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3
南の島に到着した1年生たちは、
これから始まる特別試験の説明を受けていた。
一定のポイントを使いながら、
食料や道具を確保し、
クラス全員で一週間を乗り切る。
さらに、各クラスにはリーダーが存在し、
その正体を隠し通すことも重要になる。
Dクラスのリーダーは堀北さん。
ひなは緊張しながらも、
クラスのためにできることをしようと心に決めていた。
テントの設営や水の確保に追われる中、
ひなも桔梗ちゃんたちと協力して作業を進めていた。
暑さと慣れない環境で体力は奪われていく。
それでも、
綾小路くんの姿を見るたびに、
不思議と頑張ろうという気持ちになれた。
その日の夜。
焚き火の明かりが静かに揺れる中、
ひなは一人で少し離れた海辺に座っていた。
波の音が穏やかに響く。
「ここにいたのか」
振り向くと、
綾小路清隆が立っていた。
「綾小路くん」
彼はあたしの隣に腰を下ろす。
「疲れていないか」
「少しだけ。でも、みんなと一緒だから頑張れるよ」
「そうか」
短い返事。
けれど、その声にはいつもの優しさがあった。
しばらく波の音を聞いたあと、
綾小路くんは静かに言った。
「ひな」
名前を呼ばれ、胸が高鳴る。
「無理をしそうになったら、必ず俺に言え」
「……うん」
「お前に倒れられると困る」
思わず頬が熱くなる。
「それって、心配してくれてるってこと?」
彼は少しだけ視線を逸らした。
「……そういうことになるな」
ひなは勇気を出して、
そっと彼の手に触れた。
指先がかすかに震える。
綾小路くんは手を振り払うことなく、
静かにそのまま受け入れてくれた。
「一緒に頑張ろうね」
「ああ」
彼の手のぬくもりが、
ひなの不安をゆっくり溶かしていく。
焚き火の明かりの中、
二人の影が砂浜に並んで伸びていた。
「今回の試験が終わったら」
ひなが小さく呟く。
「また、ゆっくり話したいな」
綾小路くんは静かに答えた。
「約束しよう」
その言葉に、
胸の奥が幸福でいっぱいになる。
無人島の静かな夜。
初めて触れた彼の手。
交わした小さな約束。
そして、確かに感じた特別な想い。
恋の方程式は、
またひとつ新しい答えへと近づいていた。
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