしめたまま身を潜める
めちゃくちゃ肩と背中を叩かれてるけど、そんな事は気にしない
「お前馬鹿か?留置所から脱走してきたんだろ!」
「脱走なんてしてませんよ。今日は犯罪してませんから」
「はぁ⁈じゃあ何でここに居るんだよ」
「ロウ君に会いたくて」
「そうじゃない!どうやってここに入ったんだよ‼︎」
「あぁ、神田さんに入れてもらいました」
「タダで入れるわけないだろ⁈何言って入ったんだよ」
「秘密です」
怒った顔のロウ君も可愛い
ピンク色の唇が私の名前を呼ぶ
「ミラン!」
「なんですか?」
ロウ君の次の一言と一緒に私は口付けをした
「っ!‥‥んっ‥‥んんっ!」
「なんか警察の制服でこんな場所だと背徳感がありますね」
「っ、離せよ!ミラン、本当に‥‥」
「嫌です。離したくないです」
「馬鹿馬鹿!誰か来たら‥‥」
「誰も来なかったら良いですか?」
「そうじゃないだろっ‥‥やっ!お前っ‥‥」
話しながらロウ君の太もものあいだに私の足を差し込む
私の体を押し付け、ロウ君の顔がさらに赤くなる
「馬鹿な事してないで帰れっ!」
「だってせっかく付き合えたのに離れてるの寂しいし」
「は?いつ付き合ったんだよ!」
「えぇ⁈あんな事したのに?」
「っ‥‥うるさいうるさい‼︎良いから帰れよっ!」
ロウ君が私の手を取り、辺りを見渡す
裏口まで引っ張り出し、扉の外へ放り出された
狭く開けられた扉の隙間からロウ君が睨む
「酷いですよぉ‥‥」
「帰れ!」
そして手で『しっしっ』とあっち行けのサインをおくられた
あんなに可愛く私に抱かれておきながら付き合ってないなんて‥‥
なんか‥‥順番間違えましたっけ?
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