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#魔道具職人
こはる
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第35話
「分かりました。じゃあ、来週末にお宅に伺いますのでよろしくお願いします」
「あぁ。よろしく頼む」
すると、扉が開いてラルフさんが客室へ入ってきた。ニルスさんは、後ろから頭を抱えて入ってきた。
「俺も話がある。今すぐできるのをな」
手合わせか。
「えぇ。でも、ここではできませんよ」
壊してしまうから、と。
それが何か察したローベルトさんは「見学していいか? 第五部隊も、武術は必須項目なんだ」と『場合によっては、参加させてもらう』と言われた。
わぁ。
ニルスさんは、いつでも出来るよね。という圧をかけたら頷いた。
「俺もやる」
あ、全然伝わってないや……
そんなこんなで今、ケスラー家の訓練場にいる。
私が本気で一暴れしても耐えられるような設計になっている。
私がただの見学者みたいになってるけれど、剣を持って真ん中に来たら、案の定ガタイの良い聖騎士さんに止められた。
「嬢ちゃん。危ないぞ」
「ご心配ありがとうございます。お気持ちだけ受け取らせていただきます」
私は、そう言って隅に追いやった。
「……三人とも……いや、四人とも、かかって来てください。私、死なないと思うから手加減不要よ」
私は、お手製の木の剣を片手にニコッと笑った。
今回は、模擬戦。降参するまで続ける。
目の前には、ローベルトさん、ニルスさん、ラルフさん……そしてノアがいた。今の所、ノアが一番強い。
……手加減の仕方が分からない私には丁度いいのかもしれない。第五部隊だから、あまり期待はしていないけれど。
三割とか、二割を今まで下回ったから、苦手なのかな?
知らんけど。最終的に三割くらいでかかればいけるかな?
……前は、手加減し過ぎてたから相打ちになったけどね……一応だけど、人様のこと見極めるのって、サントラップに来るまでやった事なかったからね。見分けるのは、今までずっとだったけど。
「ま、ノアも見たこと無いくらいだから、通りかかりのバケモノくらいに思っていた方がいいと思う」
そう言って私は、手始めにいつも通りの力でノアにかかった。
「え?」
とボケた声を出しながら私の攻撃を木の剣で防いでいる。スピードは、自分のニ割くらいにしてみた。
直ぐに離れた私の事をみて、四人とも疑問符の嵐に見舞われている。
「私、手加減するのが苦手であの時は……って、この身体能力に気づいてなかっただけだけど。ま、かかってきてくださいよ」
ふふっ。本気出せるかな?
私は、後ろにきたラルフさんの攻撃を剣で受け流した。思ってたより強かった。でも、私が出会った人の中では……トップ五十にギリ入らなかったくらいかな。
次にニルスさん。魔法の使い方が巧みで、魔法だけだったら、負けてしまう。強さ的にはラルフさんと同じくらい。
私の背後からローベルトさん。二人よりかは強いから、トップ五十は入っている。手応え的には……四人とも、もっと欲しい。
……というか、私が他人に興味なさ過ぎてあまりなんだよね……そこら辺の冒険者よりかは強い。
裏の連中は、捨て駒を沢山使ってるから、激弱。最弱。どちらも同じ意味だけど、そのくらいの肩書きでいいと思う。
そこら辺のドラゴンも同じ感覚。
見て見ぬふり。ノアくらいの強さだと思う。
……あいつ……私の感覚をバグらせやがって……
「こっちは、学年トップだぞ……何であんな動きが……?」
「ネタバラシは後でです。一応ですけど、この剣たちは、壊れにくくする回路だけですからね」
何本か、試作で作った。
大体、同じくらいのトップクラスに上出来な木の剣四本を渡した。私は、それより一つ上。
二割くらいに増やしてみた。
「かかってこないなら、こっちからいきますよ」
私はそう言って、ローベルトさんの脇腹目掛けて剣を振るった。私は、防御は弱いけれど、スピードは自信がある……と言っても、本気を出せる相手がいないのだけどね。
ローベルトさんは、普通に飛んだ。
風魔法を上手く剣に纏わせると威力が格段と上がるんだよね。
プラズマとか、原子とか……そこら辺。名前は分からないけれど、意識している。
ラルフさんに向かって「よそ見は厳禁ですよ」と言いながら剣を背中から当てた。
その勢いで、ノアも当てようとしたけど、防がれた。
「ふふっ。私のスピードにどこまでついてこれるかな?」
「あぁ。必死についてく」
獣人と、超人の一対一。
多分、ノアは本気。大体、私は二割。
でも、神経は誰よりも研ぎ澄ましている。こんな魔法の使い方は、この時代のこの世界だと、無いだろう。
私は、ノアも二人と同じように一瞬で飛ばした。
「ボケっとしてると、駄目ですよ」
入る間が無いと悟ったニルスさんが立ち尽くしていたので、真正面から剣を振った。
勿論、防がれた。だけど、パワーで言ったら四人の中で一番強い。
ふふっ。面白いじゃない。
私は、ニコッと微笑みながら剣を構え直した。
コメント
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第36話、読み終わりました! いきなり「四人ともかかって来てください」って宣言してからの流れが痛快すぎて笑っちゃいました。私、手加減するのが苦手なんですって言いながら、二割の力で華麗に捌いていく主人公、かっこよすぎますよ。「よそ見は厳禁ですよ」ってラルフさんに背中から当てるシーンは特に好きです。ノアとの一対一、「超人の一対一」って表現が二人の関係性を感じさせて熱いですね。続きが気になります!