テラーノベル
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将臣の両親が様子を見にやってきた。
「気持ちよさそうに寝ているわね……」
母は今にも泣き出しそうな顔でそう言った。
憲一は、眉間に皺を寄せたまま無言だった。
小さな寝息を立てて眠っている将臣を起こさぬよう、廊下からその姿を確認すると、母は静かに襖を閉めた。
「凪さん、将臣のことをこんなに丁寧に……本当にありがとう」
将臣の母は涙声を震わせて、凪の手を握った。
しかし、憲一は口を一文字にして表情が固い。
「町の患者など相手にするからだ。これはあいつの慢心だ」
凪に鋭い視線を送る。
「将臣は昇進する身なのだから、大事に世話をしなさい」
(ああ……将臣様の昇進は、皆から望まれていることなのだな)
「……お前は、女中としてなら合格なのにな」
憲一の小さなため息が、凪の心を重くする。
その言葉に、凪は何も返すことができなかった。
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